前の記事 大手監査法人の「ブランド」力!
監査法人4年目ともなると、同期入社のメンバーもだいぶ貫禄が出てきます笑。最初は右も左もわからなかった仕事も、さすがに3~4回もやればだいたいの業務がわかるようになります。
ふと気づくと、定期採用も中途採用も関係なく、誰もがしっかり後輩を指導したり、インチャージをやったり、後輩が作成した調書を貫禄たっぷりにレビューしたりしていました笑。
一般的に3年目の冬に「修了考査」を受けます。これに合格すると晴れて「公認会計士」と名乗れます。
そして一般的にこのあたりでスタッフから「シニアスタッフ」に昇格します。
全員なれるわけではなく、10%くらいは滞留するイメージ。
ちなみにシニアスタッフからマネージャーになるのはだいたい7~8年目。ストレートで上がるのは50%くらいか。うまくいけば20代でマネージャーになることも十分可能です。
修了考査は当時70%の高合格率。まあだいたい合格します(最近は50%割れという由々しき事態となっているようです。)。
そして4年目ともなると、修了考査合格と会計士登録を機に、監査法人を離れる人たちが出始めました。
自分が辞める辞める言いながらまだ残っているのに、他の同期が自分より早く辞めていくのを見るのは、とても寂しかったです笑。
監査法人「卒業」後の進路は本当に様々です。
事業会社で経理、ベンチャー企業のCFO、税理士法人で税務挑戦、あたりが代表的な転職先でしょうか。それに続いて、コンサル会社への転職、さらに自分で会計事務所を作って独立、という選択肢も一般的です。
いずれにしても、選択肢が多いということはとてもいいことです。これが「資格がある」さらに「ある程度の経験がある」ということの強みでしょう。
もちろん監査法人に残り、さらに上を目指す、という選択肢も大いにあり。
監査も思っていたよりは面白い、という印象です。
私は当初「監査は基本的につまらない」と想定していました。なぜそういう風に思っていたのかはわかりませんが、ひとつには監査法人勤務者からそのように聞かされていた、というのもあります。
しかし「つまらない」と言っていた人は、もしかすると個々の監査手続きばかりやっていたのかもしれません。それだけやっていると確かにつまらないですが、全体感を見極め、リスクアプローチに基づく監査計画をしっかり立案し、それに基づいた手続きを実施するというのは、なかなか面白いと思います。
参考記事:「監査」の面白いところ!
ただ一方で、4年目というのは一つの区切りであることは間違いないでしょう。
ここで少し考える必要があります。このまま残るのか、新しいチャレンジをするのか。
私はここを出るとしたら独立と決めていましたので、転職という選択肢はありませんでした。過去に2度転職をしていましたし、これ以上新しい環境というのはきついと思っていました。
それで考えてみました。今独立していいかどうか。
なんとなく、まだ早いような気がする。
前回までの記事に記載の通り、組織への不満は本当にいろいろありましたが笑、一方で大手監査法人はそれを補って余りあるメリットがあります。
例えば海外ジョブ。巨大グローバルブランドという冠を持ち、全世界に拠点があるというのは本当に大きい。
海外出張時に現地拠点を訪れ、現地の子会社担当監査人と話したり飲んだりしたりするのは本当に楽しいです笑。
また、監査法人は本当にいろいろな機能を持っています。税理士法人が併殺されていて、たまに税理士たちと仕事をしたりもします。例えば大きなクライアントで期末に「タックスレビュー」をするときなどです(大企業の複雑な税務がきちんとなされているかどうかは、会計士よりも税理士が見たほうがよい)。
そんなとき、普段つきあっている会計士と違う専門家の人たちとお話しできるのは本当に刺激的です。
他にもコンサル部隊、IT部隊なんてのもある。
掘れば掘るほどいろいろな人たちがいて、刺激になります。
こういう経験は本当に捨てがたいと思いました。
さらにIPO監査という業務も大変だけど本当に面白いと思っていた。
そのあたりをいろいろと考慮し、「まだ辞めない」という結論としました。
入社当初は「2年(=最低限必要とされる実務経験)で辞めよう」と思っていたので、その意味では予定以上に長く勤務することになりました。
一方で年齢的にも、あまりのんびりはしていられないので、次のように決めていました。「ここで働くモチベーションが無くなったら離れよう」と。
不満は色々あるけれども、今のところ、それを補って余りある刺激がある。例えば海外だったりIPOだったり多様な専門家集団だったり。
それらを十分堪能し、これ以上は十分と思えたら、離れよう。そう思いました。
同時に、前々職時代に運営をしていた「若手経営者グループ」にも、会費を払ってメンバーとなり、頻繁に顔を出すようになりました。参考記事 受験生なのにアレにデビュー・ドはまりする-新卒社会人の公認会計士試験受験記24-
狙いはもちろん将来の独立時の布石です。