「15分区切り勉強」のすすめ(後編)

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15分区切り勉強法の後編です

  • 疲れていても取り組める(前回)
  • コマ切れ時間を活用できる(前回)
  • さらなる細分化で超集中が可能(前回)
  • 区切りの意識を持つことはTodoの細分化・整理に最適
  • 切り替え力の養成

学習を15分に区切るメリットはさらにあります。

区切りの意識を持つことはTodoの細分化・整理に最適

ものごとは、どんな難題であっても細分化できます。

一見大変に見えること、自分には不可能に見えること、資格試験のように膨大な内容であったとしてもです。細分化し、詳細にtodoを設定し、着実に、機械的に取り組んでいけば、自然と解決に向かうことが多いです。

例えば仕事においても、詳細に細分化する、ということは非常に重要です。細分化してタスクを明確にして、初めて適切な担当者に割り当てることができるのです。

この「タスクの細分化」、人によっては非常に苦手という印象を受けます。

例えば私が従事する会計監査の仕事でも、管理職であるにもかかわらず非常に苦手にしている人が少なからずいました。現場に入る前にタスクを細かく分けることができず、直前までメンバーは何をするかわからない状態、ということが何度あったかわかりません。そして現場でも非常にあいまいな指示しかできず、その結果締め切り付近に大量の未了事項が残っている、という例が多くありました。

タスクの細分化は経験(とセンス)が問われます。適切に細分化するには、経験がないとできないことが多いのです。それはそうですよね。ゴールが見えていないと適切な道筋は作れません。

「15分区切り勉強」は、タスクを細分化するいい練習となります。なにしろ15分区切りで次々と科目(タスク)を変えていくのですから、これを実施するには、資格試験であれば全学習範囲を効果的に区切り、上手く回していく計画を立てる必要があります。

公認会計士試験科目を細分化した例は次の記事をご参照ください。

全試験範囲の細分化で「全体感」把握!

資格試験の学習範囲は非常に膨大です。しかし適切に細分化して15分ごとに機械的に回していく(もちろんその15分は超濃密に集中して取り組む)ことで、意外とあっさり、全範囲を網羅することができるようになります。

区切りの意識を持たずに長時間やっても、ちっとも進まなかったりするので不思議なものです。

「切り替え力」の養成

社会人受験生は、「切り替え力」の重要性を非常によく理解されているのではないでしょうか。社会人受験生はなによりも、仕事モードと勉強モードを切り替える必要があります。仕事のことを考えていては、勉強ができません。しかしこれ、非常に難しいですよね…

仕事というのは浮き沈みがあるのは当たり前。順調なときもあれば辛いとき、落ち込んだりするときもあります。辛いときは顧客からのクレーム、上司からの叱責、同僚との対立あたりが代表例でしょうか。これらの出来事があった日の夜に、集中して勉強に取り組める人は稀と思います。

しかし社会人は、必ず「切り替え力」をマスターして、何があろうと学習に集中する必要があります。

考えてみれば、オフィスを出たあとに、起きたことをくよくよ考えても何にもなりません。何かアクションを起こす必要があるのであれば仕事中にやるべきでしょう。もしくは一晩立って冷静になった翌朝。いったん仕事から離れたのであれば、自分ができることは何もないと考え、モードを切り替えて学習する必要があります。社会人受験生にとって、「切り替え力」は必須です。

「15分区切り勉強」はこの切り替え力の養成に役立ちます。

何しろ15分ごとに科目(もしくはテーマ)を次々に変えてやっていくのです。

一つの科目(もしくはテーマ)にずっと引きずられていては到底切り替えられません。未練を引きずらず、あっさりと次の科目に移る必要があります。

これには別のメリットもあって、最初の15分の科目の進捗が悪かったとしても、次の15分の科目は非常に進捗が良く、2つ通してみると、30分でまずまずの進捗を達成できた、ということはかなりあります。これは30分ずっと同じ科目で難しいところにひっかかり、ちっとも進まないよりもはるかにいいことです。

このようにある意味ドライになって、機械的に別の科目に次々に移ることで、進捗も非常によくなりますし、社会人に必要な「切り替え力」も養われるのです。

どうしても長時間勉強できない、と悩んでいる人は、まずこの15分区切り勉強を試してみることをお勧めします!

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