テキストは自由に「分割」しよう! -社会人の勉強法9 基本テキスト精読4-

精読は、速読のためにある! からのつづきです!

そもそも「テキスト」は最初から順番に読んでいくべきでしょうか?

私は最初から読んでいくと、かならず途中で挫折します笑

なぜなら、途中で難しいところがあったりするとそこに引っかかり、進捗が悪くなってモチベーションダウンするという黄金パターンに陥ってしまうからです。

しかも、最初から読んでいくと、なぜか半分くらいで飽きてしまいます。

これを回避する工夫はないでしょうか。

前の記事で挙げたIPOのテキストは全部で400ページあります。

これを最初から最後まで読んでいくと、最後のころには最初に読んだ内容を完全に忘れていると思います。もちろんそれはそれで全く問題ないのですが、最初から進んでいくと途中で難しいところがあった場合、そこにひっかかってなかなか先に進めなかったりします。

テキストをなかなか進めることができず、進捗が悪いと精神的にもよくありません。

そういう場合、勝手にテキストを途中で区切り、上下巻に分割してしまうことをおすすめします。

そして、仮に上巻で引っかかっているとしても次の15分は下巻から始め、また次の15分で上巻をやる、という風に、2つに分割して上巻下巻を交互に進めるのです。

この方法がはまるのは、1回読み終わったテキスト、もしくは後半が前半の理解を基礎としていないテキストが挙げられます。

先にあげたIPOの書籍は、前半理解していないと後半も理解できない、という構成ではありません。そもそも章によって著者も違っており、複数のテーマが連なっているようなイメージです。

この場合、最初から読む必要はありません。よって私はど真ん中でぶった切り、勝手に上巻・下巻として分割し、上巻・下巻を交互に読んでいきました。こうすることにより、上巻でちょっと行き詰ったとしても次の回下巻を読み、少し違う気分になれたところでまた上巻に戻ることができます。

読んでいる途中で行きづまったとしても、その部分は全体から見ると些細なことだった、というのはよくあることです。

さらに、前半の理解をベースに後半の展開がされるような本、つまり最初から順番に読んでいくべき簿記のようなテキストも、うまく分割することができます。

といっても非常に単純で、最初は我慢して本を半分まで読んだら、そこで区切って、上巻下巻に分割してしまうのです。そして次回以降は上巻下巻を交互に読んでいきます。

初めて読む本はまだ理解も浅いため、後半になると前半のことを忘れてしまっていると思います。

しかし途中まで読んだらまた最初に戻ることで、前半の理解も深まります。前半はすでに線も引いて速読精読をしてきた箇所なので、読むスピードも速いでしょう。

そのようにして上巻下巻を繰り返していくのです。

上巻下巻に分割するメリットは、「飽きにくい」「全体像をつかむのが早くなる」という点にあります。

予備校的には「監査論」は1冊の本であったとしても、私の中では「監査論上巻」「監査論下巻」に分割されているのです。


さて、「基本テキスト精読」では、精読・速読・アウトライン・アンダーライン(+テキスト分割)の手法を挙げました。この手法で今私が取り組んでいる学習を紹介したいと思います。

今私はこれらをフルに駆使して、「事業承継・相続対策の法律と税務」(PwC税理士法人)という本を読んでいます。

この本は全部で700ページもあるのですが、今の私にとって非常に重要な内容であり、ほぼすべてのページを理解する必要があります。

これまでの記事の通り、毎回目次を見てアウトラインをつかみ、アンダーラインを引きまくり、精読+速読を行っています。

最初から読んでいると大体15分で5ページくらいしか進まず、内容もかなり重いため、そのまま進めるのがだんだん辛くなってきます。そこで前半後半の2分割して読むことにより、なんとか継続できています。

この本の内容に関しては多少実務で取り組んだこともあり、全てが初めてというわけではないのも大きいです。やはり経験は大きくものを言います。かといって経験ばかりでもいけないのですが。

このテキストは多少前半の理解がないと後半が辛いところがあるものの、そういった部分は2回目以降に理解できると割り切り、どんどん先に進んでいます。1回しか読まないわけではないので、精読はもちろん必要ですが、後で理解できると考え気楽に取り組む姿勢が大事と思っています。


基本テキスト精読の方法をまとめます。

  • アウトラインの理解…学習の初めに目次を全て確認し、自分の現在地を見る
  • 精読…重要と思ったところ、もしくは講師が重要と言ったところにアンダーラインを引く(後から消せるように青フリクション推奨。赤は2回目以降や試験前にとっておく)。翌日の自分がアンダーラインの箇所のみ読んで、理解できるように線を引く
  • 速読…冒頭1~2分で、前5ページ程度をアンダーライン引いた箇所のみ速読。目に入れるだけでよい。頭に入らなくても気にしない
  • 残り13分程度で、ふたたび精読。これを何度も繰り返す
  • テキスト1冊の量が膨大であれば、これを分割して上下巻化し、交互に取り組む

次の記事 インプットとアウトプットの好循環を目指せ!

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