リスニング3からのつづきです!
余裕が出てきた2週目以降はリスニングしているときに「シャドウイング」にも挑戦してみてください。シャドウイングはのちに触れますが、簡単にいうと、テキストを見ずに、英語を聞き取り、その直後に同じ文章を素早く繰り返すことです。これを行うことで自分が本当に聞き取れているかを確認できるのみならず、英語のリズム習得、また次に触れる英訳アウトプットの練習にもなります。はっきり発音するのではなく「もぐもぐ」くらいで問題ありません。電車の中でも不審者にならない範囲でシャドウイングできます。
リスニングの楽しさは、1回聞いてまったく聞き取れなかった教材(そういう教材を選んでいるので仕方ないですね)が、だんだん聞き取れるようになってくることです。このやり方を繰り返していけば、間違いなく聞き取れるようになっていきます。
さて、ここからは上級者向けの話をしましょう。
上級者といってもいろいろありますが、ここでは「NHK実践ビジネス英語」を1度聞いてほぼ問題なく聞き取れる、と定義します。
このレベルまでもっていけたとしても、海外在住経験がない場合、実は海外出張等で大いに苦戦することになると思います。
それは、使用している教材が「教科書通りの発音」「教科書通りの文法」「教科書通りのスピード」を使用しているため、実際に話されている英語とかなり異なっているように感じるためです。
よってレベルの高い教材はほぼ聞き取れるのに、実際にネイティブスピーカーとのビジネス会話もしくは日常会話では、まったく聞き取れない、という事象が起こります。
このギャップを完全に埋めるのはけっこうきついです。このあたりはやはり海外在住経験がものを言います。
しかしそのギャップを徐々に埋めていくことは可能です。
それは、もちろんネイティブスピーカーの友人がいればいいのですが、そうもいかない場合、「ネイティブスピーカー同士の会話」をリスニング教材とすることです。
先に挙げたアルク出版の書籍はネイティブスピーカー同士の会話で構成されており、このギャップで戸惑っている方に非常におすすめです。おそらくリスニングに自信がある方でもかなりわからない部分が出てくると思います。
しかし使用されている単語を見ると、それほど難しいものは出てきません。
ネイティブスピーカー同士だと、共通のバックグランドがありまったく遠慮する必要がありませんので、表現を端折ったり文法を崩したりといったことが頻繁に起こります。さらにスピードも教科書では考えられないような速さに感じることが多いです。
これは日本語でも同じですね。私は中国人と仕事中、「そういうのばかりだよ」と言おうとして、「そういうのばっかだよ」と言い、ちょっと悲しそうな顔をしたのでどうしたのか聞いてみたら「そういうのバカだよ」と言われたと思ったとのことです笑。我々はいろいろな揺らぎを難なく聞き取れても、日本語を勉強している外国人にとっては、何を言っているかわからないことが多く感じます。
よって、海外経験のない方がリスニングレベルをもうひとつあげるためには、ネイティブスピーカー同士の会話をリスニング教材とし、これを聞き取れるまで何度も繰り返す、ということが必要です。
上級者向けとしてアルク出版の書籍を挙げたはこのためです。
おそらくイメージとしてはTOEIC860以上、になると思いますが、早い段階でやっても全く問題ないと思っています。むしろ余裕があれば「教科書的な」テキストと「ネイティブ同士の会話」テキストを両方リスニング教材としてやりたいくらいです。
スクリプト付き映画やドラマなども同様の効果がありお勧めです(できれば会話部分が和訳付きで書籍になっていて手元で確認できるのがいいですが)。
さて、リスニングに関し重要な点を繰り返しますが、リスニングは文字通りリスニング能力を改善するためのものであるため、「自分にとって難しい教材」を選ぶ必要があります。それを繰り返すことでリスニングレベルを上げます。もちろん、何度聞いて聞き取れなくても凹む必要は全くありません。なぜなら自分にとってレベルの高い教材を選んでいるのですから。
さて、これまで見てきたリスニングのポイント要約を記載します。
- 教材は対訳・音声付きで、自分が1度聞いてもほとんどわからないレベルのものを選ぶ
- 分からない英単語に線を引き、対応する日本語和訳にも線を引く。次の回の復習では、英語→日本語の順で「1秒単語復習」する
- 仮に和訳がわからないところがあっても、それはほぼ文法を理解できていないからなので、あまり気にしない。今はリスニングに集中しているので、文法編が一回りしたら、というくらいの意気込みで、和訳には気楽に取り組む
- 教科書通りのリスニングがほぼできるようになったら、「ネイティブスピーカー同士の会話」のリスニングに取り組む
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