さて、ここで公認会計士と公認会計士試験についてざっくり記載しておきます。
公認会計士は、「会計監査」の独占業務を持っています。つまり、上場企業が正式な会計監査を依頼する場合は「公認会計士(監査法人)」に依頼する必要があります。
そして、公認会計士は、会社の決算書に対して適正、不適正等の「意見」を表明します。
適正であればよいですが、「不適正」であれば、その会社は最悪上場を維持することができなくなりますので、公認会計士は非常に重い権限を持っていると言うことができます。
さらに公認会計士の業務は会計監査にとどまらず、会計財務のプロとして、さまざまなコンサル・会計関連業務を行います。典型的な業務が「財務DD(デューデリジェンス)」でしょう。ある会社からM&Aしたい会社の財務内容を洗ってほしいと依頼を受け、対象会社を調査します。監査に似ていますが、依頼者の指揮下に入る点で監査とは異なりますね。
そして公認会計士試験。試験科目は次の通りです。
- 財務会計論…簿記+財務諸表論
- 管理会計論…原価計算+各種会計
- 企業法…商法・会社法+金融商品取引法
- 監査論
- 租税法…主に法人税法、消費税法、所得税法。その他税法も含まれる
- 選択科目…経営学、統計学、民法から1科目選択。経営学が9割がた選択される印象
計6科目。しかし財務会計論は簿記と財務諸表論の2科目という見方もでき、そういう意味では7科目。
試験制度は次の通りです。
年2回、5月・12月に短答試験(マーク試験)。合格率10%程度。
短答試験に合格した場合、合格後3回の論文試験を受験することができる。
論文試験は毎年8月の1度のみ(ただし令和2年度はコロナにより11月開催)。合格率30%程度。
合格率の算定は難しいですが、短答試験が年に2回開催される点、また短答合格後論文試験を3度受けることができる点を考慮すると、大体10%前後になるようです。
このとおり、けっこう膨大かつ先が長い試験です。
そして私が受験生の時は試験制度が毎年変更される過渡期でもありました。
短答試験は、2日にわたって開催される時もあれば1日になったりもしました。
さらに当時は法律・制度の大きな改正が幅広くされました。日本版SOX(JSOX)の導入、会社法大改正、監査基準の改定。
重要な会計基準も次から次に導入されていきます。
毎年のように、大幅な制度変更が行われる時期だったのです。
つまり去年勉強した内容では全然足りなくなる、ということが頻繁に起こります。まあそれは今も同じなんですが。
これをやり通すのは、やる気の継続と根気が必要です。
何しろ「財務会計論」の「簿記」だけで2.5時間の講座が100近くもあるのです。
試験科目で大事なのはやはり「財務会計論」と「管理会計論」。会計監査の中核をなす科目ですから当然ですね。かといって他の科目も重要でないわけではないのですが。
前回の記事の通り、私は何とか「週3回授業をこなす」「答練はちょっと考えほとんど写経」「土曜か日曜に週の総復習を行う」というスタイルで学習を継続していましたが、なにしろ一向に終わらない笑
6月、7月、8月。このあたりで簿記と原価計算の授業が50講座くらい終わりましたが、体感としては全く進んでいない。復習も不十分。この夏の時点ですでに来年5月の短答試験は「記念受験」にならざるを得なくなりました。
9月。夏休みも休んだかどうかよくわからない状態で、月に13~14講座を終えたところで、一気にやる気が無くなってしまいました。
これ、遅く来た5月病のようなものです。
まず仕事がまったくできない。ほとんど手取り足取りで教えてもらっているのによくわからない。会議が長い笑。
そして勉強が全く手ごたえが無い。この時点で勉強開始後半年近く経過していますが、上記の通り簿記と原価計算の70講座くらいしか終わっていない。
簿記はかなり難解な論点に入りつつありました(ストックオプションや退職給付など)。疲れた頭で受講してもよくわからない。そしてそれが辛い。
学生時代は楽しかったな…プレステもやり放題。好きなときに遊びに行けて。
仕事はできないわ、勉強はできないわ、他の同期は充実しているように見えたりアフター5で楽しそうなのに、自分は何をやっているのだろう…
完全に「二兎を追う者は一兎をも得ず」を地で行っています笑。
簡単に言えば「働きながら勉強する」ということを舐めていたのです。
そして会社でちょっと辛いことが起きたある日(軽く注意されたとか怒られたとかだったと思います)、何かが切れ、ついに勉強をストップしてしまいました。「もういいわ」「もう無理」という感じでした。
そして「アフター7」で好きなことを始めたのです。プレステ、飲み会、合コン、暴飲暴食、ダラダラ、睡眠、スーパー銭湯巡りw
あれ、この人「資格試験の勉強するから19時に帰る」って会社に言ってませんでした?笑
仕事後何もせずにダラダラする、という生活を始め、あっというまに半年くらい経過してしまいました。社会人になると本当に月日が過ぎるのが早くなります。
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