私は2020年7月に大手監査法人を退職し、2020年8月より独立しています。
ということでもうすぐ独立1周年となります。
今の状況をひとことで表せば「独立最高!」となります。
仕事の面では、前回の記事にも触れた通り、当初計画とは「全く」といっていいほど異なる仕事をしています笑。
当初は「税務」を中心に計画していました。
しかし現在、税務案件はゼロ。案件の引き合いが無いこともなかったですが、無理して引き受けることはしませんでした。
個人的印象ですが、通常の税務案件は労力の割に単価が非常に安いように感じる。これはいま役員をしている監査法人に併設されている税理士法人の仲間に聞いてみても、同じような答えが返ってきます。
よって通常の税務は「非常に親しい経営者からの依頼のみ」引き受けることとしました。そもそも自分にとって税務は「チャレンジ案件」ですので、極めて慎重に行う必要があります。
それ以外の会計案件は、自分にとってすでにノウハウが蓄積されている案件であり、極めてスムーズに進めることができています。
収入の面では、大手監査法人時代の1.5倍くらいまでくることができました。しかし当然満足しておらず、2倍以上を目標に掲げています。
また、当然ながらリスクはサラリーマン時代よりも大きいです。病気になったりすると一気に収入が落ちる状況ですので、健康面は本当にケアしています。
さて、私はこの10年公認会計士として監査等を行ってきて、気になることがありました。
それは、「日本の大企業は、この10年かなりの利益を出してきているように見える。それなのに、なぜ賃金が上がっていないのか」ということです。
もちろん日本は大企業だけで回っているわけではないですが、それでも大企業というのは非常に大きな影響力を持っています。
日本はデフレだ、賃金があがらないと言われていますが、その一因に、この大企業の賃金据え置きといってもいいポリシーがあるのではないでしょうか。
もちろん「業績連動報酬」等で決算が良ければ賞与も増えたりする会社も多いのですが、どうも利益額や他の指標と連動していないように見える、というのが私の印象です。利益を出しているにもかかわらずこの10年ほとんど上がっていない、というのが最大の証拠でしょう。
というより、利益がどれくらい上がったか、あまり従業員に関心が無いようにも見える。それではダメでしょう。
これだけ利益が上がったので、これだけ配分してほしい、という空気を作ることが大事だと思います。
しかしそれにはリスクもあって、業績が悪化したときは給与ダウンを受け入れる必要もあります。
しかし個人的には、それは当然なのではないかと思っていますが…。それができないのであれば「賃金据え置きポリシー」をある程度受け入れざるを得ないでしょう。
もちろん公明正大な評価制度の導入はいうまでもありません。
さて、現状、このように賃金が据え置きなのであれば、企業は「副業解禁」を全面的にやってほしいと思っています。
賃金は上げない、副業はNGでは話になりません。
今の時代、もはや週5日、同じところで働く必要などないと思っています。週3~4日勤務、給料は6~8割でもいい。その代わり自分で事業をしたり別のところで働いてもいい。
このようにフレキシブルな勤務体系を、どの会社も導入してほしい。
導入しないなら、従業員を囲える自信があるということなので、しっかり業績に応じた賃金を支払う。
こういう世の中になってほしいと思います。
私も複数の仕事をすることで、収入を増加させることができていますし、これまでやりたかったことをじっくり考えることができています。
副業がOKとなるように、組合等で是非会社に働きかけてほしいですし、すでに副業OKなところに勤務されている場合は是非副業をやってほしいと思います。
副業を考えるというのも、独立のために非常に大事です。
メインの仕事があるのであれば、副業に費やせる時間は限られたものになるでしょうから、最小限の努力で最大限の成果を上げるという目標が必要となります。
空いた時間でアルバイト、では話にならないのです。
ひとつの方向性として「セミナー講師」があります。
いま、コロナ禍もあって、実は空前の資格ブーム。日商簿記講座を擁する予備校は入学者が殺到しています。
もし私がサラリーマン時代に副業が許されていたなら、間違いなくセミナー講師をします(実は今やっています)。
セミナー講師はかなり単価が良いです。もちろん最初は準備に非常に時間がかかりますが、いったん資料等できてしまえば、後はアップデートだけですから、極めて効率的に稼げる手段となります。
もちろんそう簡単には採用されないでしょうから、技と話術を磨きながら、いろいろな予備校等を調べることが大事です。
セミナー講師は一例ですが、副業として単価のいい仕事を考えることが、結局のところ後の独立にもつながるのだと思います。
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