前の記事 ついに短答試験合格!
短答試験は3度目のチャレンジでついに合格しました。
得点率は74%。この年のボーダーは68%でした。適当にマークしたところが正解だった個所が4~5問あり、この得点率は奇跡だったということができます。
しかしそれを除いても68%以上はとれていましたので、いちおう「実力で合格した」ということが言えると思います。
ところで、つい先日令和3年の短答試験がありましたので、ちょっと問題を見てみました。
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手も足も出ないとはこのこと。
管理会計論など、そっ閉じレベルです。
一応私はこの10年、それなりに真剣に会計監査に関わってきたのですが、それでも直近の短答試験を見たところ、特に管理会計は手も足も出ませんでした笑。過去の論文試験を見るとそこそこできるとは思いましたけど。
疑問として、短答試験の選択肢をこれほど細かくして難易度を上げる必要があるのか、というのはあります。
管理会計や原価計算は、結局のところ会社の内部計算。そういう意味で、制度会計につながる部分を除き「正解」というのはないはずです。実際、どの会社も独自のやり方を採っています。
見たところ、管理会計論の問題は現実離れしており、ガチガチに作りすぎている印象。無駄に難しくしていると思います。
監査論も、それ聞いて意味ある?という選択肢がかなりあります。品質管理や不正リスク基準、内部統制実施基準の細かいところなど、受験生にとっては想像しづらく、完全暗記対応となってしまうでしょう。
後に修了考査や補修所でいろいろ実務的なところを勉強させるのであれば、最初にこれほど細かいところを聞く必要はなく、基礎テキストに載っているようなオーソドックスな問題を作ってほしいというのはあります。
さて、そういった、とてつもなく厳しい短答試験を、働きながら突破するにあたってどうすればいいか。以下大事だったと思えるところを書いてみたいと思います。とはいっても当たり前のことしか書けませんので、画期的なことは期待しないでください笑。
財務会計論&管理会計論
まずは財務会計論と管理会計論の計算。これを70%とれるまで頑張るのが最優先です。
監査論と企業法は極端な話、いずれできるようになります。理論科目はテキスト・法令・基準をベースに、短答模試や過去問を解いていけば何とかなるのです。
しかし財務会計論と管理会計論は計算手順を覚えなければならず、範囲も膨大ですので、時間をかけてしっかりとした理解をすることが必要となります。
まずは予備校の基礎講座をすべて終わらせること。これがスタートです。付属の問題集もしっかり解いて、基礎力を身に着けます。
それらができて、さらに答練を解きまくることが必要になります。
答練で様々なパターンの問題を解く→テキストに戻って例題を確認する。
これを地道に繰り返す必要があります。
財務会計論、管理会計論ともにこの作業が必要です。
私の実感では、基礎講座終了後に答練を解く→基礎テキストに戻って確認という作業は、働きながらだと半年以上は必要という印象です。よって5月試験であれば年内くらいから本格的に始める必要があると思います。
それくらい範囲は膨大ですし、問題も簡単ではありません。
これまでの記事で記載のとおり、予備校の答練は非常に難しく感じると思います。しかしそれが普通です。基礎講座を終わらせた状態では、細かいところはほとんど忘れている可能性もあります。そしてその細かいところを突いてくるのが、本番を想定した答練なのです。
よくわからない答練を地道に説いてテキストに戻るという作業ですので、かなり辛く感じると思いますが、これを避けて合格レベルに達することはできませんので、すべての答練でこの作業を行ってほしいところです。
ちなみに答練の点数は気にする必要はありません。働きながらだと低くなるのは当たり前。「大事なのは本番」ということを忘れずに取り組むべきでしょう。答練を2回目以降解く場合は点数を気にしてもいいかもしれませんが、ターゲットはあくまでも本番です。答練で低い点数を取り、モチベーションが下がるのであれば、1問ずつ解きながら答え合わせをする等で、点数を出さないのも手です。働きながらの試験対策はモチベーションが全て。0点上等で取り組むべきです。継続すればするだけ可能性が上がっていきます。
財務会計論と管理会計論の「理論」も疎かにしてはいけませんが、基本は企業法・監査論と同じなので、下記ご参照ください。
監査論&企業法
理論科目はとにかくテキスト+答練です。
理論科目も計算科目と同様、やはりテキストが重要です。監査論を例にとると、テキストというのは、結局のところ監査基準+監基法(+関連規定)をまとめたものなのです。よってテキストを読むと大体のことは書いてあります。
テキストを疎かにしている人がいますが、まずはテキストの目次をしっかり読み、精読と速読を繰り返して何度も読むべきでしょう。参考記事:基本テキスト4原則「精読」「速読」「アウトライン」「アンダーライン」
その後に答練を解くのは計算と同じです。答練はすべての選択肢で納得するべきでしょう。たまたま合っていたというのは間違えたとみなして、しっかりテキストに戻る必要があります。
監基報を見るべきかどうかというのは意見が分かれるでしょうけど、私は、働きながらで時間がない場合でも「見るべき派」です。
監基報も見ることで監査論全体の理解が深まった印象です。答練でも出たところを、テキストに戻って線を引き、さらに監基報にも線を引くことで、体系的な理解ができました。
しかし監基報を全く見ずに短答試験に合格している人もいるので、これは難しいところです。計算科目でカバーできるのであればそこまでやる必要はないのかもしれませんが。
企業法も基本は同じで、テキストと答練です。企業法は、条文にあたるのはマストでしょう。
そんなに大したことは書けず恐縮ですが、まとめると次のことが言えるでしょう。
- 基礎テキストを疎かにしない
- まずは計算を70%以上取れるレベルに仕上げる(→時間がかかる)
- 理論科目もテキスト重視。答練で間違えたところはテキストに戻って線を引く
答練の使い方に関しては次の記事もご参照ください。「答練」の使い方
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