アサインで大人気に!そして一瞬で不人気に(*_*)…-中年の監査法人体験記18-

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1年目はどん底。

2年目から復活。修了考査を機にモチベ復活。勉強も5,6年ぶりに再開します。

そして3年目。ちょっと早めの修了考査合格もあり、小さなジョブの主任(インチャージ)も行うようになりました。

このあたりから、監査の勘所をつかみ、仕事上で大きな失敗をすることは無くなってきました。

監査というのは、結局のところ、やることをしっかりやっていればいいのです。利益を出せとかノルマを達成しろとかそういう話ではない。その意味では、楽だとも言えます。

もちろんやることはかなりあり、上からの要求も結構きついので、一概に楽とも言えませんが。

2年目後半から3年目くらいにかけて、急激に監査法人の「居心地」がよくなってきました。

後輩も出来た。上からもある程度頼られるようになる。

自分独自の仕事も、多少なりともできるようになる。

例えば、私は税務経験がありましたので「税効果」の割と細かいところまで会社から相談依頼が来るようになりましたし、過去の中小企業コンサル経験と「IPO実務検定」の勉強をベースに、IPO監査も深く関わることができるようになりました。過去のシステム部所属経験を活かして、IT専門家と一緒にIT統制を見たりするようにもなりました。

このあたりから、ようやくこれまでの社会人経験と勉強の経験が活き始めたのです。

上の「当たり」も1年目ほどきつくなくなり、どちらかというと「一緒にやろうよ」とか「手伝ってくれない?」のようなニュアンスに変わり始めました。

つまり急激に居心地が良くなってきました笑。

1年目の辛さは完全に無くなり、たとえば夜遅くまでメンバーと一緒に「ダラダラ」だべったり仕事したりしているのが、本当に心地よかった(コロナ禍の今思えば、オフィスでみんなとダラダラと仕事するというのも、最後のレア体験だったのかもしれません)。

夜遅くまで調書を作ったり、パートナーと緊張しながら話したり、アシスタントの女子に声かけたりwというのが、私の監査法人在籍時の黄金時代だったのかもしれません。

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この時期、ちょっと調子に乗っていたのもありますが、来るもの拒まず引き受け、ある四半期のアサインが10社くらいになっていました。

で、自分、人気者!くらいに思っていました笑。

しかしそんなことにメリットは全くありません。疲れるだけですし、評価もほとんどされません。そもそも10社行っていても単に忙しいだけですし、ひとつひとつの検討が浅くなり、クオリティは下がるだけです。

この10社アサイン時代が、私の組織における短い「人気のピーク」だったでしょう笑。

10社も行っていると中にはとんでもないジョブもあり、そんなところからは抜け出したくなります。

それで1社強引に抜けたのを機に、その後立て続けに抜けてしまいました。そして人気は急激に落ちていきました笑。

ちなみに「人気」というのはあまりピンとこないかもしれませんが、監査法人では間違いなく「人気」のスタッフ、そうでないスタッフというのが存在します。優秀なスタッフはどのジョブからも引く手あまた、逆は全く…という事態が普通に起こります。

で、私はと言えば、一瞬「大人気」になったのは間違いないです笑。

しかし大人気という状態に耐えられず、自らその地位を放棄しました笑。そしてそれに1ミリも後悔していません。自分にはベースとなるジョブA社他、数社のIPOジョブがあれば十分でしたので。

放棄したのには理由があります。このころ、何となくですが「先」が見えてきました。

基本的にはこれがずっと続くのだろうな、と思ったのです。早い話が飽きてきた。

おそらくまだ知らない経験もあるだろうし、マネジメント等も今後大変になってくるだろう。だけど基本的に監査をやって、毎年毎年炎上するところは炎上して、炎上しないならしないで、繁忙期→閑散期を繰り返していくのだろうな、と思ったのです。

そういう意味では、いい年していつまでも組織に頼っていてはいけない、独立したい、という、以前から抱いていた願望にもまた火がつき始めました。

そして。居心地が良くなったとは言っても、どうしても組織のことが好きになれない

同僚は滅茶苦茶いい人たちが多いのですが、どうも「組織運営」が気に入らない。

たとえば期の途中や期末付近で、監査マニュアルを大幅に変えてきて、後は現場が考えろ、といった通達を出したりする。もうだいぶ手続き終わっているのですが…

全く趣旨がわからない、いかにもアメリカ人が考えました!のような人事評価制度を、説明もろくにせず導入する。

監査ジョブにしても、どう考えてもそこIPOできないよね?と思える会社と契約してきて、後は主任以下やっといて、とドサーッと渡される。

社内手続きが、壊滅的に時間がかかる。

こういうところが本当に嫌で嫌で仕方なかった。「組織」は、本当に頭が働いているのか、現場のことがわかっているのか、と新人の頃からずっと思っていました。

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