「日商簿記3級」と「粘り」が全て!-会計道(カイケイドウ)-①

こんにちは!浮遊会計士Rioです!

このカテゴリーでは、働きながら公認会計士になり、現在独立しているRioが、会計の面白さについて語っていきたいと思います。

対象と想定している読者は次の通りです。

  • 簿記・会計になんとなく興味を持っている(詳細はわからない)
  • 将来会社で経理をしたいと思っている
  • 将来会計専門家になりたいと思っている(税理士・公認会計士)
  • 将来マネジメント(会社経営)をしたいと思っている

最初に私が考える「簿記・会計」を勉強する最大のメリットを挙げておきます。

  • 会社を深く分析できる能力がつく
  • 他の会社に応用できる能力がつく
  • すべての経済事象を仕訳のかたちで整理することができる

最初は挙げるだけにしておき、徐々に深く掘っていきます。

ただ間違いなく言えるのは、勉強しておいて1ミリも損はないジャンルです!

さて、私は今でこそ会計プロの道へ足を踏み入れたといえる状態ですが、ここに至るまでには本当に長い道のりがありました。

会計に関わった初めての出来事は、大学1年生のときに授業で「基礎簿記」という必須科目を受講したときでした。

授業のレベルとしては簿記3級よりも若干易しめだったかと思います。

このとき私は、なんとこの基礎簿記という授業の「単位を落とす」という荒業をやってのけます。

ほとんどの学生は余裕で取れる講座です笑

私は大学生の時はどうも勉強に身が入らず、完全に意識が他へ行っていました。なので、この簿記講座も、なんかちょっと面白いなとは思ったものの、真剣には取り組みませんでした。

次に関わったのは大学2~3年のあたりです。

私がラッキーだったのは、周りにとても頑張っている友人が多いことでした。

皆、英語を頑張ったり資格試験を受けたりしていました。

友人から教えてもらい、初めて「日商簿記」なる資格があることを知りました。

就職のことを考え始めていた私は、ちょっと試しに受けてみようと思いました。

日商簿記は1級、2級、3級、4級とあるようで、普通は3級から受けるとのこと。1級は鬼のように難しいらしい。

そこで3級と2級を受験しよう、と思い、大学生になって初めて本格的に勉強を開始しました。

これと同時に当時大人気だったシスアド(システムアドミニストレータ。現在のITパスポート)も勉強しました。

結果は、3級合格、2級不合格(シスアド合格)。

3級はまあ、という結果でしたが、2級は残念でした。実に冴えない結果ですね笑。

このときすでに就活開始しており、日商2級を履歴書に書けず残念だったのを覚えています。

私は後に監査法人に入り、20歳!の会計士合格者と一緒に仕事をしたりしました。世の中にはとんでもない若者がいるものですが、私はまったくそういうタイプではありませんでした笑

別の記事に書いているとおり、その後の就職活動で大変苦労した私は、1社内定をもらえたのですが、何か大きな資格を取って「絶対に見返そう(誰を?)」と心に誓いました。そしてなぜか「働きながら合格しよう。資格は簿記も最近勉強したし、公認会計士にしよう」と思いました。わざわざ高尾山に深夜登って、朝日に誓ったのを覚えています笑。

このとき23歳。その後苦節7年。1年程度の勉強中断期間を挟み、働きながら7年で、31歳のとき、運よく公認会計士になることができました。

ま、苦節7年といってもけっこう楽しみながらだったので、そんなに辛くはなかったというのが正直な感想です。

何が言いたいかというと、会計は「粘り」です(会計に限った話ではないでしょうが)。日商簿記2級を落とそうが、プロになるのに何の問題もないということです!まして才能など一切関係ありません。

よくある誤解ですが数学的理解も全く必要ありません。

簿記は、仕訳→転記→元帳→試算表→決算整理→決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)といった一連の流れを理解するのが時間かかりますし、苦労します。私が大学の「基礎簿記」を落としたのも、この流れを押さえず、枝葉の仕訳部分ばかり見ていたからです。しかしこの流れを押さえてしまえば、あとは仕訳の形を覚えるだけなのでひたすら同じといえば同じことを勉強するのです。

ベストなのは、ある取引を見て、仕訳をすぐ思いつき、元帳でどうなるか、試算表でどう表示されるか、最後の決算書でどう表示されるか、がすぐに頭の中でわかることです。もちろんすぐにわからなくても問題ないのですが、ゴールはそこでしょう。

この「簿記一連の流れ」、実は今の時代、ほぼ全てコンピュータがやってくれます。

最初の仕訳さえ考えれば、転記以降は試算表作成まで何もやる必要はありません。

最後に決算整理仕訳を入れれば、決算書もできてしまいます。すべて会計ソフトがやってくれます。

さらに最近はクラウド会計の発達で、銀行データ等と連動することにより預金系をはじめかなりの仕訳は自動的に起こせるようになっています。いずれほとんどの局面で仕訳すらAIがやってくれるようになるでしょう(全部AIにはならないと思っていますが)。

しかし、この一連の流れを理解しておくことは、会計に携わる者としては非常に重要です。そしてこの一連の流れは、実は日商簿記3級でしっかり学習します。粘り強く取り組めば、誰でも理解できると思っています。2級以降は、仕訳知識の補強にすぎません。原価計算も最初は難しく感じますが、単に内部で付け替えをしているだけです。

よって私は日商簿記3級の内容が理解できれば、誰でも会計に向いていると思っています。あとは本当に仕訳知識の補強のみだからです。

もちろん後に連結とか税効果とか難しいのは出てきますが、それらも結局仕訳をして決算書を作っているだけです。

ということで、大事なのは日商簿記3級を、100点取るくらいの気持ちで勉強することでしょう。そのために「簿記一連の流れ」を理解することが、全てのスタートと思います。

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