TOEIC高得点で調子こいて海外出張に行って大失敗した話 後編 からの続きです!
あなたはなぜ英語を勉強しているのでしょうか?
英語に限らず、語学の勉強をすることはとてもいいことだと思います。何一つデメリットはありません。
私が思う語学学習のメリットは次の通りです。
・異なる言語間を行き来することで、間違いなく脳が活性化します。たとえば朝に英訳アウトプット練習を行うことで、脳が目覚め、一日のいいスタートを切ることができます
・自分の中の常識をどんどん広げていくことができます。外国語の表現の仕方は日本語からは思いもつかないことがあります。例えば英語でto rain on your paradeはパレードに雨を降らせる、つまり盛り上がっているところにシラケるような発言をする、という意味のイディオムですが、「パレードを雨にする」という発想からして日本語にありません(冷や水を浴びせる、という表現はありますね)。このような違いを知ることは純粋に楽しいですし、文化に根付いた独特の表現を身に付けることで、常識の枠を広げることができるのです。
・世界の文化に触れることができます。外国の映画や音楽はもちろん、インターネット上に出るありとあらゆる記事等を楽しむことができるようになります。私はアメリカやイギリスのロックが好きで、カラオケでロックを歌いたいという野望も、英語を勉強した理由です。
そして英語を学習する最大のメリットは何と言っても「世界中の人々とコミュニケーションを取れる」、ということです。
このようにいいことづくめの語学学習ですが、もちろん外国語を習得するのは簡単ではありません。
英語は(私の知りうる限りフランス語、スペイン語もそうですが)、日本語とは構造が完全に異なっています。日本語は「てにをは」で自由に語順を変えることができ、さらに主語もかなり自由に省略できます。しかし英語は語順が決まっていて、主語もほとんどの場合最初に持ってくる必要があります。
これらの違いから、日本人が英語をマスターするのも、英語を母語とする外国人が日本語をマスターするのもとても大変です。
そこで大事になってくるのが、「英語を何に使うか」という動機・目的となります。
動機・目的と聞いて、ほとんどの人は「話せるようになりたい」「TOEICでいい点数を取りたい」「英語ロックを歌いたい」「世界中の人とコミュニケーションを取りたい」で十分じゃないか、と思うでしょう。
確かに学習の初期段階としてはそれで問題ないのですが、日本国内にいる場合、実はこれだけだと途中で伸び悩む可能性が高いです。
もし外国にいる、もしくは長期間滞在する予定がある場合、英語ができないと生活に影響が出てしまいますので、ある意味死に物狂いに勉強するでしょう。
しかし日本国内にいる場合、幸いにしてというべきか、日本語だけで快適に生活できます。
このような状況で、漠然と「英語を話せるようになりたい」「TOEICでいい点数を取りたい」と思っているだけでは、強烈な動機となりえず、勉強する習慣がついたとしても、なんとなくダラダラしてしまうというか、伸び悩んでしまう可能性が高くなります。
ではどうすればいいか。
私のおすすめは、仕事で無理やりでも海外案件に絡むことで、「仕事で英語を使う」状況に持っていくことです。
やはり仕事で英語を使わざるを得ないと、目的がはっきりして、普段の学習にも力の入れ具合が変わってきます。仕事では自主的な勉強と違って、失敗できないからです。
私の例でいえば、監査法人在籍時、初めて英語案件に取り組んだのは「アニュアルレポート」でした。アニュアルレポートとは企業が独自の様式で毎年HP等に公開する1年のレポートで、一般的には海外投資家向けに英語で書かれています。
私は新人でしたが手を挙げて、そのレポートのチェックをするチームに入れてもらいました。そのために、決算書の勘定科目を英語で全て覚える、といったことをしました。ある程度知っていると思っていましたが、実際に見てみると未払費用(accrued expense)とか引当金(provision)とか基本的な科目すら知らず愕然としました。
漫然と英語を勉強していると、「勘定科目を英語で覚える」といった発想にはならないのですが、アニュアルレポートのチェックをするという具体的な業務の目標ができたことで、英語の課題が見えてくるのです。
勘定科目だろうが何だろうが、英語であることに変わりはないので、英語をマスターしたいのであれば覚える必要があります。
幸いにしてその業務で評価された私は、そこから手を広げていき、最終的にはグローバル企業の各国にある子会社の担当になり、子会社現地監査等へ業務を広げていきました。その過程で大失敗もあったのですが笑、海外子会社監査という業務を最終的な目標とすることで、英語力を飛躍的に伸ばすことができました。
海外子会社監査では英語による効率的なヒアリング、英文レポート作成、経営者ディスカッションが必要ですので、これらに向けた対策が必要となってくるのです。
極端にいえば、海外子会社監査を滞りなく実施するために、これまでブログで記載した「リスニング」「英訳アウトプット練習」「文法」そして「オンライン英会話」の4本柱を考案した、といってもいいでしょう。
私は本当にたまたまですが、身近に「アニュアルレポート」をやっている人たちがいたため、そこに飛び込むことができました。しかし最初から英語で会計監査をやりたいと思っていたわけではありません。
しかし今の私はこれらの経験から、「英語で会計監査をやる」というのが英語学習の大きな目的になっています。
目的や動機は、後付けでも全く問題ないのです。大事なのは周りに英語案件がないかと常に探し、あ、これ出来そうだなと思ったら積極的に手を上げる姿勢です。最初はできなくても、そこから伸ばしていけばいいのです。
英語で仕事をする、これがまさに英語力を飛躍的に伸ばす秘訣だと思っています。
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