「トップ」になったら、自分の言葉で方針を伝えよう-10代・20代への「提言」② –

前の記事 はじめに

2021年7月末現在、オリンピックは無事に進行しています。

いや、無事と言っていいのかどうかはまったくわかりません笑。

東京都の感染者は4000人越え、緊急事態宣言真っただ中。

その割に電車は激込み。都心は人だらけ。

この前サイクリングでお気に入り場所である「葛西臨海公園」に行ってきました。知らなかったのですが、「葛西臨海公園」でオリンピックの複数種目が開催されていました。

会場周辺は誰もいない。無観客なので当然ですね。

しかし公園内は多くの人。休日の江の島のようになっていました。

これはいったいどういうことでしょう笑。

世界的なイベントであるオリンピックが行われているのに、その周りには全く人がおらず、同じ公園内の別の場所はとんでもない「密」になっている(決してオリンピックを見に来たわけではなく、単に公園で遊んでいるだけ)という、シュールな光景がありました笑。

今の状況はかなりカオスと思います。数年後いったいどのように振り返られるのでしょうか。

政治関連はここでは扱うつもりはないのですが、私が本当に何とかしてほしいと思っているのは、トップの「大方針の説明の無さ」です。

特に今のトップは酷い。国民に語り掛けようという意図が感じられず、部下が作った原稿を読み上げているだけのように思えます。

これには大きな批判が寄せられているわけですが、かといって私はこの批判そのものに大きな違和感があります。

どういうことかというと、これがまさに日本そのものだと思うからです。

日本の組織というのは、基本的に閉鎖的です。極めて限られた少数のグループにより方針が決められ、その内容を全体に説明する、ということはしません。

政治に限った話ではなく、私の経験では、学校、会社全てにおいてそうでした。

学校や部活動にしても、いったいどういう方針で運営され、今の目標は何なのか、さっぱりわかりませんでした。

なぜそのような規則があるのか、誰も説明しません。この授業は将来何の役に立つのか、今行っている練習は何を意図しているか、聞いても教えてくれないどころか、「余計なことは聞くな、考えるな」という雰囲気が漂っています。

(もっとも昨今の日本人選手の世界での活躍を見ていると、スポーツにおいてはこのような雰囲気はだいぶ改められているのだと信じていますが…)

会社にしてもそう。組織のトップは現状をどうとらえ、どのようなリスクを認識し、従業員に何をしてほしいか、どうなってほしいか、何を勉強してほしいか、全く説明しません。

こういうと、そんなことはない、定期的にメッセージを発信している、と言いそうです笑。

しかしこれがまさにタチが悪いところ。

確かに(誰も見ていない)イントラ等でメッセージらしきものを発しているのですが、それは「本人」が書いていないと一発でわかるシロモノ。部下に作らせた無味乾燥で当たり障りない文章であることが丸わかりなのです。

そんなメッセージは誰にも届きません。今の政府のリーダーがいい例。

要は、現状のようなよくわからないリーダーシップは日本全体の問題であり、そういった社会を形成してきたほとんどの人は文句を言う資格がないのではと思います笑。

日本の組織というのは、「アカウンタビリティ(説明責任)」というものがありません。これは別の記事で触れますが、私はこれまで公認会計士として監査を行う過程で、上場企業ですら持っていない会社が多かったことに驚かされました。

おそらく伝統的な「上意下達」「お殿様の言うことに黙って従う」という文化の悪い面が残っているのだと思います。

ここをまず変えていかなければいけないと思っています。

トップといっても、いろいろなトップがいます。例えば小さなチームのリーダーも立派なトップです。

学生でも、例えばサークルの幹部やグループディスカッションでの仕切り役はトップと言ってもいいでしょう。

私はまずトップになったら、チーム(組織)の大方針を自分の言葉でかみ砕いて説明するよう徹底しています。

いま、小規模監査法人でしょっちゅうチームのリーダーになりますが、この場合も必ずチーム作業前に方針、リスク洗い出し、手続き確認を行います。

もちろん可能な限り全員の意見が言いやすい雰囲気を作ります。

方針が変更になったら、必ず逐次全チームに伝達します。また方針そのものに関する議論も歓迎します。

何の指標を重視するか、クリアにします。私であれば「作業効率(=賛否両論あるでしょうが残業時間の少なさ)、「コミュニケーション」「パッと見てわかりやすい調書作成」等です。

メンバーは私に対して、もちろんいろいろ不満はあるでしょうが笑、これまで「方針がわからない」という不満はもらったことがありません。

どんなに小さな組織、チームでもいいので、トップに立ったら是非こういったことをやって、徐々に日本の組織を変えてほしいと思います。

まとめ

  • トップはどんな小さなグループでも同じ責任がある
  • チーム(組織)の大方針を自分の言葉でかみ砕いて説明する
  • チーム全員の意見が言いやすい雰囲気を作る
  • 方針が変更になったら、必ず逐次全チームメンバーに伝達する
  • 何の指標を重視するか、クリアにする

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