おすすめしない学習法 上-社会人のビジネス英語勉強法2-

具体的な内容に入る前に、時間がない社会人が英語学習をするにあたり、ビジネス英語習得という観点からおすすめしないことを考えてみます。

NG1-TOEICの問題集のみひたすら解く

TOEICを受けたことはありますか?受けた方はどんな感想をお持ちでしょうか。

私はとりあえず、一度受けると、もう当面いいかな、と思います。理由は2時間近く集中して取り組まなければいけないことと、かなりのスピードが要求されるため、非常に疲れるというのがあります。そして何よりも、内容が死ぬほど退屈だからです。

退屈、という感覚は日本語でも同じだと思います。

「太郎は公園で犬と一緒に走っているところだ」(そう…)

「昨日のコンサートはどうだったかい?」「残念ながら、中止だったのよ」(残念でしたね…)

「告知:毎年恒例・夏のバーベキュー大会が開催されます。全従業員は8月1日に云々」(自分興味ないっす…)

このようなやり取りや文章を読んで、面白いわけがないですよね笑。

確かに現状の日本社会でTOEICで高得点を取るのは大事なことです。テストの結果に社会的信用があり、入社・昇進試験等で一定程度の評価を得ることにつながっているため、何もないよりは高得点を取っていたほうが、自分の能力を証明するのに非常に手っ取り早いです。

一方でTOEICの練習ばかりやっていると、英語を「テスト」ととらえてしまい、嫌いになってしまうという危険性があります。

語学学習の目的は、単なるテストのためではなく、仕事や日常生活を通して、母国語と同じように使って円滑なコミュニケーションをするためのツールとして役立てることにあります。

それにはもちろんTOEICの勉強だけでは足りませんし、飽きないように学習を継続できるよう工夫することが不可欠となります。そのためには面白い教材を使用しなければいけません

またTOEICという試験はよくできています。つまりTOEIC対策ばかりしていても点数は伸びず、結局のところ、総合的な英語力が問われるように出来ています。

よって、TOEICの練習用教材や本番形式の問題集は、試験前1か月に集中してやれればよいと思います。

NG2-長文リーディング練習 

受験英語でおなじみの長文リーディング練習、ついやりがちではないでしょうか。

確かに大学入試はもちろん、英検1級、TOEFLなどではこの対策は重要と思います。

だいたい選択式の設問がついているパターンですね。

が、しかし!

現実のビジネスにおいて、「長文の英語」を、「素早く」読んで、理解する必要はあるでしょうか。私は何十ページにおよぶ監査インストラクション(海外監査人に「やってほしいこと」を伝える書類)作成や契約書レビュー等を行ってきましたが、それでも受験勉強のような「長文リーディング練習」は必要ないと断言します。

ビジネスの場において、もちろん長文の英語に出くわす場面はあります。しかし、重要な文書であれば複数名による詳細な吟味が必要となるため、分担を分け上位者がレビューして丁寧に時間をかけて確認していきます。スピードが要求されるビジネスにおいても、重要な契約書類等であれば即答は避けるのがリスク回避の観点からも当然です。

もし重要でないにも関わらず長い文章なのであれば、それはそもそも見る必要もないものです。

逆にemailやチャットによる発注処理等のように、短いやり取りのなかで素早く判断しなければいけないものは、アウトプット練習を通した練習の中で、自然と培われるものです。

またのちに触れる「オンライン英会話スクール」の中で、TOEICの長文問題と同程度の文章を読んでディスカッションを行う講座もあるので、「長文スピード読解」がどうしても必要な場合はそちらを利用することで代替できる可能性もあります。

もちろん英文の面白い記事や、小説等を読んではいけないと言っているわけではありません。この話はあくまでもビジネス英語マスターという観点です。

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