暗雲立ち込める会計士業界…!!-新卒社会人の公認会計士試験受験記29-

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社会人8年目。支店では2年目。受験歴はついに7年目。

社会人としても、受験生としても、けっこうなベテランとなってきました。

仕事の方はまあまあ順調。今でこそ大変厳しいノルマが課されていると聞きますが、当時はかなり楽でした笑。

割と普通にやって、普通にノルマ達成していました。

月に2,3回程度は夜遅くなることがありましたが、基本的に残業もほとんどなし。

そして仕事自体結構おもしろい。主に金融支援業務を中心として、中小企業経営全般にわたりアドバイスをしたりします。

ここで中小企業経営者とお話しし、企業の実態に触れることができたのは、後の会計士業務に大いに役立ちました。

そして。月に1~2回の「若手経営者勉強会」および夜の飲み会、さらにその流れで行く「夜のお店」。しつこいですが、これが楽しくて仕方ありませんでした笑。

支店メンバーも、本当にいい人たちばかり。今でも当時のメンバーで集まって、たまに飲んでいます。

そんなこんなで、とてつもなく恵まれた「支店ライフ」となりました。

このアドバンテージを最大限に活かすべく、支店の近くに引越ししました。

あまり近すぎてもあれなので、チャリで10分くらいのところにしました。

今思えばなんでそんな中途半端なところに、もっと近くでいいのでは、と思うのですが、当時は家賃を浮かせたいという思いが強かった。支店は駅前にあり、必然的に支店の近くだと駅近ということで家賃が上がってしまうのです。だからチャリで10分のところ。今は全く逆で、とにかく「駅近主義」なんですが。

まあいずれにしても近くに引っ越したことで、かなりの時間が浮くようになりました。

なにしろ電車に乗る時間がなくなる。18時に業務が終われば18時20分には帰宅することができる。これは朝も同様。9時半始業なので、9時まで勉強していても、余裕で間に合うのです。

これは非常に大きい。もし事情が許すのであれば、社会人受験生は是非「会社の近く」に住んでみることをお勧めします。

通勤時間も勉強できるのですが、当然ながら家、もしくは喫茶店等でやったほうがはるかによい。

会社はだいたい都心にあることが多いでしょうけど、ちょっと無理をしてでも都心に住むというのもありだと思います。家賃という問題はあるにせよ、疲労が溜まる通勤時間を省略して生まれる時間というのは本当に貴重だと思います。

しかしまあ、これもコロナ状況下、なんとも言えなくなってきましたね。コロナに関係なく在宅勤務が主流になれば、今度はむしろ郊外で広々と生活するというのがベスト、ということになるのかもしれませんが。

さて、このころ、会計士業界に関して非常に気になるニュースが流れていました。

東京CPA会計学院

まず、監査法人で人が余っているらしい、ということ。

前年、前々年と、史上最高の合格者数。

監査法人は今、新人で「溢れかえっている」らしい。聞いた話では、なんとほとんどアサインされずにひたすらEラーニングや補修所の勉強を事務所でやっている新人もいるとのこと。

これは今ではとても考えられない事態です。今はとにかく人が不足していて、新人は基本的にはどのジョブからも引く手あまたとなるのです。

この背景に、JSOX(内部統制)監査の導入がありました。

米国で起きたエンロン事件という大きな粉飾事件をきっかけに、会社の数値ばかりでなく内部統制と呼ばれる「会社の体制」も監査しなければいけないということになり、それが日本でも制度化されたのです。

要はこれまでの「財務諸表監査」のほかに、「内部統制監査」というものも必要となるため、合格者を2倍にしよう!という計画だったのです。

・・・しかしこれは会社(クライアント)からもらえる報酬も「2倍」になる、ということを前提としていますね。当然です。人員を2倍にしたところで、報酬が2倍にならないと、監査法人はコスト超過となってしまいます。

そして聞いた話では、会社からもらえる報酬は2倍どころかほとんど増えなかった、ということです。まあ会社からしてみたら、「内部統制」は確かに役立つ面もあるでしょうけど、なんだかよくわからないし、基本的には「追加コスト」ととらえるでしょう。自社でも整備のための人員を確保したりしなければいけないのに、さらに監査法人に追加報酬を払うほど、お人よしではないはずです。

この辺の大きな読み違いがあったのでは、という説がもっぱらです。

さらに、2008年に起きた「リーマンショック」。これは世界全体を揺るがす大事件となりました。

詳細は私もあまりわかっていないのですが笑(サブプライムローンとか、あのへんです)、以後、景気が急激に悪化していきます。

「JSOXバブル崩壊(というかバブルすら発生しなかった?)」、さらに「リーマンショック」という2つの大きな流れのなか、これまで大活況だった会計士受験業界も急激に雲行きが怪しくなってきました。

前回の試験後、監査法人が急に採用を絞り始め、噂では1/4の合格者が未就職状態になっている、とのこと。

その前の年とは大違い。その前の年は、ほぼ100%合格。監査法人間の人材奪い合いで、合格者はバブル期さながらの接待攻勢を受けたと聞きます笑。

なんとも極端な変化。しかし受験生はそんなことは気にしていられないのです。まずは合格すること。そういったことは合格してから考えればいい。試験範囲が膨大過ぎて、そういうスタンスでやらざるを得ないのです…。

東京CPA会計学院2021年度合格者510名、ついにトップ!すごい…

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