前の記事 短答連敗…マンネリに陥る
これまで短答試験を2回受け(他に記念受験1回)、どちらも不合格。合格が70%のところ、得点率は65~66%。
どうもマンネリに陥っており、同じようなやり方をしたのではまた次も同じような得点率で終わってしまいそうな予感がしていました。
仕事の方は、思い出深き社内システム部から「S部」に部署異動し心機一転。
「S部」は、この会社の花形と言える部署で、前から行きたかった部署の一つでもありました。
しかし、外から見るのと中にいるのでは大違い。まさに「隣の芝生」。この花形部署の業務は、この会社ならではで、確かに面白いと思える部分はあったものの、妙な部内ルールが幅を利かし、イマイチのめりこめない日々が続きました。肝心の仕事内容も、思ったほど刺激的ではない。
振り返ると「社内システム部」の方が、得るものがたくさんあって良かったと思えるくらいです。
私は入社当時、このS部にものすごく行きたがっていました。そして実際に配属された社内システム部は最初嫌で嫌で仕方なく、最初の1年は退職も考えていました。
しかし仮に新人の頃、希望通りこのS部に配属されたとして、しっかり仕事できたでしょうか。そうは思えません。むしろ社内システム部以上に嫌になった可能性もあります。
自分が何に向いているか、本当にわからないものです。あれほど理解できず向いていないと思われた社内システム部は、2年目から本当に面白くなったし、業務フローを改善しシステムを作っていくという作業が、実は自分にものすごく向いていると思えた。
過去にこういうことがたくさんあったので、私に関していえば、「最初の直感」はあまり信じないようにしています。
最初に感じた印象にあまりとらわれすぎない、ということを心がけています。
よく第一印象ですべてが決まる、とか言います。ビジネスにおいて確かにそれは否定できませんが、第一印象だけで判断し自分に合ったもの(人)だけを選んでしまうのはもったいないと思っています。
さて本題の公認会計士短答試験。
3度目は気合を入れました。マジで勉強しないといけない。
ということで、短答対象4科目(財・管・監・企)を中心に、答練、テキストをひたすら回す日々が続きます。
9月くらいまで、新しい部署の業務を覚えながらも、割と順調にこなすことができたと思います。
このころ、本当に「焦り」の感情が強くなってきました。
今、会計士業界はバブルらしいと噂で聞いていました。論文合格率も異常に高く、かなり易化傾向が強くなってきた、とのこと。受験者は2万人(現在の倍)を超え、3~4000人が合格する可能性もあるとのうわさが流れていました。
それは、その頃からJSOXと呼ばれる内部統制監査がスタートしたということもあります。会計士の人数が足りず、大幅に増員するだろうとの予測がされていました。
後にこの「増員政策」はとんでもない失敗だったことがわかるのですが…
いずれにしてもこのビッグウェーブに乗り切れなかったのが本当に辛く、それが焦りとなっていました。
そんなこんなで悶々としながらも勉強したり仕事したりしていた10月ごろ、仕事でよくしていただいていた先輩から、ある依頼がありました。
「労働組合の執行委員に入ってくれないか」というものです。
大変恥ずかしながら私は「労働組合?なんだそりゃ?」という感じでした。
聞けば会社の労働環境を改善したり、ボーナス支給額を理事者と交渉したりするとのこと。
それだけ聞くと面白そうでした。
しかし仕事以外でそういった活動をするのは、短答試験勉強も佳境に入っていることだし、ちょっと難しいかなあ、と思いました。
しかし「ぜひ君に入ってほしい」と大変お世話になっていた先輩に依頼されたということもあり、半分無理やりですが笑、「労働組合執行委員」に入ることにしました。
「労働組合執行委員会」は業務中には基本的に開催できません。昼休みか、業務終了後に開催されます。
最初の会合で委員会の1年のスケジュールを配られた時、
「ちょ、待てヨ!!」
とキムタクばりに声を上げてしまいました。
5月の予定。毎週「水木金」が夜6時~夜12時まで会合。理事者との「団体交渉」含む。
5月は言うまでもなく短答試験。
短答試験の前日夜12時に最後の「団体交渉」が終了予定。
マジか!!
4月には土日に謎の「団交事前合宿」まで組まれています笑。
このスケジュールを見た瞬間、労働組合執行委員会からの脱出を考えました。
さすがにこれはきつい。今回の短答試験はマジにならないといけない。
そこで先輩(委員長)に言いました。「ちょ、先輩、私5月けっこう忙しいんですが・・・資格試験があってですね・・・このスケジュールだと・・・ちょっと脱退したほうがいいかな、なんて・・・(モゴモゴ)」
先輩:「ん?何を言ってるんだい?組合は5月が忙しいに決まっているじゃないか。メーデーって知ってるよね?」
「メーデー?」
先輩:「だいたい君は選挙で執行委員に選ばれているんだよ。もう抜けられない」
選挙?俺立候補したっけ?
うかつでした。確かに「形式上」立候補したことになっており、「形式上」賛成多数で選任されていました。
そう簡単には脱退できなかったのです。
ということで、「5月、どうしよ…」と呆然としながらも、「労働組合執行委員会」メンバーとして活動することになりました笑。