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監査法人1年目。最初はそこそこ順調でしたが、海外出張を機に上司からディスられ始める。さらにとんでもない仕事の量を1人に丸投げされる。さらにA社だけではなく5社くらいのアサインで、とてつもなく忙しく、メンタルが急激にやられてきます。
そして前回の記事には少し反省点があります笑。
なんというか、自分に非が無い被害者のような書き方になっている。後日少し訂正したいですが、当面残しておきます。
私にも間違いなく反省点がたくさんありました。
まずは英会話ができないにも関わらず海外出張を安易に引き受けてしまったこと。リーディングが強いだけでは不十分でした。そこは事前にしっかり説明すべきでした。TOEIC高得点だけど英語を使った実務経験や海外経験が少ない場合は要注意でしょうね。
また、私はかなり挑戦的なオーラを出してしまったのしょう。これがおそらく上の癇に障り、「何も教えずともできるだろう」のような雰囲気を作ってしまったかもしれません。
さらに、詳細には書きづらい別の新規コンサル案件でひとつ失敗していること。これもその上司と一緒にやっていたのですが、上手くいかないことがあり、その上司に迷惑をかけたのでした(まあその案件も上司は全く協力しないなど、いろいろありましたが…)。
この上司との関係は非常に面白く、実は今では本当に仲がいいのです。仕事ができるようになった3年目以降は友人のようになりました。しかしこのときはかなり険悪になっていた。
新人でマネージャーと険悪になるのは非常によろしくないです。
今振り返ると、新人の時は地道に社内の手続とか、監査の基礎とかを固めるべきなのでしょう。私のようにコンサルだとか海外だとか、誘われるがままに手を出すのは得策ではないかもしれません。
なぜなら通常の監査も覚えることがたくさんあり、決して簡単ではないからです。四半期レビューには四半期レビューならではの難しさがある。JSOXにはJSOXならではの着眼点、資料依頼の仕方等のポイントがある。それらは決してテキストには書いていないのです。
こういった「監査基礎業務」はどんなにできる人であっても、マスターするのに1年はかかると思います。
そういった「基礎業務」と同時並行で、応用的な案件に手を出していくのは、長時間労働もいとわない、かなりの覚悟が必要です。おそらくできる人もいるとは思いますが、私はそもそも「燃え尽き症候群」の最中だったということもあり、できなかった。
そしてそれが実に中途半端な仕事ぶりとなってしまったのでしょう…
このようにメンタルがやられ始め、1年目の冬は人生で初の「プチ心の病」になりました。
土日、起き上がれなくなったのです。ひたすら寝てスマホを見ている。
何を見ているかと言えば転職サイトだったり離島への移住サイトだったり…
まず仕事が終わらず、よく理解できず、自分監査まったくできないやつというか、向いていないのか、と思いはじめていました。
このころ「修了考査」を受ける必要があったのですが、完全に受験放棄してしまいました。間違いなくそんなメンタルではなかった。「修了考査」とは本来合格後3年目に受ける試験で、5科目12時間ほどの膨大な試験であり、これに合格して会計士と名乗れるものですが、かなりの勉強をしなければ普通に落ちる試験です。私は監査法人1年目から受験資格があったのですが、残念ながら受験放棄という形になりました…(そもそも試験休み中に海外出張だったという無茶なスケジュールでしたが)。
このころからアプリで日記を詳細につけているのですが、今読み返しても苦しさを思い出します…
2月。監査法人2年目を迎えたところ、ついに来ました。1人でやっている膨大なJSOXの運用テストが全く終わらず、その進捗を毎日咎められ、平日でも職場放棄したくなり、上司に帰ると伝えたのです。
このような状態になったのは人生初めてで、自分は何と弱い奴なのかと本当に情けなくなりました。
このときは1日ほど休みをもらいましたが、それでも人手不足ということもあり、すぐに復帰しました。本当は1週間休みたかったというのが本音です。
とはいえ膨大な仕事量(に見えた)。そしてまったく理解できない業務。さらに勉強する気力もなし。かなりのピンチです。
そんなとき、会社で同期を対象にした社内研修が開催されました。
自分は「できないやつ」になっていたと思っていたので、行きたくなかったですが、全員強制ということだったので気力を振り絞って参加しました。
その研修で「なんだかおかしい」と気づきました。
他の新人は現金実査、立会、確認状送付や差異調整等の基本的な業務をようやく覚えたところ。JSOXはもちろん先輩と一緒に教わりながらやっています。
自分はまがりなりにも海外出張や海外監査人とのやり取りをしており、大規模企業のJSOXもひとりでやっている。
なんかおかしくない?と思いました。
確かに先輩と比較するとできませんでしたが、他の新人と比較すると、間違いなくそんなに気に病む状況ではなかったのです。
自信が少し回復すると同時に、疑問がこみ上げてきました。
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