「転職」について考えよう!下-10代・20代への「提言」⑨–

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転職についての考察・第3回目です!

  • 転職のネガティブな理由を書き出す(前々回)
  • 最低3年必要?→期間ではなく「職務経歴書に書けるかどうか」(前々回)
  • 転職のための仕事への取り組み方→すべての業務において自分なりの理論・結論を持つ(前回)
  • 今いる会社を含めて、自分の実力(前回)
  • 多少の後退もあり。大きな流れで自分の理想に沿っているかを意識
  • 「楽なほう」への転職について

多少の後退もあり。大きな流れで自分の理想に沿っているかを意識

転職というと、「自分のやりたいことに一直線!」というイメージもありますが、個人的にはわりとフラフラした転職もあり、と考えています。というか私自身がかなりフラフラしていました。

自分のやりたいことの「大枠」にさえハマっていれば、だいたいOKと考えています。

私の例で言うと、転職時は、なんとなく「会計」という枠組みのプロになりたいと思っていました。そして最初「税理士法人」に転職しました。

ここは結局すぐ辞めることになるのですが笑、それでもここで得た経験は非常に大きかったです。

次に行った監査法人、それから独立後にどれだけ税務の経験が役に立ったかわかりません。そもそも会計と税務は、大枠で考えると同じと言えば同じですしね。

この短期離職は当時、時間を無駄にしたように思いましたが、今となっては全くそんなことは思っておらず、むしろ税理士法人に転職してよかったと考えています。

大枠では同じなので、間違いなく自分の芸を増やす経験になっているのです。

多少の後退に見えたとしても、自分のやりたいことの大枠の範囲であれば、その業務はいずれ役に立つときが来ると考えていいと思います。若いときは特に。

そのためにも前回の記事で書いたように、どんな業務であれ自分なりの理論・結論を持てるように仕事をすることが大事だと思います。仮に短期で離職したとしても、仕事に対して自分なりの理論・結論があれば、少なくともやったことに関しては長く記憶にとどまることになります。

自分がやったこと、経験したことをロジックと共に覚えておく、ということが、芸を広げるうえで非常に大事です。

そもそも、生きている限り、社会人生活というのは非常に長いです。本当にこの先何があるかわかりません。

仮に今の会社がとても気に入っていて長く勤めるつもりだったとしても、ある日いきなり他の会社に買収され、環境が激変してしまうこともあるでしょう。

所属する組織が大きければ大きいほど、自分の組織に対する影響力は相対的に小さくなり、環境変化に対して自分ができることは限られてきます。

そういう意味では、完全なる安住の地はない、と思っていたほうがよさそうです。

そのためにも若い世代に私がお勧めするのは「人生todo」をエクセルで作り、自分の興味あること、やりたいことを書き出し、何歳までに何を実現する、と記載してみることです。

参考記事:独立した直後に思う、独立に必要な準備1-私の独立論③-

これは結構しっかり考えたほうがいいかもしれません。

話はそれましたが、これをやっておくことで自分のやりたいことの「大枠」もおのずと決まってくるでしょう。

「楽なほう」への転職について

今の仕事があまりにもきついので、楽と思えるところに転職する。これは、もちろん否定できませんが、個人的にはちょっと考えものだと思っています。

実は私が最初に勤務した会社は「働きやすい会社」と呼ばれることも多く、そういった目的で転職してきている人たちが多かったのは否めません。

もちろん働きやすさを求めて転職するのは全く問題ないと思いますが、本当にその会社の業務をやりたいのか、と言われると、どうもそうは見えない人が多かったのが正直なところです。

いわゆる「激務系」業界から転職してきた方々を見ていると、そんなに輝いているようには見えませんでした。

もちろん前の会社の知見を活かして頑張っている人もいましたが、全体的な印象としては、どうも羽を休めに来ているように見え、そしてそのまま埋没しているようでした。

「楽かどうか」で判断して、転職してきたようにも思えました。

転職というのは「楽かどうか」よりも「自分のやりたいことがあるかどうか」を判断基準にした方が、はるかに良いと思います。

「楽かどうか」が判断基準になっていると、組織改善や改革になかなかシフトできません。本来転職者にはそういう知見を期待したいのですが、そもそも楽をするために来ている人たちはなかなかそういう方向に向くことができません。なぜならそれは楽ではないから。

だいたい組織というのはいつまでも楽であることなどないのです。少子高齢化が進行し、全ての業界で今後間違いなく人手不足になるのは目に見えています。

そんな時代にあって「楽か否か」のみで判断してしまうと、人材価値は大きく落ちてしまいます。

働きやすさを求めるのはもちろん当たり前のこと。しかしそれと同時に「自分のやりたいこと」も明確にしておくべきでしょう。

転職まとめ

  • 転職のネガティブな理由を書き出し、現状一番許せないものは何か考える。
  • 「職務経歴書に書けるかどうか」を意識する
  • 自分の業務について自分なりの理論・結論を持つ
  • 今の会社が自分の実力。不満があるのであれば実力をつけて変えるのみ
  • 人生todoとキャリアの「大枠」を考えておく
  • 判断基準は「楽な仕事」ではなく「やりたいこと」

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