私が社会に出て四捨五入すれば20年、かつてないほど働き方が大きく変化していると感じます。そこでこれからどんな働き方をすればいいのか、考えてみたいと思います。なお基本的に公認会計士業界を前提としています。
2020年、とんでもない出来事が起こってしまいました。もちろんコロナ大流行です。
これは本当に痛ましい悲劇であり、100%起こらないほうが良かった出来事です。
今後ワクチンの開発が進むのでしょうけど、楽観はできません。2021年3月末現在、緊急事態宣言は解除されていますが、依然として感染者は一定割合で発生しています。
過度に恐れる必要はないでしょうけど、それでも外国の死者数などを見ていると全く油断はできません。
そしてこのコロナ、これまでの働き方を一変させてしまうほどのインパクトがありました。これはもはやマクロ環境の変化であり、個人や企業レベルでコントロールできるものではありません。この流れに沿って、我々は新しい働き方を考える必要があります。
会計監査業界では、2019年末まで、「クライアントを訪問せずに監査を終了させる」など考えることもできませんでした。
しかし2020年以降、大手監査法人は、ほぼクライアントを訪問することは無くなりました。往査しなくても監査は実施できるからです(在庫の立ち合いや現物確認などは規模を縮小するなどしてなんとか実施せざるを得ないですが…)。
監査を突き詰めて考えると、「クライアントと協力して」「監査の過程を記録に残し」「監査意見を発行すること」に集約されます。
つまり、「必ず訪問する」必要は、実はなかったのです。しかし2019年の自分が、例えば新人から「なんでクライアントに行く必要があるのですか?別にいかなくてもデータでやり取りすればいいじゃないですか」と聞かれたとして、おそらくろくな回答ができなかったでしょう。
「①現場でわかることが圧倒的に多い!」
「②会社の人と会って話をしないと監査証拠が得られない!」
「③監査とは昔からそういうものだ。つべこべいわず(以下自主規制)」
なんだか老害みたいですが笑、2020年以降、このような「常識」は無くなってしまいました。今、どの大手監査法人も基本的にリモート監査をしています。
これはいかにこれまでの常識が単なる「思い込み」であったかを示しています。
あえて明るい面に目を向ければ、コロナにより、仕事で「本当に必要なこと」があぶりだされるようになってきたことではないでしょうか。
とはいえ難しいのは、上記に上げた①②は、昔ほどではないけども、実は依然として大事である、ということです。
例えば期末監査中、監査法人・クライアント双方が非常に忙しくなってくる中で、オンライン会議で細かいニュアンスを伝え、お願いしたりするのはかなり難しいときがあります。またどうしても依頼が機械的になりがちで、トラブルが多発しています(私も誤解に基づく割と大きなトラブルを経験しました(*_*))。
そういう意味では、今のフルリモートのやり方が完全に正しいわけでもないと思っています。他にも弊害があって、クライアントを訪問したことのない2年目スタッフが出てきたり、十分な研修が出来なかったり、ひたすら自宅でPC作業をしているとモチベーションが落ちてきたり。まあこのへんはどの業界も同じでしょう。
いずれにしても、間違いないのは「本当に必要なこと」を考えて、限られたリソースでしっかり実行することです。
そしてその意味では、この状況を生産性向上のチャンスととらえることもできると思っています。
とにかくこれまでは無駄が多かった。端的に言えば
- 「なんでそんなことをやっているのか(無駄な仕事の存在)」
- 「なんでそれをやっていないのか(標準化の発想の欠如)」
- 「ゴールを見据え、効率性を考えて仕事をしているのか(思考停止)」
といったあたりに集約されてくると思います。
以降の記事では、新卒から順に、社内システム部、金融、コンサル、セミナー講師、婚活パーティー主催(?)税理士法人、大手監査法人、中小監査法人と、幅広い経験を積んだ(自分で言うか)私が、これまで経験した業種や組織を振り返り、「働き方のNewNormal」を考えてみたいと思います!