前の記事 英語学習の常識と非常識①
英語学習の「常識と非常識」の続きです!
- 常識① 日本人は英語が苦手?(前回)
- 常識② 英語は日本語で理解すればOK?(前回)
- 常識③ 日常会話は簡単、ビジネス英語は難しい?
- 常識④ 英語ができるようになるには留学が必要?
- 常識⑤ 英語ができるだけで仕事に困らない?
常識③ 日常会話は簡単、ビジネス英語は難しい?
よく「日常会話くらいは話せるようになりたい」ということを聞きます。私も以前そう言っていました。
日常会話=簡単、ビジネス英語=難解、という想定があると思います。日本語で考えてみても、いろいろなビジネスのときはいろいろなことに気を遣わなければいけませんから、言葉遣い等、自然と難しく感じるものです。
しかししかし。今私は、逆だと考えています。
ビジネス英語の方が圧倒的に簡単。日常会話の方がはるかに難しい。
より正確な言い方をすると、ビジネス英語は会話・文章とも「何とか通じるレベル」に持っていくことは比較的容易。
しかし、「日常会話」を「通じるレベル」に持っていくことは極めて困難。
ここで言っている「日常会話」とは、完璧ではなくとも、不自由なく海外で日常生活を送ることができるレベルを指します。
まずビジネス英語ですが、難しいのは最初だけです。つまり、
・自分のビジネスに関係する用語を片っ端から英語で覚える
・ビジネスに必要な表現を覚える
このあたりは確かに時間がかかります。しかしこれは比較的短時間でできます。私の感覚では半年くらい。
そもそも、ビジネスというのは、お互いに共通理解があるものです。基本的なシチュエーションでは、双方、同じ目的を持っていると言ってもいい。
これが非常に大きいです。つまり不完全な英語を話したとしてもわかってもらえる可能性が高い(もちろん不完全なままでいいわけではありませんが)。
一方「日常会話」。これはとてつもなく広いです。しかもお互いに共通理解が無いことの方が多いです。
「日常会話」を極めるのは、すなわちネイティブになることと言ってもいいくらいだと思います。
日常会話にはとにかく知らないイディオム、単語が山のようにあります。
これを実感するにはNetflix等で、「英語字幕」でドラマを見てみるのがいいでしょう。ドラマは日常会話シーンが非常に多いですが、6歳児が話しているイディオムが普通にわからなかったりします笑。
- 日常会話を極めるのは至難の業。まずは「ビジネスで通じるレベル」を目指したほうがはるかに英語の上達が早い!
常識④ 英語ができるようになるには留学が必要?
初学者に関していうと、留学は不要だと思います。
英語は国内にいるだけでも十分に習得可能です。最近は特にオンライン英会話教室の存在が大きいですね。
初学者が海外に行ったとして、英語が理解できないと雑音にしか聞こえないのですから、ほとんど効果が無いと思います。
それよりは国内で自分のレベルに合わせて文法を覚え、リスニング練習や英訳アウトプット練習をすることがはるかによい。
初学者は国内で鍛えたほうが効率的だと思います。初学者のまま留学してもコスパが悪いです。
行くとしたら、TOEIC860超えたくらいで行ったほうが効果的でしょう。そのあたりまで来ると、文法や基本単語等に問題はなく、あとはリスニングスピーキング問わず英語に対する圧倒的な「慣れ」が必要なだけ。海外にいることでネイティブ独特のスピードに慣れることもでき、レベルアップが期待できます。
まあ、留学の一番のメリットは語学そのものよりも、なじみのある環境から飛び出して知らない土地でする苦労なのでしょうね。これはとてつもなく大きな経験となるでしょう。留学は語学上達メリットよりもそちらのほうが大きいと思います。
- 留学に行くとしたら、行くまでに国内でTOEIC860を超えるくらいまで鍛えるのがコスパが良いです!
常識⑤ 英語ができるだけで仕事に困らない?
「英語だけでは全く不十分」という意見です。
まず、「英語ができる人」というのは実はものすごくたくさんいます。できない人が多いのであまり目立ちませんが、出来る人もものすごくいます笑。
私が以前勤務していた300人くらいの組織にも通訳レベルが4,5人いましたし、会計士としてよく訪問していたグローバル企業にも、とてつもなくできる人がたくさんいました。もちろん監査法人にもたくさんいました。
よって、英語だけができるという状態で労働市場に出たとしても、それほどアピールにはならないと思います。
さらには最近のグーグル翻訳等「機械翻訳」の進化です。この話をするとよく「いやいやまだ間違いだらけだ」とか「専門的な翻訳は全然ダメだ」とか否定的な話が多いです。もちろん現状ではそうかもしれない。しかし、この20年の機械翻訳の進歩は凄まじいものがあります。私が大学生の頃持っていた翻訳ソフトの出来をいまだに覚えていますが、よくこれを売ろうとしたなというひどいレベルでした笑。しかし今機械翻訳はDeep Learningという手法を取り入れ、経験値を蓄積し文脈判断も取り入れているため、ここ数年の進歩は目を見張ります。近い将来音声認識の発達とともに、会話の同時通訳も可能となるはずです。
つまり単に「英語ができる」から仕事になることはないと思います。
- 英語と自分の「専門性」を組み合わせる必要があるでしょう。それが唯一無二の価値を生みます!
次の記事 オンライン英会話は「終わった後」が大事!