私は社会人新人の頃から公認会計士の試験勉強を始め、7年の受験期間を経て、合格することができました。公認会計士になれたことは本当に大きなターニングポイントでした。人生における選択肢が非常に多くなりいいことばかり。悪い点は何もなかったと断言できます。
働きながら結果を出した、ということは人生における非常に大きな自信につながりました。
もちろん資格自体、取得することにメリットしかないのですが(デメリットとしては協会登録費用くらい?)、私が得たもっとも大きなものは、この「働きながら結果を出した」「自分の方法は間違っていなかった」という自信です。
さて、このブログでは、学習当時の日記や教材を基に、「新卒社会人の公認会計士受験記」にて、当時行った勉強方法、また心境などを掘り起こしていきました。
長かった「新卒社会人の公認会計士合格体験記」を書いたのも、実はこの「社会人が公認会計士試験に合格するために必要なこと」という記事を書くためでした。
最初に言っておきますが、働きながら公認会計士試験に合格するということは、簡単ではありません。また「絶対に」合格するメソッドもありません。試験というのは勉強すれば合格するものではないですよね。勉強すれば必ず合格するものであれば、それは試験ですらありません。
ましてや国家資格の中で難関とされる公認会計士試験です。簡単なはずがありません。
しかし、可能な限り集中し、効率よく学習を行うことで、働きながらでも、誰でも間違いなく「合格レベル」に達することはできます。
「合格レベル」に達したら、あとはひたすら合格の可能性を上げていくのみです。
「合格レベル」に達するために、何が必要でしょうか。
平たく言えば勉強すればいいのです笑。
ただし、勉強すればいいと言っても、社会人はそう簡単には行きませんよね。
時間に制約がある中での勉強となりますので、工夫が必要です。
社会人は特に疲労との戦いもあります。モチベーション管理も大事です。
勉強そのもののテクニックに加え、メンタル面・体力面の自己管理。これも極めて重要になります。
私は現在、ある資格試験予備校をお手伝いしており、最近の試験傾向も熟知しています。
よって、記事の内容に関しては大いに信頼していただいて大丈夫だと思います!
本来実名で記事を書くべきなのですが、ブログでは新卒で勤務した会社のことや監査法人在籍時の話を書いていることもあり、万が一でも知人に迷惑がかかるのは避けたいので、匿名とさせていただく点ご了承いただければと思います。
また、「効率よく勉強すべき」ということは本来どの受験生にも同じであるはず。働いていようが専念だろうが。よって、専念受験生の方にも是非見てほしいと思っています。
内容は以下を扱う予定です。
- はじめに 公認会計士になってよかったこと一覧
- 勉強法編
- 勉強期間の目安:短期か長期か…もちろん短期が理想
- 予備校選び…どの予備校も大体同じ
- フェーズごとの勉強法
- 基礎期
- 応用期
- 直前期
- 私立大学受験ではなく国立大学受験をイメージ!とにかく穴となる科目を無くす
- 「答練」の使い方
- 「基礎テキスト・問題集」が全てといっても過言ではない
- 一生モノのテキストの読み方
- 科目ごとの攻略方法 計算編・理論編
- まずは「短答」絶対合格!
- 社会人が「5→8」を狙うには
- 「論文試験」攻略法
- 「科目別」攻略法
- メンタル編
- 何よりも必要なのは強い意志。といっても特別なことではない
- 日頃の学習は淡々と
- 学習計画はよく考え、臨機応変に更新
- 超簡単な「進捗管理」を行う
- 最低学習時間の設定-15分推奨-
- 「勉強した気」になってはいけない
- キーワードは精読・速読・超効率
はじめに 公認会計士になってよかったこと一覧
さて、まずは勉強のモチベーションをあげることが大事です。
資格試験というのは、合格して「いいこと」がたくさんあるから勉強するのです。
もちろん知的好奇心が充たされるという面もありますが、それよりも合格した後の「見返り」の方が大事。知的好奇心だけなら、別に個人的に興味ある分野を勉強すればよく、試験を受ける必要はありませんよね。
私が働きながら公認会計士になって、よかったと思うことを挙げてみます。
自分はやれるという自信を得たこと
どのようなことであれ、難題に挑み、それを克服することは大きな自信につながるものです。私は以前から天邪鬼で、他人の言う通りにするのが大嫌いでした笑。一方で勉学やスポーツにおいて何か大きな物事を成し遂げたこともないため、何か大きなチャレンジをして、それを成し遂げ、「自分のやり方は間違っていない」という自信を得たい思いがありました。働きながら公認会計士試験に合格したことによって、後の人生にポジティブな影響を及ぼす大きな自信を得ることが出来ました。
自由を手に入れたこと
公認会計士というのは「独立した立場」というのが重要で、監査をする場合はどの会社の指揮下にも入ってはならず、会社に忖度なく意見を表明することが必要となります。これは結果的に、誰にも仕事方法や内容について強制されないという「自由」を手に入れることにつながります。もちろん完全にやりたい放題というわけにはいきませんが笑、それでも会社勤務時代と比べて自由になったと感じることが非常に多いです。自由を愛する私にはうってつけの職業です。言うまでもなく責任も伴いますが。
収入が増加したこと
この話題も避けて通るつもりはありません。監査法人の初任給は残業込みで600万円、マネージャーになれば(20代でも)1000万円前後になります。これくらいの収入は誰でも基本的に実現可能と思ってよいでしょう。とはいえそんな水準で満足してはいけません。パートナーになれば〇千万円、独立すればそれこそ青天井です。夢はでっかく持ちましょう!
他人に自分の能力を説明するのが手っ取り早くなったこと
名刺に「公認会計士」と書いてあるだけで、ほぼ全ての人は「この人は財務会計のプロだ」と認識してくれます。これは本当にありがたいこと。私は会社員時代、短答試験に合格し金融業務経験を積んでそれなりに会計に詳しくなっていたにもかかわらず、名刺に何も書いていなかったので(論文試験に合格していないので当たり前ですが)、初めて会う人に「ド素人」風に見られて、とても歯がゆかったのを覚えています笑。合格後、知識的には合格前とそれほど違いはないにもかかわらず、資格名が名刺に書いてあるだけでこれほど説明が楽になるのか、と感動しました。
たくさんの経験を積むことが出来たこと
資格取得後、これまで経理、税務、監査、コンサルを経験することが出来ました。いずれも専門知識が問われる分野であり、知識が無ければ手を出すことが出来ない分野です。これらに携わり、様々な経験を自分のものとすることが出来たのは大きな財産となっています。
仕事の幅が大きく広がったこと
上と重複しますが、会社員時代には考えられないようなM&A案件をはじめ、有名な私立高校の監査をしたり、有名テーマパークの裏側を見たりといった面白い案件に携わることが出来ました。また出張で海外10か国以上に行くことが出来ました。これも本当にいい経験でした。
独立できたこと
個人的にはこれが一番大きいです。公認会計士に関していうと、独立と言っても仕事をゼロからクリエイトする必要はなく、すでに世の中にある形式に乗っかるだけ。税務や監査は今後も「無くなる」ということはありません(もちろん今後のAI・RPA化により業務方法を見直す必要性は大いにあります)。DD(デューディリジェンス)にいたってはM&Aの増加につれ増える一方です。独立してもすぐ仕事ができるというのは大きく、リスクは一般的な創業に比べて限りなく低いでしょう。また工夫次第でいろいろな業務をクリエイトすることもできます。
可能性は無限大
公認会計士のニーズは、思っていた以上に高いです。例えば今後AIが色々な判断をするようになるとAIがいったいなぜその判断をしたのか誰もわからなくなってしまうため、「AI監査」が必要になると言われています。とにかく次から次にやることが出てきます。他の士業はどうかわかりませんが、公認会計士は「会社活動」と切っても切り離せないため、経済活動が拡大するにつれてどんどん新しい業務が増える印象。その意味で、これほど可能性が広がる資格はないと思っています。
勉強に行き詰ったら、これを読み返してモチベーションを上げていきましょう!