働きながら勉強して公認会計士試験に合格しよう、という野心を胸に、新卒で、ある会社に就職。しかしその目論見はあっさりと覆されました。
配属された部署は「社内システム部」。1人月平均残業時間100時間を誇る「モンスター部署」だったのです笑。
連日業者と会議で22時、23時終了は当たり前。新人なので議事録を取る必要があるのですが、疲れてろくに取れないありさま。
もちろん勉強などできるはずもありません。3月の春休みは非常に進捗が良かったのですが、4月に社会人となってからは、全く勉強できませんでした。
そして私が取った行動は、部長への直訴。
「ある資格の勉強をしたいので、なるべく19時までに帰らせてほしい。19時まではしっかり働くので何とかお願いしたい」
諸先輩方が終電まで仕事している中、新人がこんなことを部長に言い放ったのです!
後輩がそう言ったら皆さんどうしますか?笑
さて、気になる部長の反応は…
「ああ、いいよいいよ。上のもんには良く言っとくから」
いいんかい。なんと、あっさり認められたのです!マジか!
当時はあまり気づかなかったのですが、この会社、けっこう変わっていました。まず変わっている人というか自由人が多い。そしてチャレンジを認める社風だった、といえます。
さらに、はからずも当時、この部署の残業時間は実は問題になっていたのです。それはそうですよね。新人にいきなり深夜まで残業させるのは、よろしくないはずです。この会社、いちおう世間にもそれなりに名の知れた、まっとうな組織でしたので。
そして私は当時、この部署について不遜にも「無駄が多い」などと思っていましたが、決してそれは間違いではありませんでした。部長も実はこの辺が気になっており、業務の見直しをしたかったのだと思います。私は新人でしたが「とにかく会議が多く長すぎる」と感じていました。
ただ、いずれにしても新人の身でいきなり他の人よりも早く帰りたいと宣言したのです。仕事もできないのに。しかも部長OK。
ということで私は何もなければ19時に帰宅することにしました。もちろん朝は9時からです。
いちおう休憩除き9時間働いているので十分とは思うのですが、やはり部署の常識には反しています。諸先輩方は面白くなかったでしょう。
しかしやり方に問題はあったものの、19時帰宅宣言に、私は1ミリも後悔していないどころか、むしろこの長時間残業体質に一石を投じたとすら思っています。事実、この部署の残業時間と仕事の仕方には徐々にメスを入れられ、5年後には通常の状態になりました。
確かに当時、物理サーバー等がまだ社内にたくさんある状態で、それらの管理やメンテが大変だった。さらに各システムの安定稼働にも注力しなければならず、労働時間が長くなるのはわかります。
しかし問題は、起こる事象をありのままに受け入れ、機械的に手間をかける姿勢です。そんなことをしていては時間がいくらあっても足りません。
まずはリソースを見極め、単純作業は標準化し誰でもできるようにする。担当とスケジュールを明確化し、管理者が進捗管理する。
仕事ができるのであれば、無駄な残業を削減するためにこの辺をしっかり説明するでしょう。しかし私は当時ヒヨッコ。なんとなくこういうことが言いたかったのですが何も言えず、ただ他の人よりも早く帰るだけでした笑。
このような状況なので、私は立場が悪くなることは覚悟していました。ま、先輩から見たら面白くないですよね。新人はむしろ自分たちよりも必死に頑張るべし、と思うのが普通です。
それでいじめられるかと思いきや、全くそんなことはありませんでした。このへんがこの会社の懐の深さでしょう。ちょっと(いやだいぶ)危険な新人を受け入れてしまった、みたいな感じでしょうか笑。
ただ私は思うのですが、業務を全うし自分に信念があれば、会社ではもっと自己を主張すべきだと思います。他人の視線や労働時間など1ミリも気にする必要はないのです。雇用され、経験を詰めるだけで儲けもの。多少浮こうが大勢に影響ありません。特に新人は後からいくらでも挽回できます(中途採用は最初から頑張らないと厳しいかも)。
新人として、諸先輩方には、普通に優しく色々と業務を教えてもらいました。
19時になれば他の人が残っている中、自分だけ帰る。
そんな奇妙な社会人生活がスタートしました笑。
しかし19時に帰ると言っても、帰宅して食事して素早く準備して、だいたい20時半勉強スタート。そこからDVDで講義を受けるのはとんでもなく苦痛でしたし、若いとはいえやはり日々の疲れが残り、進捗は思わしくなかったです。
春休みの3月は15講座くらい消化できましたが、4月は3~4講座くらいでした。部屋の中にいっきに未消化の授業DVDと教材がたまっていきました。
早く消化したいと焦るものの、疲れてほとんど勉強できない。
いきなりですが、このとき働きながら勉強するのって、無理なのでは…と思いました。
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