ここで働くモチベーションはありますか?-私の独立論②-

前の記事:独立3か月後に思うこと

いまの組織で、働くモチベーションはありますか?

私の中では、独立か否かの判断にあたり、モチベーションが最も大きな要素でした。

(以降独立ではなく「転職」と置き換えてもいいでしょう。)

私は幸いにして独占業務を伴う資格を持っていますので、独立後のイメージは非常に鮮明でした。独立した後何をするか、かなり前から具体的に考えていました。そういう意味では、独立してやりたいことはかなりクリアでした。独立準備は非常に大事ですので、別の記事で触れたいと思います。

私は会社を出る判断基準として、「この会社でやりたいことが完全に無くなったら」と決めていました。

私は2019年の年末に、海外監査、IPO、コンサルといった慌ただしい業務を一通り終えたとき、ふと「あっ、ここではもうやることがないな」と思いました。違う言い方をすると、「もうモチベーションが無いな」とはっきり気づきました。少しネガティブな響きですが、このときの自分の状態を表す正確な表現とも思います。

もし前回の記事に挙げたような、無駄に時間のかかる業務等が無く、快適な所属組織なのであれば、もしかしたら続けていたかもしれません。

しかし「もうチャレンジしたいと思えること」が無い中で、まったく心躍らない膨大な社内手続等に取り掛かるモチベーションはもはや残されていませんでした。

それでも家族のためには不安定な独立(転職)に手を出すべきではないし、せっかく安定している組織にいるのだから、我慢して頑張るべき、という意見はあるでしょう。それは否定できません。

私は扶養家族がいませんので、その意味でははるかに身軽だったと思います。

しかし、友人の中には、子供が生まれたばかりで、奥様が専業主婦であるにもかかわらず、脱サラして独立した人が2人います。基本的には資格持ちですが。

彼らも同じことを言っていましたが、私は結局のところ、自分でやりたいことがあって、もう組織の中でやりたいと思えるモチベーションが無いのであれば、家族がいようがなんだろうが、やりたいことをやるべき、と思っています。

モチベーションが無いにもかかわらず、組織で働くと、本当に辛いです。不満だらけの毎日になり、時間が砂のように流れていくからです。

モチベーションがあるからこそ、仕事上の工夫を考え、業務改善もできます。モチベーションが無いと、淡々すぎる対応をしてしまい、何か目についても「自分の知ったことじゃない」とスルーしてしまうでしょう。それでいい仕事ができるわけがありません。

「仕事は楽しくないのが当たり前、義務なので何があっても我慢して黙々と続けるべき」、という人がたまにいますが、それは完全に昭和の価値観です。

そのような思考停止状態で仕事を続けた結果、今の日本の長期停滞がある、と思っています。

モチベーションが高い人に、低い人は勝つことはないでしょう。かけることのできる時間と考える工夫が全く違うからです。

モチベーションが無くなれば、間違いなく「次」を考える時期にあるのです。

扶養家族がいる方は、もちろん貯蓄がゼロの状態で、というわけにはいきません。この辺私が偉そうなことは全く言えないのですが笑、当然ながら家族を養うという至上命題は守らなければいけません。

すぐには無理でも、例えばあと1年後に独立する、といった期限を定め、働きながら準備をすべきです。

ある程度独立を見越して貯金はしておかなければいけないし、必要資格はサラリーマン時代に可能な限り全取得しておくのも言うまでもありません。欲を言えば、独立前1年くらいから、HPを作ったり営業活動を始めたりした方がいいでしょう。独立後のロケットスタートは非常に大事だからです。

私は思い立った9か月後に独立しました。本当はもっと早くしたかったのですがコロナに関係する諸事情もあり、9か月かかりました。

しかし9か月どころか1~2年かけてもよかったかな、と今になっては思います。本当に準備することはたくさんありますので。

ただ一つ言えるのは、退職と独立を決めてから、組織で働き続けるのはけっこう辛かった、ということです。もうモチベーションが他に行ってしまっている中で、とても忙しい業務を精力的にこなすのは非常に困難でした。

今の組織で働くモチベーションがあるかどうか、たまには振り返りをして確認するのも悪くないと思います!

次の記事 独立した直後に思う、独立に必要な準備1

2 COMMENTS

現在コメントは受け付けておりません。