「ベテラン受験生」に捧げるチェックリスト-新卒社会人の公認会計士試験受験記28-

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社会人生活も8年目。すっかり中堅社員となりました。公認会計士の受験勉強は7年目(社会人と同時に始めたものの、1年の中断期間あり)。

いくら働きながらとはいえ、7年も勉強すれば、すっかり「ベテラン受験生」となります。

ベテラン受験生、なんともいえない表現です笑。「ベテラン」と「受験生」の組み合わせが実にシュール。

いわゆる「ヴェテ」というやつですねw

7年という受験期間を経た合格者というのは、ほぼ見たことがありません。監査法人にいる人たちはだいたい2~4年の受験期間が平均というところでしょうか。まあ、あまり受験期間の話はしないので、もしかしたら探せばいるのかもしれませんが…

唯一知っている自分以上の「ベテラン合格者」は、最近海外の会計士資格を取った後輩。

この男も働きながらですが、10年頑張りました。よくやった!

受験期間7年超というのは彼くらいしか知らないです。

私も正真正銘ベテラン受験生だったので、ここでひとつベテラン受験生に捧げるチェックリストを作ってみようと思います。

ベテランでない方も見ていただければと思います。

ひとつでもNOがあれば要注意と思います。

☐基礎テキストは何度も読んでいるか?基礎問題集を全てしっかり解いているか?

私がベテランになったのもこれを怠ったことが原因です。学習が進めば進むほど、自分は基礎を「卒業」していると思い込み、基礎テキストをほとんど見ることもなくなり、応用的な答練ばかり解いてしまうのです。

しかし答練というのは、出題範囲のごく一部にすぎず、いい点が取れたとしてもその範囲が出題されなければ全く無意味。

基礎テキストおよび基礎問題集は、どんなに学習が進んでいたとしても常に繰り返す必要があります。そして答練で出た箇所を基礎テキストにリファーすることが非常に大事。

次の記事もご参考まで。「答練」の使い方-社会人の資格試験勉強15-

基礎テキストは膨大であり、そう簡単にマスターできるものではありません。試験まで何度も何度も繰り返す必要があります。

☐謙虚なマインドを持っているか?

上に関係してくるのですが、やはり謙虚さは大事です。「基礎」は卒業していると思ってしまうのも、もしかしたら謙虚さが足りないのかもしれません。

受験勉強というのはそもそも自分に足りないことを補充していく作業。であれば謙虚さは合格するまで必要です。ちょっと答練でいい点が取れたからといって失ってはいけないものとなります。

☐資格試験は「必ず合格するものではない」ことを理解しているか?

これは厳しいですが、一方で真実です。「勉強すれば絶対合格する」のであれば、それは試験ではないからです。

ということは、どんなに勉強しても100%合格はあり得ないのが資格試験。

である以上、そもそもどんなに勉強しても安心はできない類のものとなります。これを理解していれば、謙虚さを無くすということはないでしょう。

☐予備校はどこも同じということを理解しているか。コロコロ変えていないか?

私は受験時O予備校に通い続けました。講座、教材、答練、講師に関して何一つ不満はありません。よく予想を当てていたという印象です。

そして後の修了考査ではT予備校を選びました。理由は単にT予備校の窓口が会社の近くにあったからです。そしてT予備校もO予備校と全く同じレベルだと感じました。非常にわかりやすかったです。

そしてその後、諸事情あり、TでもOでもない予備校の会計士講座をチェックする機会があり、教材および講義動画を見てみました。

東京CPA会計学院

ここもまったく遜色ない。教材など、T、Oよりもシンプルでわかりやすいと思ったほどです。

私の印象では、どの予備校も全く同じです。にもかかわらず、中途半端に次々と予備校を変えている人がいます。

もちろん他校の答練を受けるのは全く問題ないと思いますが、ベースとなる予備校をころころ変えるより、上記のとおりその予備校の基礎テキストを愚直に極めるのが先でしょう。

☐「言い訳」が多くなっていないか?

これは社会人受験生が陥りやすい罠と思います。もちろん私も全面的に陥っていました。言い訳は本当にいろいろ出てきます。仕事が忙しい、体調が悪い、腰が痛い、上司と揉めた、顧客からクレームが来た、昨日飲み会だった…

ある程度は仕方ありません。しかし、社会人は特に、そういった「リスク」を全て想定して計画的にスケジュールをこなしていくことが必要です。

まずは自分が言いそうな「言い訳」を事前に全て把握し、例えば週ごとにリスクを評価して、バッファを織り込んだ週間スケジュールを立ててみるのもいいでしょう。これぞまさにリスクアプローチ!

☐必要以上に受験仲間とつるんでいないか?

私は、受験仲間というのはゼロでした。通信生でしたし、社会人でもありましたので寂しさはないだろうと思っていました。

しかし、だんだん受験仲間が欲しいと思うようになりました。同僚や友人は基本的に細かいところまで理解してくれず、難しい論点を話し合いたいとか、会計士業界の情報を交換したいとか思ったものです。

ということで受験仲間は必要だと思います。

一方で、私は勉強というのは2種類しかないと思っており、それはインプットとアウトプット。インプットは知識を叩き込む作業であり一人で黙々とすべき。アウトプットはディスカッション等であれば複数人で行うもの。ということは、インプットは一人で問題ないわけです。

必要以上につるんだりだべったりするのであれば当然有害となるでしょう。

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