資格試験であれ、通常の勉強であれ、基本テキストほど重要なものはありません。資格試験であれば、基本テキストから出題されたものは、限りなく満点を取らなければ結果が合否に直結するほど重要なものとなります。
一般的に、資格試験は出題の半分くらいが基礎を応用した難しいもので、どんなに対策したとしても解答が困難なものとなります。しかし残り半分は基本テキストからそのまま、もしくは少し形を変えて出題されます。応用的な部分は解答も複数あり、そもそも正しい解答が無いことも多く、それほど大きな差はつかないと思われます。逆に基本テキストに掲載されている例題や問題集などの基礎的な部分は、勉強してきた受験生であれば取れることが多く、ここを落とすと致命傷となり得ます。
資格試験でなかったとしても、例えば仕事に関係する書籍のスタンダードな一冊をしっかり読んでおくことは、非常に重要となるでしょう。私が今携わっている相続・事業承継の分野でも、スタンダードといえる書籍が存在します。700ページもありますが、実務に直結する内容ばかりなので、頑張って読んでいます。
基本テキストを理解することが重要、ということに異論は無いかと思いますが、実はベテラン受験生であればあるほど、基本テキストは理解できていると思い込み、応用的なものばかりに手を出しがちです。もちろん私もそうでした笑。しかしスポーツに例えると基本テキストは筋トレもしくはストレッチに相当するものであり、毎日継続すべきものです。これを怠ると本当に大ケガのもととなります。
またプロの世界でも基本テキストを軽視している例がたくさんあります。会計士業界を例に取ると、一般的に試験合格3年後に「修了考査」というテストがあり、これに合格して初めて会計士と名乗れるわけですが、この修了考査のテキストに記載されていることを忘れてしまっているにもかかわらず、自分は何でも知っているとばかりに仕事を進めるベテランがいます。自分が知らない(忘れている)ことは誰もが知らない難しいことであり、やらなくても大丈夫だろうと思い込み、手を抜いてしまうのです。
その結果、締め切り直前になんでこれをやっていないんだ!といろいろやらなければいけないことが出てきてチーム全体に迷惑をかけることになってしまうのです。もちろん人間は忘れる生き物ですからすぐに思い出せなくても何の問題もないのですが、基本テキストを精読していれば、どんなに月日がたっても項目くらいは思い出すはずです。
では、基本テキストがとてつもなく膨大にある場合、どういった工夫が考えられるでしょうか。
公認会計士試験を例にとると、試験科目は「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「租税法」「企業法」「選択科目(経営学など)」となり、その中でもっとも膨大な財務会計論に着目してみます。
財務会計論はさらに「計算」「理論」に分かれます(前者はいわゆる「簿記」、後者は「財務諸表論」と呼ばれることもあります)。
この「計算」編ですが、予備校の基礎講座数は2.5時間のものがおよそ80~100講座、基本テキストのページ数は予備校にもよりますが問題集も入れて約15冊以上、合計2500ページもあります。
本当にそれほど必要か、講座数やページ数を絞れないか、という疑問は若干ありますが、公表された出題範囲に即してテキストを作成すると、こうなってしまうのでしょう。よってそこには疑問を持たないこととしましょう。
ここでは基礎講座はおおよそ終わり、応用期に入ってテキストをどのように工夫して読んでいくかという前提でお話しします。まあ、どんなフェイズにおいてもテキストの読み方は同じアプローチでいいのですが。
キーワードは「全体像把握」「精読」「速読」とそれを実現する「アンダーライン」です。
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