「大手監査法人」のいいところ!上-中年の監査法人体験記29-

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「中年の監査法人体験記」もそろそろ終盤。だんだん最近に近づいてきました。

最後の1年はコロナ以外とりたてて書くことはありません笑。全体として、まあ割と順調でした。

これまでと同様にIPO、海外案件に取り組みました。IPOはさまざまな成功・失敗案件に携わることができ、本当にいい経験になりました

海外は東南アジア、欧州も含め、様々な国のクライアント現地法人にお邪魔することができました。

個人的に好きだったのは、クライアント現地法人の「社食」で食べること笑。東南アジアの子会社は「社食」が存在することが多く、お昼にみんなで食べるのは楽しみでした。

「監査法人コンサル部門」にも短期間出向することができました。ここで一番驚いたのは、コンサルタントの「パワポ作り」の上手さ。コンサルタントの皆様、本当にパワポ作成、滅茶苦茶上手です。いつ休んでいるんだという働き方にも度肝を抜かれましたが…笑

やはり大手監査法人はフィールドが広い。望めば本当にいろいろな業務を行うことができます。

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このころになると、独立準備も本格化し「もうすぐ辞める」という意識をもって働くことが多くなり、そういう意味では無駄な経験はすまいと「集中して」仕事するようになりました。今までも決してダラダラやっていたわけではないのですが、ま、そんなもんですよね…。

このころ監査法人の振り返りもし、まあいろいろありましたが、本当に入ってよかった、と思うようになっていました。

以下、大手監査法人に入ってよかった、と思えることを記載したいと思います。

  • 会計監査の基礎が叩き込まれる
  • 世界的なネットワーク
  • 幅広い業務(次回)
  • 優秀な同僚・上司(次々回)

会計監査の基礎が叩き込まれる

私は以前、公認会計士は必ずしも会計監査をやる必要はない、と思っていました。試験合格時に事業会社にいたのもあり、そのときは監査をやるつもりはありませんでした。しかしその後、紆余曲折あって監査法人に入り、やはり監査というのは会計士業務の根幹をなすものである、と思うようにました。そして全ての合格者は監査を「なるべくなら」やっておいた方がいい、という意見に変わりました(短期か長期かはともかく)。そのあたりは別の機会に触れたいと思います。

会計監査をやるにあたり、監査法人ほどうってつけの場所はありません。当たり前ですね。「監査法人」ですから、とにかく朝から晩まで会計監査に携わることができます。

さらに、大手監査法人は海外グローバルネットワークに所属しているということもあり、様々な監査ツールが揃っています。監査に鬼のように詳しい人がたくさんいます。皆、非常によく勉強しています。社内研修も充実しています(よくわからない研修も多々ありますが笑)。このような環境下、数年在籍すれば、おそらく誰でも会計監査に関する一人前の知識を身に付けることができると思います。

公認会計士の「基礎業務」である会計監査をやるにあたり、大手監査法人ほどいい場所はないと思います。

世界的なネットワーク

大手監査法人の最大の強みがこの「世界的なネットワーク」ではないでしょうか。世界中の主要都市に必ずといっていいほど同じネットワークの拠点が存在します。望めば、かなりの確率で海外拠点に赴任することができます。私は希望しませんでしたが、同期を含む身近な人が、若い年次で何人も海外赴任していました(決して国際業務を専門とする部署ではないにもかかわらず)。もちろん海外赴任するには相応の英語力が必要となりますが、それは当たり前のこと。おそらく強く望めば、海外赴任はほとんど可能と思います(時期は希望通りにはいかないと思いますが)。次の記事もご参考まで。英語ができるといいことだらけですよ!

海外赴任しなくても、もはや海外は避けて通れません。最近の企業はグローバル化しています。小~中規模の監査クライアントも海外拠点に進出することは全く珍しくありません。日本の会計士も当然海外子会社を見据えた監査が必要となります。そのために、海外子会社を監査する海外拠点と密に連絡を取る必要があります。

海外拠点に在籍する会計士とやり取りをすることは大きな刺激になります。様々な国の監査人とやり取りし、その国の事情や会計慣行をお話しすることは本当にためになりました。中堅監査法人も海外ネットワークに所属していますが、規模や範囲の面では大手にはかなわないと想定されます。やはり海外に目を向けるのが好きな方にとっては、大手監査法人がぴったりだと思います。

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