前の記事 「調書箱運搬」のBittersweet Memories
私の監査初現場は5日間ほどでしたが、なんとか自分の分担を終わらせ、他の人の作業も手伝うことができました。
さらに新人として、他のメンバーのゴミを集めたり、調書箱を運搬して腰を痛めたり。長時間労働には閉口しながらも、特に大きな失敗は無かったようで一安心です。
ちなみに先輩方、ゴミは自分で捨ててください笑。そのような時代ではありません。私は監査法人で後輩にそういうのやらせたことはありません。
最近、令和2年度公認会計士試験合格発表もあったことですし、ここで少し新人会計士向けに最初の1年で気を付けるべきことをお話しさせていただきたいと思います。
私の初ジョブの感想は「よくわからなかった」です。監査というのは最初本当にとっつきにくい。何にポイントを置いて作業をするのか、だんだんわからなくなる。
監査の目的はさんざん監査論で勉強してきたはずなのですが、やるべきことが非常に多いため、その作業に追われていくうちに、徐々に見失っていくのです。
新人は多かれ少なかれそうなると思います。ただ、最初は「わからないことだらけ」でも気にしないほうがいいです。
他の業種と違って、監査は本当に「お作法」「お約束事」が数多くあり、各勘定科目で必ずやるべき固有の「決まり事」が多くあります。
それらを一通り実施して、理解が深まっていく。つまり2巡目(≒2年目)からが勝負だと思います。
最初分からなさ過ぎて落ち込む可能性もありますが、気にする必要はないと思います。それよりもまず注力すべきは「たくさんの勘定科目」を数多く分担することでしょう(倒れない程度に)。
一つの目安として、「税効果」の監査ができるようになり、会社の質問等に答えられるようになれば、勘定科目レベルでは合格なのではないでしょうか。税効果についてはいずれ触れたいと思います。
私は税理士出身ということもあり1年目から税効果の担当を率先して行いました。また、そのようなチャレンジが許される素晴らしい部署の雰囲気でもあった。
2年目では、ある大規模上場会社の「連結納税税効果」導入(かなり難解)の担当に任命され、大変苦労しましたが、それもなんとかこなし、ベテラン経理から相談されるようになりました(ドヤア)。
まあ何が言いたいかというと、前のジョブと同じ科目分担は極力避け、新しい科目を率先して担当してほしい、ということです。おそらく新人がそのようにやる気を見せれば、ほとんどの監査主任は聞いてくれる、という印象です。私も新人に「これを担当したい」と言われれば間違いなく受け入れます。
さて話を戻し、最初のジョブ。最後の日に、あの怖い主任からフィードバックを受けました。「君はいきなり5時に帰るなど変な奴だった。全体的に新人としてはあまり褒められた態度ではなかった。そこは気を付けて。しかし仕事は安心して任せられた。この部署にも向いていると思う。今後、自信を持って業務にあたってほしい」と言われました。
これ、嬉しかったです。この主任単に怖くてレビューメモ多いwだけではなく、ちゃんと見ていてくれたんだな、と思いました。こういう面倒見がいいマネージャー、多いですね。
「安心して任せられた」という言葉は今思い出しても嬉しいです。
そして、初仕事がよくわからなかったのは事実ですが、それほど苦戦もしなかったため、「監査って意外と何とかなるのでは」とも思い始めました。
そして間髪を入れず2社目のアサイン。ここもIPO。IPO多いなこの部署。
ここは小さな会社でチームは2~3名。主任が忙しく、いきなり自分一人で往査するということも経験しました。
ここは前の会社に輪をかけて倒産寸前の会社笑。またなんでこういう会社を…
ここの話はあまりしないことにしましょう笑。
結論から言うと、すぐに契約が無くなってしまいました。
前回の記事の通り、この規模この業績の会社はむしろ自分の得意分野(というのも変な言い方ですが)。税金関連の処理でたくさんの指摘を出し、それなりにバリューを出したかなと思います。まあ契約はすぐ無くなってしまうのですが笑。
そしてさらに3社目。ここもIPO。おや、俺IPOばかりアサインされているぞ。
この会社は超優良ではありませんでしたが、前2社と違って業績メタメタではありませんでした。後に無事に上場することになります。
ここの監査チームの雰囲気はこれまでとガラッと変わり、非常に緩く明るいお兄さんたちが多い。調書箱運搬業務から解放してくれた笑。
同じ法人同じ部署でも、チームによって雰囲気が全然違うのです。
この時のメンバーは現在、全員監査法人を離れていますが、今も仕事上で付き合いがあったりします。
ここも順調に終わらせ、新人研修の前2週間くらいで3社の現場経験を積むことができました。まあほとんど現預金・借入金・資本金といった簡単なものばかりでしたが。ちなみに2~3社目では税効果も担当しました笑。
このとき「監査なんて簡単じゃね?」くらいに思っていました。自信も出てきました。
そして新人研修が終わり、3月下旬。いわゆる「繁忙期」に突入します。ここで新人は初めて「メインジョブ」、つまり今後自分がメインにかかわっていくであろうジョブが発表されます。
そして私は3~6月、グローバル企業「A社」にアサインが決定されました。この後、私の自信は粉々に粉砕され、奈落の底に叩き落とされることになります…