私は今、公認会計士として10年以上実務を行い、ある程度の経験は積んだと思っています。もちろんまだまだだとは思っていますが、基本的な業務に加え応用的な案件もそれなりにこなしてきたと自負しています。
そして今、非常に悶々としています笑。
「悶々」にも色々な意味があると思いますが、いい意味で悶々としています。どういうこっちゃ。
これ、10年目くらいの会計士にある程度共通すると思いますが、会計監査(税務)って、何かこう、もどかしくありませんか?
端的に言えば、会計士というのは、何か新しい価値を生み出せそうで、生み出せていない。結局過去のことをほじくり返すだけで、毎年毎年終わっている。
もちろん理想としてはクライアントの未来に影響を与える会計士になることです。いいアドバイスをしたり。しかしそれは言うは易し。変なアドバイスをしてクライアントに損害を与えようものなら大変です。そもそも二重責任の原則というのもある。
そして現状、結局日程調整や調書作成に追われ、毎年毎年同じようなことしかできていない。
公認会計士になろうと決意したとき、このような「調整屋さん」「調書作成マシーン」のような未来を想像していたでしょうか。
なぜ新しいことを生み出せずに、毎年同じようなことで時間を使っているのか。
何か革新的な新しい価値を生み出せないのか。
そしてそれを考える時間を作るために、もっと業務を効率化できないのか。
結局ここに行きつくのではないかと思います。業務の効率化。
仕事のガイドラインに関していうと、共通ルールはある。会計基準、監査基準、税法。
やり方・アプローチはだいたいどのクライアントに対しても一緒。
ただしクライアント固有の論点もある。特殊な人間関係もある。
しかしそれはどの業種も一緒。であるのになぜ会計監査(税務)はいつも同じようなことに時間を奪われているのか。
※税務は私はほんの少ししかかじっていませんので正確なことはわかりませんが、いま私が役員をしている中小監査法人と併設されている税理士法人の仕事ぶりを見ても、それほど監査法人と変わらない印象です。
まずは絶対にどのクライアントにも共通する作業を標準化することが大切だと考えています。
私は「無駄な仕事」「長時間労働」はなるべく避けるタイプです。
ここで少し私のキャリアを振り返ると、「無駄」「非効率」との戦いでした。
新卒採用された会社で配属された部署は「社内システム部」。当時は月平均100時間の残業を行っている部署でした笑。私は新卒でここに配属されるわけですが、働きながら公認会計士試験を受験しようと思っていたこともあり、とにかく残業なしで早く終わらせることに注力しました。新卒のくせにこのように考えるのも大変申し訳ないのですが笑、この部署、本当に無駄が多かったです。
例えば10人くらいの所属メンバー全員で一つのシステムについて業者と必ず会議をしていた。それも毎回3時間以上。まずメンバー全員その会議に入る必要はない。要は担当分けができていなかった。さらに時間が長すぎる。アジェンダもなく、言いたいことがある人が言いたいことを喋るだけでした。今となっては信じられませんが、これが当時の割と平均的な働き方でした。1日中会議して仕事が終わったこともあります…
ここでは微力ながら担当割、会議時間の短縮、遅くとも19時までに仕事を終わらせること等について管理職の方に提言を行いました。もちろん私だけの力ではないですが、この部署は5年後には通常の働き方になりました。
個人的に早く帰りたかった笑というのもありますが、どうしても3時間、4時間かかる会議が必要とは思えなかったし、皆思考停止してしまっているとしか思えなかった。
この部署を卒業し、この会社のメイン事業部に配属されて以降も、基本的な考えは変わらず、率先して無駄&非効率と戦ってきたと思います。
自分はとにかく早く仕事を終わらせて試験勉強をしたい、という命題があったわけですが、それがだんだん「無駄な業務を削減して業務を効率化し、余った時間で面白いことをやりたい」に変わっていったのだと思います。
そのようなマインドで無事に会計士試験も合格し、中小税理士法人を経て大手監査法人に行ったわけですが、大手監査法人は、業務効率化という意味では、私にとってまさに「魑魅魍魎」の世界でした笑。
とにかく無駄が多い。まともな研修がない。全員が同じことで悩み、時間をかけて苦しんでいる。情報の共有がされていない。管理部門が非協力的。
私のとこだけかもしれませんが笑、本当に驚くべき組織でした。業務効率化の改善コンサルをいれたほうがいいとすら思っています。
問題を端的に言えば次のようになると思います。
- 「誰がやっても同じ結果になるべき業務」と「その人にしかできない付加価値が高い業務」の区別がついていない
まずはここから考えることが大事だと思います。
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