ボーナス査定に激怒(1回目)-中年の監査法人体験記9-

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初の大企業体験。初の期末監査体験。

全てが初めてのことで、とても大変だった。

個人的に「できた」という感覚は全くなく、役に立ったとも言い難いでしょう。単に前期調書を更新しただけにすぎない。

しいていえば、固定資産の税務的な問題を指摘したことと、開示のミスを発見したことくらいか。まあ別にたいしたことはできませんでした。

そしてこの現場。古き良きエピソードがあります。

あるマネージャーから人前で激しく怒鳴られました。

彼曰く、「ボケっとしてないで手を動かせ!」のようなニュアンス。それも何度もです。

これは正直、非常にきつかった笑。というかハラスメントに近いと思った。

自分は他の新人と違って、レクチャーなしである程度独り立ちして仕事をしている中、それは無いだろうと思った。

そこまで言うなら、事前レクチャーをもっとしろよ、と。

この体験には本当に頭に来ていたので、実は、後に退職するときに、落とし前をつけるべく、当時の全現場責任者を呼び出そうと年末にメールしました笑。

全員呼び出して、あのときフザケたことしてくれたな、と詰めようと思った笑。

…しかし正月に考え直した結果、やはりそれはやめときました。そのときの怒鳴った人以外の2人とは大変仲良くなっていましたし、過去のことをほじっても仕方ないですしね。彼らも彼らで大変だったのでしょう。また去る時は後腐れなく去りたいものです。

年明けに「やっぱりいいです」とメールしました笑。

さいきんこういった監査現場での「激しいやり取り」の事例は無くなっているようで大変喜ばしいですが笑、ここでひとつ中途スタッフ採用者へのアドバイスがあります。

東京CPA会計学院

最初の1年は、大人しくしておいた方が無難です。

最初はどうしても下働き等が多くなり、また他の定期新卒採用よりもケアが少ない状態でいろんな現場に即戦力として放り込まれ、不満が多くなるかもしれません(もしかしたら不満なのは私だけかもしれませんが笑)。

しかし仕事ができるかと言ったらできないはず。中途だろうが経験ない限り、新人が監査で3年目、4年目の先輩以上に働くことは不可能です。監査は積み上げ型の仕事ですから。

ということで、残念ながら、ちょっと使い勝手のいい新人という立場を受け入れるしかない。

とにかく最初の1年は大人しく色々な現場で仕事を覚えたほうがよいでしょう。そして私のように「ワイは他業界でいろいろやってきたぜ!」のようなオーラはあまり出さないほうがいいです笑。逆の立場でそんな後輩嫌ですよね笑。仕事に慣れたらむしろ出していいと思いますが。

さて、少し話は飛び、6月。なんとか大企業の期末監査を終え、一息。

間髪入れず小さなジョブが入ったりしていましたが、あの大企業を終えた今となっては非常に楽に感じていました。

そして6月に「人事考課」が発表されます(当時)。

ある日、共通システムにアクセスすると人事からメッセージが来ており、「人事考課と賞与月数について」とある。

私は他の新人よりは働いたと思っていましたし(例えば新人研修前の3社アサイン)、英語力を活かした別の仕事もしていましたし、そもそも中途採用ですので、当然他の新人以上に評価が高い、と思っていたのですが…

評価は5段階の「2」!賞与は標準よりマイナス!

…何かの間違いかと思いました。「2」という評価はこれまでの10数年の社会人生活で取ったことが無かった。

すぐに人事に連絡を入れましたが、詳細は「部門長に聞いてくれ」という回答のみ。

部門長とは誰かというとものすごく偉い人です。さすがの私もちょっと聞く気になれないくらい偉い人。大体その人に聞いたところで答えられるわけがない。

要は「回答拒否」です。

これには著しくモチベーションが落ちました。

後からわかったのですが、この世代の新人は全員一律「2」だったようで、自分が悪く評価されたわけではないようでした。しかしそれも人事考課情報が全く開示されていないので不確かなのですが。

これでやる気が著しく落ちたのは間違いありません。監査法人という組織に対する熱意、というか忠誠心のようなものは、ここから退職まで回復することはありませんでした。

何より、人事考課に対して、人事や上司から何の説明もないのが、ありえないと思った。

私が最初に勤務した会社は、いちおう直属の上司から「人事考課の結果」と1年のフィードバックを受けていましたし、他の会社でもそれは変わらないはずです。

やはり対話がないというのは本当に良くないと思います。

さらに、後から非常に残念な事実が判明します。

「リクルーター」をやった新人は評価「3」だったのです。

…結局リクルーターをやったかどうかで決まるの?と愕然としました笑。

まあ、今になって思えば、私も1年目そんなに威張れるほど仕事ができたわけではありません。はっきり言って「目くそ鼻くそ」。他人よりいい評価をしろという当時の考えは、今考えれば思い上がりです。

しかしそれはそれとして、組織の「全く説明しない姿勢」というのは引っかかりました。これね、たしかに面倒くさいというか、人事考課というのは難しいというのは重々わかる。しかしある程度の評価軸を決めて、しっかり考課をして、フィードバックしないと、「何をやっても一緒だ」と感じてモチベーションがダウンしてしまう人が多いと思います。

この「説明しないカルチャー」にはついに最後まで慣れることができませんでした。

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