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資格試験専念のため会社を辞めるべきかどうか、難しい問題です。
私もこれ、迷ったことがあります。
私は新卒で勤務した会社で働きながらの公認会計士試験受験にチャレンジしました。
働きながら勉強しようという野望を胸に入社した会社で、いきなり長時間残業が発生する部署に配属されてしまい、大きく計画が狂うことになりました。
当時私は自称ロックンローラーだったため、勝手に19時に帰る宣言をしてそれを実行しました笑。そのあたりの経緯は次の記事をご参照ください。いろんな意味で危険な新人-新卒社会人の公認会計士試験受験記3-
私は温かく理解のある会社に入ったおかげで、大変恵まれていたのですが、それでも19時まで仕事をしてそのあと勉強するのは困難を極めます。
日々の学習でまったく理解が進まず、進捗が悪いときなど、本当に辛く不安になります。働きながら、合格することが本当に可能なのだろうか?と。
以下、この難しい問いに対する私の答えを記載してみます。
自分の周りの資格試験「社会人合格者」統計
以下参考までに、私の知り合いで「働きながら」資格試験を合格した方の人数を資格ごとに書いてみます(資格はアイウエオ順)
- 公認会計士 自分以外に1名
- 行政書士 2名
- 司法試験(予備試験経由)1名
- 社会保険労務士 1名
- 税理士 4名(ただし税理士事務所等では、試験前に試験休暇を取得できるのが一般的)
- 中小企業診断士 10名以上
- 弁理士 1名
言うまでもないですが人数が多いから簡単だということではありません。私の周りにたまたま多いと言うだけです。中小企業診断士は、私の以前勤務した会社が取得を推奨していたのもあり、元同僚で働きながら取った人がたくさんいました。
特筆すべきは司法試験(予備試験)の1名です。この人は率直に言って化け物でしたので、ちょっと例外かもしれません。しかし存在はしています。
ちなみに令和2年度の会計士試験では社会人合格者が100名近くいたようです。
とはいえ、資格試験全体を考えると、分母がわからず、社会人合格率も実際のところよくわかりません。
どのような資格であれ、「例は間違いなくあるものの、厳しいことに変わりはない」ということが言えると思います。
(自分を除いて)合格している方に感じるのは、非常に強いパーソナリティを持っていること。なんとなく取りたいなーのような「ふわっとした」勉強はしていません。覚悟を決めて「取るべくして取った」感があります。
年齢で考えてみる
20代であれば、会社を辞めるという判断はありだと思います。
なぜなら、リカバリーが効くからです。1、2年受験に専念して死ぬほど勉強して、なんとしても合格を目指す。そしてダメだったらまた就職し、働きながら目指す、ということが可能だと思うからです。
ちなみに、ダメで就職して、その後チャレンジを完全に辞めてしまう人がいますが、それもったいなくないですか?笑。少なくとも試験範囲を全部終えているのでしょうから、社会人受験を続けるべきだと思います。
30代以降であれば、私は個人的に「仕事を辞める」ことはお勧めしません。なぜなら資格試験は頑張ったから「必ず合格する」ものではないからです。合格者と同じくらい、ものすごく努力したのに不合格、という方も知っています。である以上、退路を断ってしまうのはリスキーと言わざるを得ません。「仕事を辞めて独立する」とはわけが違うと思います。こちらもリスキーと言えばリスキーですが、おそらく独立の準備は辞める前にできていることでしょう。「仕事を辞めて勉強する」ということは、仕事を辞めて準備を始めるようなものと思います。
但し、例えば会計士試験で、短答試験は合格している、論文試験にどうしても合格したいけど、まとまった休みが取れない、といった状況であれば、辞めるのはありなのかもしれません(個人的には休職をお勧めしたいですが、休職はふつう就業規則で「家族の介護等で必要と認められるとき」と条件があり、試験で休むのは難しいことが多いでしょう)。公認会計士論文試験は合格率が30%以上はあるため、平均より少し上、偏差値52程度で合格する試験であるからです。
まずは働きながら、会計士試験であれば短答試験、他の資格でも1次試験の合格を目指してみる。それに合格してから考えてみるべきだと思います。
自分がなぜ辞めなかったか
私は社会人1年目、仕事も出来ず勉強も進まず、どちらかを辞めてしまおうと思っていました。仕事を辞めようと本気で考えたこともあるし、勉強も半年以上ストップしたこともあります。
それでも続けた理由は簡単で、仕事も勉強も両方面白くなったからです。
仕事は2年目以降、自分に任される業務が出始め、とても楽しくなった。
勉強は2年目以降も順調とは言えなかったが、少なくとも基礎は終わらせることができ、「ちょっと会計に詳しい人」とみられるようになった。で、仕事とリンクさせてだんだん楽しめるようになった。
そして仕事がダメなときは勉強に逃げ、勉強がダメなときは仕事に逃げるという、いい意味での補完関係ができるようになりました。
両方楽しめて人の2倍ラッキー!とすら思える時もありました。もちろん2倍落ち込むこともありますが…
いずれにせよ、結局は「楽しむ」ということに尽きると思います。きついのはわかる。しかし「楽しむ」。これが全てです。
つづく