論文試験本番ドキュメント!-新卒社会人の公認会計士試験受験記31-

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【注:最近行われた令和3年度試験の話ではありません。ちょっと前の話です】

ついに3度目の論文試験の日がやってまいりました。

本当に暑かった。8月中旬に3日間・計13時間(私は企業法が免除だったので11時間)の試験。体調管理は万全にしないといけません。

試験場は勝手知ったる出身大学。気合が入ります!

この年の論文問題は今も手元にあるので、鮮明に思い出すことができます。

初日。前日全然眠れなかった…5時間睡眠。しかも眠りが浅い。コンディション不良。

試験用紙が配られても緊張と眠気で意識が飛びそうに。しかし今は人生屈指の集中しなきゃいけないとき。瞑想。

初日午前:監査論。なぜか得意科目。

第1問 監査上の重要性、リスク評価

まあそれなり。

第2問 継続企業の前提

今見るとなかなか難しい…。監査報告書の文言を書かせる問題もあります。

とにかく書きまくりました。手ごたえはまあまあ。というか、さすがに7年勉強しているだけあって、監査論はほぼすべての論点をカバー状態。割といい感じで午後へ。

初日午後:租税法

第1問 租税理論

法人税、所得税の理論問題が計5問。2問は見たことがある。残りは判例からの出題もありかなり難しい。ほとんどの会計士受験生は、租税理論は付け焼刃だと思いますが、出題内容は本当に容赦ない。

第2問 ①法人税法計算問題(別表4作成)

会計士試験の法人税法計算問題はほとんど基本的な問題しか出ません。しかし量がかなりあり、相当素早い判断が必要となります。法人税計算だけで問題文が7ページもあり、私に言わせれば分量鬼レベル。他の問題もあるので、なんとか1時間以内に終わらせたいところ。法人税計算でいかに取れるかがカギでしょう。いつものように何だかよくわからないまま終わらせる。

第2問 ②所得税事例

不動産所得の様々な事例。ちんぷんかんぷん。関連しそうな知識を書きまくる笑。

第2問 ③消費税計算

消費税を捨てるかどうか、悩ましいところですが、私は消費税はそれなりに仕上げました。結構配点が高そうに見える上に、実務でも活かせると思ったからです(後に経理に行ったときに、しっかり勉強したことは本当に役に立ちました)。

とはいえこの年は課税標準、課税売上割合、控除対象仕入税額、対価の返還税額、納付税額の5つしか解答が無い問題。それほど差はつかなかったかもしれません。

租税法は相変わらず勉強不足ということもあり、手ごたえが全くない状態。不安なまま初日終了。

二日目。会計学デー。なんだかんだで、この日が合否を分けるというのは今も変わっていないでしょう。会計学(財務会計論・管理会計論)は実力差がモロに出て差が付きやすい科目。ちなみに最近は、計算は3~4割に抑えられ、理論の割合が急増。簿記の計算が苦手な私には本当に大きな追い風が吹いていました。

昨日はあまり眠れませんでしたが、この日は9時間快眠。最高のコンディション!

二日目午前:会計学午前(管理会計論)

第1問 ①総合原価計算

仕損ももちろんある。「溶解インゴット」といった見たこともない表現も。無心で進める。理論が多い。計算はしょっぱなからわからず笑。適当に理論を埋めて次。

第1問 ②ABC(活動基準原価計算) 

ABCキター!これは対策ばっちり…のはずが、よくみると損益分岐点分析がメイン。うむ、よくわからない。理論はまあ書けたか。問題文にリーマンショックという語句もあり時代を感じる。

第2問 ①標準原価計算・原価低減

むずい。むずすぎる。知っている理論を全て吐き出す。計算は0点でしょう。

第2問 ②投資意思決定

ありがちなキャッシュ・フローを割り引いたりするやつ。割とオーソドックス。それなりに解く。

全体的に難しい。これどうやって対策すればいいの…。租税・管理会計と昨日から手ごたえがない科目が続き、昼休み、おにぎり食べながら途方に暮れる。明太子の味がしない笑。

そして運命の午後、財務会計論へ。

東京CPA会計学院

二日目午後:会計学午後(財務会計論)

第3問 連結財務諸表(計算)と退職給付会計(理論)

連結はそりゃあ出るよね、ということである程度対策していたはずが…計算箇所12問中4,5問しか取れていないような。退職給付はまあ典型論点。

第4問 会計学理論 ストック・オプション、在外子会社連結、概念フレームワーク等

典型論点と初めて見る論点が入り混じる。本試験は予備校の答練と違って、よく考えられているなあ。在外子会社連結は実務対応報告18号の趣旨が。これは監査実務でよく使うやつ。当時はほぼ理解していなかった。感触は、う~んという感じ。とりあえず書いた。

第5問 経理部の会話を通した総合問題。減損、事業分離、資産除去債務、退職給付、企業結合

第4問までですでに疲弊。最後のヤマ、経理部の会話問題。全然わからない。こんな総合的な会話している経理部あるのか。「?」を連発しながらも、何とか埋める。問題文の会話の最後に担当常務が「心せよ 数字はうそを 言わぬもの」と格言を言って会議を締めている笑。唐突感半端ない。きっと試験委員の人の座右の銘なのでしょう。

終わったときの感触は「これはヤバい!!!」去年よりできた感触がしない。全然答練と違う笑。

まさに呆然自失。

にもかかわらず、この日もよく寝ることができました。

3日目。監査はまあいいとして、租税→管理会計→財務会計と手ごたえがまったくない科目が続き、正直、これはきつい、と思い始めました。しかし何とか最後までやり抜こうと思い、気力を振り絞ります。

午前の企業法は科目免除。これは大きかった。午前中、経営学の最後の追い込みをかけます。経営学の理論ははっきりいってよくわからない。カギはファイナンス。そしてファイナンスはかなり得意になっていました。さすが7年目のベテラン受験生。

3日目午後:経営学 

第1問① マーケティング・ブランドとか

第1問② 組織風土

第1問は理論。個人的にこの経営学理論編、試験に不要なのでは?と思っています笑。これ本当に必要?「値ごろ感の基準となる価格のことを~価格と呼ぶか」とか、何を意図した出題なんだろう…

第2問①ファイナンス 共分散とかシステマティックリスクとか

第2問②財務分析

第2問③期待値とCF

ファイナンスは拍子抜けするほど典型的な問題。最後の最後でようやく「答練のような」普通の問題が出た。ということで自信を持って解答。ちなみにここ、意外と差がついたかもしれません。②財務分析(固定長期適合比率)とか当たり前すぎて、逆に疎かにしていた人もいたはず。私は会社の夏季研修で財務分析をやりまくっていて、そこはかなり記憶に新しかったのでとても幸運でした。

ということで経営学はまああっさり終わらせ、かなり時間が余りました。一番最後だけ楽だったな…

ようやく3日間の試験が終了。

解放感が半端ない!!!

同時に、試験を振り返ると、暗澹たる思いにとらわれました。

試験後の印象:

  • 監査論:まあまあ。
  • 租税法:う~ん理論は一応書いたんだけどね…。計算はまあ答練の通りいまいちかな…
  • 管理会計論:ちょ、待てヨ!難しすぎんよ。
  • 財務会計論:計算部分は苦手なので自信なし。ただ計算は全体の3割くらいしかなく、7割理論。理論は半々、という感じ。第5問の経理部の会話はいつもながら本当に自信ない。経理部長のばかー!
  • 経営学:平均以上はできたかな?

ということで租税、管理、財務がまったく手ごたえがなく、ヤバイ、ヤバすぎるという感じでした…

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