財務会計論(簿記)の勉強法①-新卒社会人の公認会計士試験受験記12-

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私は前回の記事の通り、社会人受験生は、仕事も勉強も遊びも貪欲に取り組むべし、という考え方です。仕事以外はどうしても勉強だけになりがちですが、気分転換に少ない時間でも思いっきり楽しむ、ということが絶対に必要です。

食事、運動、掃除、趣味、全て必要です。私に偉そうにコメントする資格はあまりないですが、恋人や家族と一緒に過ごす時間も絶対に大事です!

さらに大事なのが「睡眠」でしょう。

疲労回復のために良質な睡眠は欠かせません。自分に合ういい枕などには費用を惜しまずかけるべきです。

また寝る前の時間というのも、リラックスタイムという意味でおろそかにはできません。自分がいいと思う間接照明やアロマなど、どんどん費用をかけて購入し、絶対にリラックスすべきでしょう。

理想は寝る前1時間程度はすべてを忘れぼーっとするのがいいです。ただ、そんなに時間は取れないかもしれませんが。

社会人受験生は仕事や勉強その他で、不安になることも多いですが、とりあえず日々オールアウトできていれば満点なのではないでしょうか。参考記事:人はいつ死ぬかわからない。日々の「オールアウト」を目指す!

さて、2年目、仕事ではシステム導入などをこなしながらそこそこ軌道に乗り始め、会計士試験の基礎講座も、2年目の終わりにはほぼ終えることができたといえます。

ようやく、「基礎期」と言える時期を脱することができました(理解は不完全とはいえ)。そして各科目の全体像もざっくりですが掴むことができました。

ここから、公認会計士試験全試験科目の勉強のコツのようなものをお話ししたいと思います。

①財務会計論(簿記)

財務会計論は簿記と財務諸表論に分かれますが、主に簿記について考えたいと思います。

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簿記は範囲は膨大ですが、一番大事なのは次の流れなのではないでしょうか。

仕訳→転記(元帳)→試算表→決算整理仕訳→決算整理後試算表→精算表→決算書(BS/PL/SS)

この流れ、しっかり理解する必要があります。

理解するということは、ある仕訳をすると、それが各フェーズでどのように記録されていくか、瞬時に理解できるという意味です。

といってもそんなに大げさな話ではありません。

上は7つほどフェーズを書きましたが、基本的には

仕訳→転記(元帳)→試算表

これだけです。その先は実質的に同じことを、名前を変えて繰り返しているにすぎません

そしてこの流れ、日商簿記3級でやることですね。つまり学習の骨格は3級レベルのまま今後も変わりません。

簿記の範囲が膨大と言っても、やっていることは基本なのです。

税効果だろうが資産除去債務だろうがリースだろうが退職給付だろうが小難しい論点も、まったく同じことを繰り返しているだけ。つまり最初の仕訳を切るのが難しくなっていくだけで、後は同じことをひたすらやっているのです。

こう考えると楽になりませんか?つまり仕訳が難しいからと言って全体を判断してしまうのは早すぎる。仕訳はいつか覚えるのですから。

まずは仕訳を切った後、それがどう元帳に反映され、さらにどう決算書に反映されるのか、しっかり理解することが大事です。

そして後はひたすら項目ごとに仕訳を完璧に覚えるのみ。繰り返しが全てです。

1回やったくらいで、退職給付会計とか税効果とか覚えることはまずありません。繰り返しあるのみ。

そして応用論点として、この基本的な流れと大きく異なるジャンルは3つしかありません。それは

キャッシュ・フロー計算書

連結会計

企業結合・事業分離会計(次回)

です。これらの3つは基礎を固めたうえでの応用論点なので、基礎を固めたうえで個別に取り組むべきでしょう。

キャッシュ・フロー計算書は、これまでせっかく発生主義で作っていたPLを、現金主義にもどして表示しているようなイメージですね。直説法・間接法ともに短答論文、それから実務でもそのまま非常に重要となってきますので、しっかり押さえましょう。そして連結会計習得後、連結キャッシュ・フロー計算書もマスターする必要があります。

連結会計は、これだけで講義が20コマ以上ある、非常に重要な論点です。そしてここはこれまでと「視点」を変える必要がありますね。これまでは「親会社」または「単体」の立場で仕訳をしていました。仮に子会社を設立したのであれば「子会社株式100/現預金100」と仕訳しますが、これは「子会社に100現預金を渡し、100の株式を受け取った」という親会社目線です。ちなみに子会社では「現預金100/資本金100」となりますね。しかし連結会計では、親子合算した「連結目線」で考えるので、「資本金100/子会社株式100」とする必要があります。この例は簡単なのですが、取引を重ねるにつれだんだん混乱して、何をしているかわからなくなってしまうので、最初に戻り何度も何度も繰り返す必要があります。また一度に理解できずとも落ち込む必要はありません。それくらい頭の切り替えが必要になってくる分野です。くれぐれも、親会社とは違う決算書を作っていると考えることが大事です。

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