複式簿記とは?-会計道(カイケイドウ)⑤ 複式簿記1

「社長」と「財務分析」からの続きです!

さて、会計関連職業をざっとみてきました。ここから「会計道(カイケイドウ)」の本番を始めます!いままではウォーミングアップでした笑

この会計道(カイケイドウ)、会計を学ぶメリット、またどのような道があるのか詳しく知りたい方向けに、次のテーマを扱う予定です。

  • 複式簿記
  • 固定資産・減価償却費・投資の決定
  • 損益計算書・貸借対照表
  • 原価計算
  • 管理会計
  • キャッシュフロー
  • 連結
  • 税金
  • 財務分析
  • 経理のお仕事
  • 税理士のお仕事
  • 会計士のお仕事
  • CFOのお仕事
  • 社長のお仕事

なんとなく難しそう、と思うかもしれませんが、会計を考えるうえで、これらのテーマは避けて通れないと思っています。

また、基本的には簿記を勉強したことがない方を想定しています。

なのであまり細かいことは考える必要ありません。気楽に見ていただければと思います!

以前の記事で、簿記会計を学ぶメリットを次の通り掲げました。

  • 会社を深く分析できる能力がつく
  • 他の会社に応用できる能力がつく
  • すべての経済事象を仕訳のかたちで整理することができる

これらは今説明してもピンとこないと思います。

そこでここからのシリーズを通してお伝え出来ればと思います。

テーマ1 複式簿記

さっそく「複式簿記」というテーマについてみていきましょう。

しかし実はこの「複式簿記」というテーマ、とてもとても深いのです!

そもそも複式簿記の意味がわからない。

ちなみに「簿記」は「帳簿記入」の省略形と言われています。ま、これはいいでしょう。

では「複式」とは何か。実はこの「複式」、人類の歴史でも結構重要な発明と言われています。

その内容を説明する前に、子供の頃つけたお小遣い帳を思い出してみましょう。

いったん小学生に戻ったと思ってください。4月に次のような「取引」が発生しました。

  • 4/1 お母さんから4月のお小遣い1000円もらいました
  • 4/3  アイスクリーム100円買いました。すぐに全部食べてしまいました。
  • 4/10 コミック1冊500円買いました。
  • 4/20 友達のケンゴ君がお腹がすいていたので、駄菓子屋で100円貸しました。「おごるよ」といったのですが、ケンゴ君は5月に返す、と言ったので5月に100円返してもらいます。
  • 4/30 学校の帰り、通学路で500円を拾いました。今日は遅いので明日交番に届けようと思います。

さて、お小遣い帳はこうなりますね。

子供のお小遣い帳なら、これでなんの問題もありませんね。

ただちょっと気になるのは、まず4/20にケンゴ君に貸した100円ですね。気になるポイントは、「ケンゴ君これちゃんと返してくれるのかな?」という点。もし返してくれない(つまりおごった)のであれば、「支出」としてマイナスするのはわかるのですが、すぐきっちり返してくれるのであれば、別に支出にしなくてもいいかな?という気になりませんか?

ちょっと迷いますね。

さらに4/30に、道で拾った500円玉。

これは収入にしていますが、果たして収入でいいのでしょうか?ちょっと違和感ありますね。でもいちおうお金として手元にある以上は、収入でもいいかな、という気にもなります。仮に拾ってすぐに交番に届けたのなら、別にお小遣い帳につける必要はありませんが、手元にある以上、お小遣い帳に付けるかどうか悩みますね。

さて、このお小遣い帳、とってもシンプルでわかりやすいと思います。

しかし、仮に、一番右端の「内容」がなかったらどうなるでしょう。

なんだか心もとなくなりましたね…

金額の出入りはわかるのですが、パッと見た感じ、まるでお小遣いが月初と月末に合わせて1500円も入ってきたように見えます。4月最終日の残高だけ見ても、800円と結構残っているように見えますね。

さらに、これはなかなか子供は思わないかもしれませんが、4/10に買ったコミック代500円。

これって、「支出」でいいんでしょうか。

いや、支出でしょ、と思うかもしれませんが、アイスと決定的に違うのは、お金の代わりに「コミック」がモノの形で手元にあることです。

アイスは買って食べた瞬間に無くなっていますね。

コミックは読んだ後300円で売れるかもしれませんよ?

でもお金が無くなっていることに変わりないからやっぱり「支出」かな?

なんだか禅問答のようになってきましたが、簿記会計は、こういったことを考えていくマインドが必要なのです。

4/30に拾った500円玉はお小遣い帳に付けていいのか、ダメなのか。その理由は?

お小遣い帳はもちろん好きに付けていいのですが、これが「会社」になると、統一的なルールが必要ですね。

「拾ったお金」をA社は収入、B社は「預り金」につけていたら、A社とB社で比較することができません。このように「比較すること」も会計では大事になってきます。

ちなみにこのお小遣い帳、複式簿記ではなく「単式簿記」などと呼ばれたりします。なんとなく、「お金」という一面しかみていない、単純なフォーマット、というくらいの理解でいいでしょう。

次の記事 お小遣い帳の限界