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私は英語学習を「本格的に」始めて、だいたい15年くらいになります。
主に社会人になってから始めました。
そして今、もちろんまだまだ向上の余地はありますが、工夫を重ねることで、海外駐在等未経験にしてはかなり英語ができるようになってきたと感じています。
その過程で、英語について、これまで常識と思っていたことが、実際はそうでもないと感じることが多くなってきましたので、そのあたりを考えていきたいと思います。
- 常識① 日本人は英語が苦手?
- 常識② 英語は日本語で理解すればOK?
- 常識③ 日常会話は簡単、ビジネス英語は難しい?(次回)
- 常識④ 英語ができるようになるには留学が必要?(次回)
- 常識⑤ 英語ができるだけで仕事に困らない?(次回)
常識:日本人は英語が苦手?
ある本によると、人口1億人程度ある国は英語を使わずとも自国だけでなんでも回せるため、自国語だけしか話せない傾向があるそうです。
20年近く前、私が大学生の頃から「これからは英語が絶対必要!!」と叫ばれていましたが、私自身を振り返っても、周りを見ても、今の日本において生活のために英語を使う必要はほぼなさそうです(私は仕事で英語が必要でしたが、それは「自ら志願した」という側面が強い)。
そしてこれは今後も続くと思います。つまり、大半の日本人にとって、英語は生活に直結するほど必要に迫られるものではない状態が、今後もしばらく続くでしょう。
ちなみに東南アジアに行くと、TOEIC900以上と思われる人たちがゴロゴロいます。それは英語が生活に直結しているからだと思います。
逆に言うと、「日本人は英語が苦手」という言い方は正しくなくて、「日本人は(英語の必要がないため)英語に本気になっていないだけ」というのが本当のところだと思います。現に国内に居ながらにして恐ろしく英語ができる人も少なからずいます。それは単に猛勉強したから。
たまに「言語センスがない」と言っている人がいますが、私に言わせれば英語にセンスもへったくれもありません笑。英語ができない人というのは平たく言うと単語を覚えていないし文法を覚えていない。もっと平たく言うと勉強していないから、です!センスは関係ないですね。
- 苦手だと言うよりも、必要性が無いから本気になっていないだけ。要は伸びしろだらけ!
常識:英語は日本語で理解すればOK?
日本人の多くが英語を話せない理由が、ここにあると考えています。
学校教育・受験では「日本語で理解できればOK」の考え方が幅を利かせています。
授業で行われる長文読解・リスニング…全て、日本語で理解して意味を答えさせるものばかり。少なくとも私が受けた教育はそうでしたし、今もそれほど変わっていないと聞きます。英語で答えさせるものもあるにはありますが、せいぜい文法的な穴埋め問題くらい。
この学校教育の記憶に引きずられ、私も当初リスニングや長文に取り組む際、日本語で理解して学習を終えていました。
しかしそれだといつまでたっても話せるようにならないのです。どんなに良質な教材を繰り返し聞いても、英会話で英語が出てくるようにはならない。海外出張などで痛感しました。参考記事 TOEIC高得点で調子こいて海外出張に行って大失敗した話
それで、これまでの英語学習に限界を感じ、「日本語で意味を理解してOK」とする考え方を改め、「素早く英語に転換出来てOK」にシフトしました。
例えばリスニングの教材なども、今までは聞いて、意味が分かるようになって、その教材を「卒業」していましたが、和訳を見て、それを一文ずつ「素早く英語に転換」できるようになるのを教材の「卒業要件」とすることにしました。
このスピード英訳を半年ほど続け(最初はちょっとしんどいですが)、ようやく海外出張で会話に困らないと感じるようになりました。参考記事 英訳アウトプット練習とは? -社会人のビジネス英語勉強法9 英訳アウトプット練習1-
ここで大事なのが、「ゆっくり英訳できる」ではまだ不十分と言うことです。
「素早く」(1文3秒以内)英訳できるようになることが大事です。素早くできるようになるまで何度も教材を繰り返す必要があります。
ちなみに「ゆっくり英訳できればOK」という考え方も実は受験時代の記憶でしょうね。大学入試には確かに英作文がありますが、やたら時間をかけて、かなりトリッキーと思われる文章を作文することが求められる傾向にあると思います。「ゆっくり」英訳は、英会話力向上にはあまり意味がないと思います。会話はやはりそれなりのスピードが大事ですから。
- 日本語で理解だけでは不十分!日々の学習スタンスをスピード英訳スタイルにする!
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