時間がない中の論文対策!計算と理論に着目-新卒社会人の公認会計士試験受験記21-

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短答試験合格後、3か月後に迫った論文試験。

この時期、ラッキーなことに仕事の閑散期だったので、試験直前期にあたる7~8月は基本的に5時ダッシュすることができました。

とはいえ、論文のみの科目である「租税法」および「経営学」の勉強が極めて手薄。

さらに短答4科目も、頭を論文モードに切り替える必要があります。

5月下旬時点で、8月中旬の論文試験に向けて間違いなく時間が足りない状況でした。

さて、論文試験の「計算」「理論」に着目すると、次のようなイメージとなります。

  • 会計学①(財務会計論)…計算50%、理論50%
  • 会計学②(管理会計論)…計算60%、理論40%
  • 監査論…理論100%
  • 企業法…理論100%
  • 租税法…計算60%、理論40%
  • 経営学…計算(ファイナンス)60%、理論40%

(%は個人の主観であり年度によって変動します)

こうしてみると論文試験は「理論」が非常に重要なんですね。全体として見ると6割以上が理論なのです。「会計士試験」のイメージとは裏腹に、文章をしっかり書くことが、電卓を用いる「計算」よりも大事だということが言えると思います。

まず「計算」部分に着目。

会計学①(財務会計論)」の計算は、基本的に短答試験と勉強法を変えなくてもいいように思えました。短答と形式が違う総合問題といっても、結局は小問の集合。さらに近年超難解な簿記の問題は出題されなくなっています。基礎テキストの例題を重視するとともに、答練の総合問題を解いていけばいいはず。

会計学②(管理会計論)」の計算は、私は苦手だったというのもあり、非常に難しい印象。大問の前半部分は何とか取れるけど、後半は手も足も出ない。よっていかに簡単な箇所を拾うかだと思えました。

租税法」の計算は、難しい問題は出ない印象。出たとしても捨てていい。その代わり短答科目ではないため手薄になりがちな上に、範囲が膨大で、基本部分をマスターするのに時間がかかる。

経営学」の計算(ファイナンス)は、ほぼ毎年似たようなジャンルが出ている印象。しかし難易度は年によってかなり違う。範囲はそれほど広くない。

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よって「計算」に関しては、次の方針を立てました。

まずは「租税法」を戦えるまで伸ばす。授業を一回聞いて終わっていたため、ひたすらテキストを繰り返し、基礎を身に付ける。同時に答練も解く。

「会計学①②」はこれまでどおりテキストを重視するとともに、論文答練をひたすら解く、というスタイル。

「経営学(ファイナンス)」はテキストと答練を繰り返すのみ。

そして「理論」部分。

前回の記事の通り、次の違いに気づきました。

  • 企業法:答案がかなり長くなる。論証の流れが極めて大事。
  • 企業法以外の理論部分(財務会計論、管理会計論、監査論、経営学、租税法):長くない。長くてもせいぜい8~10行程度。短い文章をたくさん答えさせる形式。

企業法は、キーワードの暗記に加え、論証の流れが極めて重要となります。

事例問題の典型例が「事例分析→規範定立→あてはめ→結論」。この流れをしっかり押さえることがポイントです。

よって他の理論科目と異なり、企業法だけは、Aランクの論証例を「自分なりに」フローにしてまとめ、ワードに起こしました。

論証例を丸写しするのではなく、「カテゴリ(事例分析等)」と「キーワード」を箇条書きレベルで作っていったのです。そして休み時間等空いたときに眺めるようにしました。フローを暗記するためです。

企業法以外の理論科目は、極論すれば、キーワードを暗記して、それを聞かれた通りに文章にするのみです。企業法のように論証フローはない。理由を聞かれたらキーワードを入れて理由を答える。意義を聞かれたら意義を答える。それだけ。まずは「キーワードを一言で言うと」何なのか、から覚えていき、それに肉付けしていくようにしました。

そして、企業法も他の理論科目も、答練の解答欄にまったく解答は書きませんでした

残り3か月。書いている時間がもったいない。書くよりも、ちょっと考え、企業法であればフローを頭に思い浮かべる。それ以外の科目であればキーワードを思い浮かべる。そしてすぐに解答を見る。

解答を見て、キーワードに線を引き、納得したら、テキストに戻る。テキストの該当箇所に線を引く。

この作業を繰り返しました。

この作業により、残り3か月で、理論科目は予備校の答練をなんとか全て3回繰り返して終わらせることができました。

まあ、当たり前ですね。ちょっと考え、解答をみて、線を引くだけであり、書くことすらしていないからです。

計算はちょっと厳しかった。租税法のマスターに手こずり、それが全体に波及してしまった。計算の答練は試験までに半分くらいしか消化できませんでした。試験直前でも、かなりうろ覚えの箇所が多かったです。

さて8月。初の論文試験を受けました。

記憶に残っているのはとにかく暑かったこと。8月のど真ん中。体調管理や夏バテに要注意です。

そしてものすごく疲れる笑。3日間で13時間の試験!(令和2年度は2日に詰め込まれたと聞いています。2日とはすごすぎる…)。

結果は、残念ながら不合格。偏差値49(合格51)。

しかし、企業法が科目合格していました!監査論も53とまあまあの出来。

租税法が45。管理会計が48。このあたりに足を引っ張られたのは明白です。

結果として、上記の理論科目勉強法は間違っていなかったと思っています。

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