TOEIC高得点で調子こいて海外出張に行って大失敗した話 中編

前編からのつづきです!

同行する上司とは感情的にすれ違いも起きていました。前回の記事の通り「背景」を全く教えてくれないので解読に時間がかかるのは当たり前ですが、上司にはそれを許されず、だんだん罵倒されはじめたのです。(注:この上司とは今は大変仲がいいのですが、いずれこのときの文句を言おうと思っています笑。)

私にも反省点があります。当時の私は「社会人採用+TOEIC高得点」ということから「海外出張などたやすくできる」と思っていましたが、それは非常に甘かったと言わざるを得ません。

まず、TOEIC高得点といっても、それはあくまでテストの話であって、実際の英語力とは一致しないからです。英語によるビジネスは未経験ということは、しっかり事前に伝えるべきでした。

また、私は監査法人業界では比較的珍しい別業種社会人経験採用ということもあって、他の新人よりもできるところを見せようと張り切りすぎていました。なので海外案件だろうがなんだろうが全て引き受けていました。この姿勢は必ずしも悪いとは思わないのですが、それを実現するには長時間労働もいとわない大きな覚悟が必要となります。私は最初からいきなり力を発揮できるタイプではなく、ある程度経験値をため、自分なりの方法を確立してから一気に爆発(?)するタイプなので、最初からいろいろやりすぎるのは普通にリスキーでした。

そんなこんなもあって、上司とはすれ違いが起きたまま(資料の解読が遅いだのなんだの毎日罵倒されましたw)、出張前の2か月間を過ごしました。

当時はまだ監査法人では新人で、他にもいろいろ覚えることが多い中、毎日大量の英語資料を読み込むのは本当にしんどかったです。

実は、今にして思えば、それらの資料はほとんど読む必要もないものでした。ポイントはその事前資料ではなかったのですが、当時の上司も初めてだったのでよくわかっていなかったのです。

そしてついに出張当日を迎えました。今でも覚えているのですが、事前入手資料はよくわからず、現地で何をするかもよくわからない状態で、「これは大変なことになる」と、とてつもなく心配になり、少し精神的に病んだのを覚えています笑。月曜日朝5時出発で、土日を使って出張準備しなければいけないのですが、どうもその気力が湧かず、月曜朝3時くらいからようやく荷物の準備を始める始末でした。

英会話力向上にも時間をさけず、上司との対立を抱えたまま、何をするか全くわからない状態で、何も知らない外国の会社の監査に行くわけですから、とてつもない絶望感を抱えていました笑。目的地はシカゴで、飛行機はおよそ12時間ほどかかるのですが、機内で私は寝不足だけど眠れない状態で事前資料をひたすら読んでいました。

空港に到着する機内アナウンスがあったときは、海外旅行なら「ようやく長いフライトが終わる!」と嬉しくなるものですが、私は逆に「ついに始まってしまう」とものすごく暗い気分になったのを覚えています笑。

そんなこんなでついに現地での「往査」がはじまりました。

監査ヒアリングの場合、一般的には会社の「重要なプロセス」のヒアリングを行います。「重要なプロセス」とは例えば「販売プロセス」です。販売プロセスは会社の決算では一番重要な「売上高」に影響するプロセスですから、どの会社においても間違いなく重要なプロセスとなります。

販売プロセスをさらに細分化すると「与信」「受注」「発送」「請求」「債権管理」等があります。これらのフローを営業部長等にヒアリングし、日本本社と著しく異なる点等をピックアップ、会計に与える影響を検討し、問題があれば会社の内部監査部門と連携の上、改善を指摘することが必要となります。

このヒアリングは会計士であれば「内部統制監査」で全員が行うべきものであるため、本来であればそれほど難しくないはずです。しかし、私はまだ「内部統制監査」すら未経験の状態でした。しかもそれをいきなり英語で行うのです笑

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