直前期はリミットを外す!からのつづきです!
資格試験の直前期(試験前2か月から)は追い込みの時期であり、実力が一気に上がる時期です。そのため、リミットを外し、場合によっては「無理をする時期」でもあります。
資格試験は長丁場ですが、社会人は仕事をしていますので、基礎期・応用期はじっくり実力をつけ、最後にリミットを外して追い込みをかける、というように、メリハリをつけた戦略が必要です(そうしないとおそらく途中でつぶれてしまうでしょう)。
また「穴を無くすこと」が非常に大事な時期です。特に基礎的な箇所に穴があるようでは合格はおぼつきません。
前回、試験範囲を合理的に細分化し、直前期現在の理解度を記載してみました。私の公認会計士試験直前期(合格年次)の理解度は次のようなイメージでした。

×、△がついているところは早急に何とかする必要があります。
ただ〇がついているところも、あくまでも自分の感覚から見て相対的に「〇」と判断しているにすぎず、油断はできません。
この試験前2か月は、しっかりと試験までの日程を意識した計画を立てることが必要です。
そこで8月中旬の試験に向けて、次のような計画を立てました。

(試験までこれの繰り返し)
これはキツイ!!働きながらこの計画を実現するのはかなり難易度高いですね!!
なんと、お昼休みもしっかり勉強しています。
さらに上には書いていませんが、行き帰りの電車でも当然のように「理論科目テキスト精読」を行っています。
あまり詳細を見ていただく必要はありません。なぜならこの計画は私が自分のために建てたものであり、直前期の計画は人によって全く異なるからです。
直前期計画のポイントは下記のとおりです。
全体方針
- 直前期は1日単位で計画を立てます。
- 1週間で試験範囲のほぼ全範囲復習するようにしています。
- 苦手なところ(連結・企業結合等)を1週間のなるべく早い段階で取り組むようにしています。
平日
- お昼休みで、これまで手薄にしていた「所得税法・消費税法・税法理論」に取り組んでいます。お昼休みは慌ただしく、腰を据えて取り組むべき科目は避けたほうが良いです。そこで細分化した科目で後回しになったものを中心に取り組んでいます。
- 夜、理論科目の答練を一気に回します。さらに「計算基礎復習」は応用期と同様に継続します。
土日
- 平日手が回らなかった答練を中心に行います。「税法答練」に取り組んでいます。
- 夜の「理論科目答練」「計算基礎復習」は平日と同様です。
基本的にはこれを試験まで繰り返していくのみです。
応用期と同様に「計算基礎復習」を一日の最後に入れ、毎日実施するのは、基本的な穴をつぶすためです(「計算基礎復習」はこちらを参照)。資格試験も半分くらいは基礎的な問題が出るということを忘れてはいけません。会計士試験でない場合も、特に大事な科目の重要箇所は直前期であっても、このように毎日のスケジュールに織り込んでおくべきです。
しかし、この計画、結構無理あります。
この勉強時間、はっきりいって「最大操業度(例えば工場が能力をフルに使って生産するときの操業時間など。理論値であり現実的ではないとされる)」です。
正直なところ、いくら直前期とは言っても私もこの計画を完璧には実現してはいません。
ただ、直前期は、「考えられるマックス勉強時間」の計画を立てるべきです。「達成不可能な計画」を立ててはいけませんが、かといって簡単に達成できるくらいの計画ではダメです。
考えてもみてください。専念受験生は、それこそ朝から晩まで死に物狂いで勉強しています。
社会人受験生は、論文記述能力等で多少のアドバンテージがあるはずですが、勉強時間で圧倒的に負けています。
であれば、その差を埋めるためにも、直前期2か月間、1分も無駄にすることなく頑張ってみるべきですし、その計画を立てるべきです。
繰り返しですが、直前期は緊張感も高まり、実力が飛躍的に伸びる時期です。このゴールデンタイムを利用して、一気にプロになるためのレベルに持っていくのです。
この緊張感ある状態は、1年通して継続できるわけではありません。人間は長期間緊張感と情熱を保って物事に取り組めるほど都合よくはできていません。
基礎期・応用期で理解が追い付いていないところが多いのは仕方がありません。そこは働きながら勉強しているから、という言い訳がある程度通じるでしょう。
しかしその遅れは一気にこの直前期で挽回すべきです。
私は「2か月間」であれば、働きながらなんとか上記計画のような「マックス勉強時間」を実現できるし、少なくとも目指すべきと思っています。
直前期、この計画だけ見てもわかる通り、働きながらだと非常にきついです。
しかし、これを乗り切ることは間違いなく人生において大きなプラスになります。
私は今、このほぼ当時のままの計画を振り返って、あのときの焦燥感(笑)を思い出すと同時に、「けっこう楽しかった」という感覚も蘇ります。
会社の同僚には理解されず、勉強することに関していえば誰の力も借りることができず、自分だけの戦いですが、締め切りに向けて否が応でも勉強せざるを得ず実力が圧倒的に伸びる最高の時期です。
この直前期こそが、社会人受験生だけに与えられた最高の修羅場であり至福の時です。ぜひ楽しんでほしいと思います。
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