前の記事 苦難の1年目②…
タイトルは1年目となっていますが厳密にはめでたく2年目になっています笑。
しかし当時、「入社1周年を迎えた」とか、全く気づきませんでした。はっきりいってそれどころではない。人生初と言ってもいい「プチ心の病」。土日はまったく起き上がれません。
振り返るとこの時期が、これまでの社会人生活の中で一番の底かもしれません。
仕事が全く終わらず、上司との関係が悪い。これは本当にきつい。
「自分、監査できないやつなんだな」と思い始めていました。人事考課で評価が5段階中の2だったというのもあります(後に、特に自分が悪く評価されたわけではなく新人全体が2だったというのがわかるのですが)。
そんな中、同期を対象として開催された全体研修で「何かおかしい」と気づき始めました。自分は新人ながら(ボロクソに言われながらも)海外監査人対応とかやっていたし、大企業のJSOX運用評価を一人でやっていた。さらに海外拠点に2度往査している。
他の同期は実査とか立会とか確認とかの基本業務を先輩と一緒にやり、ようやく先輩のフォローなしで自立し始めたころ。
そんなに落ち込む必要はないかな、と思い始めました。
振り返るとこの研修で自信を少し回復したことが、復活のきっかけとなりました。
その後に訪れた2度目の期末監査は、思い出したくもありません。
全然仕事が終わらない。
また上司2名に怒られる。
税効果等担当しましたが、やはり大企業の税効果は滅茶苦茶難しかった。ちょっと前にやった中小企業の税効果は簡単な部類だったので、複雑なスケジューリングを伴う税効果をやるのはしんどかった。
そして、こういった分担がいきなり現場に入って発表されるので、事前の予習等ができない。
この監査チーム、今振り返ると運営がデタラメもいいところでした。
JSOXの運用テストも、新人1名に全部ふっていいボリュームではない(国内だけでなく、外国の子会社も含んでいた)。しかしそのあたりの評価とかスケジューリングとかがまったくなされていなかった。
そもそもJSOXは監査チームが持っている依頼資料が長年全く更新されないまま。それをどう最新にすればいいかも、誰も教えてくれない。「これやっといて」みたいな感じでドサーッと渡される。そして皆他のジョブに行ってしまい、なかなか聞けない雰囲気。
期末監査にしても、会社と事前ミーティングもせず、4月以降現場に入って、いきなりケンカ腰で議論を始めるありさま。
このようなデタラメな運営をしておきながら、よく新人にあれだけ偉そうにできたなと、今振り返っても怒りがこみ上げてきます笑。
以前の記事でも触れましたが、後に退職する時、このときの管理者3名を全員呼び出して、本気で〆ようと思っていました。
まあ〆るといっても物理的なものではなく、もちろんロジックで、です笑。それくらい自分は追い込まれていた。
ま、いろいろ考え直した結果、結局呼び出すことはしませんでしたけど笑。それはやはり、管理者は管理者でものすごく大変だからです。あとは3名のうち2名とは仲良くなっていたというのもある。
ついでにいうと、私はこのとき同時並行でIPO案件の「ショートレビュー」もやっていました。IPOは後に触れたいと思いますが、これも新人にとってはかなり大変な仕事です。
今振り返るとJSOXとか税効果とか海外対応とかIPOショートレビューとか、まっっっったく大したことはないのですが、当時は本当にわからず、終わらず、きつかった。
このときの苦難を冷静に振り返ると、いろいろと自分の反省点、それから監査法人の問題点も浮かび上がってきます。
自分の反省点:
・「監査なんかチョロいぜ」感を出してしまったか。前々職や前職でいろいろ経験していることを過剰にアピールしすぎたかもしれない。結果、あまり丁寧に教えられなくなったかも。あとは「教えてもらう」という姿勢も足りなかったか(一応気を付けてはいたのですが)。
・勉強不足。いちおうやっていたのですが、やはり「燃え尽き症候群」の中、量が足りなかった。中途半端に英語も勉強した結果、肝心の監査スキルが、自分の理想とする水準に届いていなかった。経験のある一部のスキルを除いて、監査チームのなかでも最低水準だった。
監査法人の問題点:
・「引き継ぐ」という行為を知らない人が多い。上記のJSOXにしても、依頼資料がめちゃくちゃ、調書もめちゃくちゃの状態で、なぜ説明もなしにドサーッと渡すのか。JSOXに限らず、ほとんどすべての作業がそうでした。税効果も今振り返ると噴飯物の調書を引き継ぎましたが、よくあれで偉そうにできたものです。おそらく自信がなかったからこそ強気に出ていたのでしょうが。頼みますよ先輩笑。
・監査スケジュールをノリでこなしている管理者層が多い。監査にはスケジュール的なポイントがあって、例えば4月2週目にクライアントに往査するとして、遅くとも4/1くらいには「期末依頼資料」をクライアントに送付しておかないと、往査しても資料が揃わず作業が始められない、ということになりますが、そういったスケジュール管理ができない人が多い。おそらくそういう教育をされていない。上記監査チームもそうでした。ついでにいうと、3月下旬にはクライアントと「決算ミーティング」を開催して、論点洗い出し等をやっておくべきなのはいうまでもありません。しかし当時、どのチームもやっている気配はありませんでした。
憂鬱な2度目の期末監査は6月くらいまで続きます。このころの日記を振り返ると「あと〇日で退職!」みたいな記載ばかりで、相当病んでいました笑。
次の記事 2年目突入。復活の予感-