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Deep Learning G検定合格を機に、AIへの関心が高まってきたわけですが、タイムリーなことに4月初旬、「AI・人工知能EXPO」が東京国際展示場で開催されましたので、さっそく行ってきました。

コロナで人出は微妙かなと思っていたのですが、私が行った日は大盛況といってもいい人の多さ。この分野への関心の高さをうかがわせます。
G検定合格を機に、AIやDeep Learningに関して、いろいろなジャンルに関心が出てきました。そういう意味では、本当にいいきっかけとなる試験だったと思っています。
AIやDeep Learningに関する、私の現時点の主な興味は次の点です。
・自分が所属する会計・監査・税務分野での応用
我々の業界はいまだにデータをCSVでやり取りしたり仕訳を手作業で入力したりと非常に遅れていて、個人的にAIやDeep Learningの応用が可能だと感じていました。が、G検定を勉強していくなかで、Deep Learningは「大量」のデータが必要だとわかってきました。会計業界は決して「大量のデータ」は持っておらず、ぴったりとは当てはまらないかなと思いはじめました。どちらかというと、さまざまな処理の自動化等を目指すという意味でRPA(Robotic Process Automation /デスクワーク(主に定型作業)を、ルールエンジンやAIなどの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念)なのかもしれない。そういった仮説を持っていました。
・教育分野への活用
私は現在教育にも携わっています。G検定勉強中、教育分野へのAI応用の例示として「習熟度」調査(質問とデータを組み合わせて習熟度を正確に調査し、生徒に応じた適切なカリキュラムを提供する)、それから「板書検索(先生の板書を画像認識し、検索を容易にする)」といったことが挙げられていました。私は公認会計士の社会人受験を長年続け、「どのような勉強をすれば時間がない中で実力を効率的に伸ばすことができるか」考えてきましたので、この分野も非常に関心がありました。
・どういった企業が多いのか。既存大企業か、ベンチャーか
私は過去ベンチャー企業のIPO監査に従事してきましたので、AIに取り組む会社そのものにも興味がありました。
行ってみた感想
・自分が所属する会計・監査・税務分野での応用
当初の予想通り、Deep LearningというよりもまずはRPAなのでしょう。特に会計監査分野で、監査的な判断を下すには、持っているデータが全く足りないような気がします。大手監査法人も数千クライアントあったりしますが、せいぜい過去数年程度しかデータ化されていない。そのため、とてつもないデータが必要なDeep Learningというよりも、まずはRPAに取り組み様々な処理の自動化をした方がいいと思いました。
ちなみに出展者の中に、法律系文書のAI校正を行っている会社がありました。弁護士が複数名で大量の法律系文書を収集しデータ化したとのことで、そこから自動的に法律系文書の内容を判断できるとのことでした。これが割と自分のイメージに近いと思いました。
・教育分野への活用
教育分野へのAI展開をしている会社は複数ありました。まずは資格試験の予備校に導入することなのかな、と思います。「習熟度調査」「板書検索」等に加え、「次の出題問題を予想する」といったことにも取り組んでいるようで驚きました。その対象はまずはマーク試験がメインとなっている試験なのかな、と思います。しかし今回の展示では具体的にどうAIを展開するのか、イメージを持てる企業はあまりありませんでした。
・どういった企業が多いのか。既存大企業か、ベンチャーか
ベンチャー6割という感じでした。出展者は全体として非常に若く、活気がありました。20歳そこそこと思える社長さんもいました。若い人や大学等が、既成概念にとらわれない事業を展開してほしいと切に願っています!
一方で「それ本当にAI?」と思えるものがあったり、いまいちイメージがもてない「やっつけ感」がある展示もあったり、まあそれはどんな展示会も同じかもしれません笑
日本のAIは世界から見て非常に遅れているとの報道があります。私はそれを判断できるほど詳しいわけではありません。
しかし前から強烈に思っているのは、日本の企業社会は依然として「無駄が多い」「業務の区分ができていない」「上位層がITに非常に疎い」ということ。
その状況で高齢化が進み、生産性は下がる一方。
一見厳しい状況としか言えませんが、逆に言うと世界的に見ても「チャンスの山」。このような状況の国はめったにないでしょう。日本はそれなりにインフラも整っており、「伸びしろだらけ」ということです。改善すべき点は山ほどあり、AIを積極的に使用する環境は整っていると思っています。会計事務所だろうが飲食店だろうが全ての業種が取り組むべき分野だと思っています!
つづく