前の記事 会計士の働き方New Normal!⑧自分の仕事を愛する。同時に突き放してみる
皆様の職場はどういった雰囲気でしょうか笑。
雰囲気、と言われてもかなりざっくりしていますね。
別の質問をすると、自分の意見は言いやすいでしょうか?スタッフ層だとすると、マネージャーは聞いてくれますか?マネージャーだとすると、パートナーに意見を言いやすいでしょうか?
ここでいう「意見」とは、自分が単に楽をしたいといった個人的希望ではなく、もっとこうすれば業務が効率化するだとか、こういう方針で仕事をしたいといったような、「提案」に近いものとしましょう。
私の考えでは、上が「何でも知っている」と思い込み、こういった下からの自由な意見を封殺する雰囲気を作っていると、それは「良くない雰囲気」の会社となります。
最近は大体どこも在宅勤務が導入され、フレックスや男性の育休も一般的となってきました。その意味では最近の職場は、一見自由になってきています。大手監査法人は以前からこの面では進んでいたように思えます。
にもかかわらず、どうも重苦しい雰囲気が漂っているように見えます。なんとなく自由に意見ができない。組織がどういった方針なのかがわからない。意味不明なことがいきなり降ってくる…
これはあるあるだと思います。
監査に限った話ではないのかもしれませんが、特に監査では、パートナーも含めて、チームにおける「フラット」な議論が必要です。近年、ますます重要になっていると思います。
なぜなら、もはやパートナーのこれまでの知識だけで、企業を理解し、効率的な監査を行うことができなくなってきているからです。
特にIT、AI、また暗号通貨等の最新技術を扱っている企業の理解は、誰にとっても非常に難しいものがあるでしょう。これまでのキャリアで「監査法人だけ」しか勤務経験がない場合は、特に難しいと思います。
そういった状況にもかかわらず、「上」がフラットな議論を封殺するような雰囲気を作ると、ろくなことになりません。
このように書くと、そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、監査法人の「上位層」には下から意見されるのをものすごく嫌う層が、一定数存在します。
嫌う、というよりも「フラットな議論」という概念を理解していないかもしれない。「自分はこういう役職なので下は従うべし」という考えなのでしょう。
かといって最新の論点に理解があるかというと、まちがいなくスタッフ以下。特にITは全く理解していない層が多い印象。
そのレベルで、急にものすごく微妙なことを言いだしたりします。「なんであの手続をやっていないんだ」等。
手続き漏れ等は、確かに「下」がしっかり伝えてなかったり検討していなかったりという落ち度もあるでしょう。
しかし、結局この人に言っても、よくわかっていないし、面倒くさいだけ、という理由で、コミュニケーションを取らない場合がよくあります。もしくは「これくらいさすがにわかっているだろう」と思ってコミュニケーションを取らないでいたら、実はわかっていなかった、とか笑。
会計士の「上」世代は、おそらく「上意下達」の典型世代だったのでしょう。世の中それほど変化せず、監査手続も長年ほぼ同じ。そういった状況では、長いキャリアがあればあるほど経験も豊富ということになり、トップが必然的に何でも知っているということになります。
しかし現在はまったく状況は異なっています。監査基準は国際基準に合わせて毎年改正されています。2000年代に入ってからの激変ぶりは恐ろしいほどです。
今は、間違いなく「上が何でも知っている」「上の言うことが間違いない」時代ではないのです。どの業界も同じでしょうけど。
そういった状況にあって、これまでのように「上」がなんでも知っているような顔をして、意見を封殺するような雰囲気を作ると、とても監査などできなくなります。
上位層は、方針も含めたフラットな議論ができる雰囲気を必ず作る必要があります。
そうすると、意見が色々あがってきます。それらの大半は、実はそれほど役にたつものではなかったりします笑。若年層の意見は、即使えない、ということが多いのは仕方ないでしょう。
しかし、あがってきた意見の10%くらいは、本当に現場改善、組織改善に役立つものが多いです。これは実感しています。これを拾っていくのが「上」の役目だと思います。
よって、忍耐は伴うかもしれませんが、辛抱強く聞くべきでしょう。
なにより、そういった「意見を自由に言う雰囲気」があることがいい職場につながります!