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勉強期間の目安:短期か長期か…もちろん短期が理想
公認会計士になると決断したとして、ほとんどの方は「短期」で合格したいと考えるのではないかと思います。
当然ですよね。早く合格して、早く補修所に通って、早く実務経験を積み、早く「公認会計士」と名乗りたいのが普通だと思います(合格後、一般的に補修所3年、実務経験2年を経て、ようやく公認会計士登録が可能となります。過去の実務経験により短縮可能です)。
予備校では1.5年、2年といったコースが一般的ですので、まずはこれを検討すべきでしょう。
とはいえ、働きながら、1.5年や2年で、予備校のスケジュール通りストレートで合格するのは、不可能ではないもののかなり難しい、と考えたほうがいいでしょう。
ご存じの通り、公認会計士試験の科目は財務会計論、管理会計論、企業法、監査論、租税法、選択科目(特に得意科目が無い限り「経営学」が無難)です。
財務会計論の簿記だけで、かなり分厚いテキスト・問題集が10冊以上あります。これらを「ほぼ完ぺきに」仕上げる必要があります(もちろん隅から隅まで、ではないですが)。
働きながら、全科目の講義を受け、テキストや問題集を仕上げるだけで、2年かかってもおかしくありません(私はサボり気味だったのもあり3年かかりました)。
さらに、テキスト・問題集を仕上げるだけではダメで、そこから、合格レベルに上げるために全科目において「答練」をたくさん解かなければいけないのです。
イメージとしては、全科目の授業を受け、テキスト・問題集を仕上げるのに2年、さらに復習をしながら答練を解きまくり、合格レベルに持っていくのに1年。計3年。
このように進めることができれば、とても優秀な社会人受験生と言うことが言えると思います。
(もちろん「講義・テキスト・問題集」と「答練」は2年+1年というように分断されているわけではなく、同時並行可能です。説明の便宜上の話です。)
とはいえ、例は少ないながら、2年以内で合格した方もいます。
その方はフルタイムで働きながら毎日5~6時間程度勉強していたようです。
これはすさまじい精神力だと思います。
仮に9時から17時まで働いていたとして、19時くらいまで食事その他を終わらせ、その後5時間勉強する。
もしくは朝3時間、夜2時間、のように分ける。
いずれにしても、常人には不可能に思えます。さらに社会人はいつも定時で仕事が終わるわけではありませんし、仕事で精神的にきつくなり勉強どころではない、ということも普通に起こります。
よって、このようにいきなりハードルを上げるようなことはお勧めできません。
とはいえ短期間で合格するのに越したことはないのですから、自分ができるかどうか試してみるのも手です(私はできませんでしたが…)。
また最近はテレワークの浸透で、勉強時間の確保が以前とは比較にならないほど容易になりました。
通勤時間削減、無駄な業務の減少により、「勤務時間」の概念が薄らぎ始め、そのぶん間違いなく勉強時間の確保がしやすくなっています。社会人受験生には大きな追い風が吹いています。その意味では本当にいい時代になっていますね。
とりあえず自分ができることを最大限やってみる。できそうだったら2年以内の合格を目指す。
難しそうであれば、やはり3年での合格を目指す。
受験期間に関しては、こういったスタンスで取り組んでいくべきでしょう。
まとめ
- 理想はもちろん短期合格。
- 現実的には「2年で講義・テキスト・問題集をあらかた仕上げる」「+1年で復習と同時に答練を解き、合格レベルに持っていく」ということができれば、非常に優秀。
- まずは働きながらどれくらいできるか、最大限チャレンジしてみる。そしてペースをつかむ。
予備校選び…どの予備校も大体同じ
予備校に通うのはマストだと思います。特に初学者の場合、独学は極めて効率が悪いです。教材等はネットで何とか収集することも可能だと思いますが、その収集の手間がもったいない。試験範囲も毎年改訂されていくため、予備校に通って最新論点をフォローしたほうが絶対に良いです。
では一体どの予備校に通うべきでしょうか。
これに関しては「どこも大体同じ」なので、講師がよさそうだとか、家から近いとか、リーズナブルだ、とかで決めてよいと思います。
私は今ある予備校のお手伝いをしていますが、自分の予備校を勧めることもしません笑。
なぜなら、本当にどこも一緒だと思っているからです。
私は受験時、修了考査時、現在と、全てばらばらの予備校にお世話になっていますので、3校の概要を知っていますが、本当にどこも遜色有りません。
まずは自分に合いそうな予備校を選び、そこを信じて講義を全て受け、テキスト・問題集を繰り返すのが大事です。
ちなみに、管理会計論(特に原価計算)・監査論に関しては、後に触れますが、どこの予備校も最初は極めて分かりにくいと思います。
しかしそれは予備校の問題ではなく科目の特性です。予備校を変えたからと言って簡単になるわけではありません。
また、学習が進んだにもかかわらずどうしても理解できない科目があれば、その科目だけ他校に変えたりするのは有りだと思います(今は大体どの予備校も科目ごとに申し込むことができます)。直前期において、余裕があれば他校の答練を受けたりするのは全く問題ないと思います。
なお、当然ですが社会人受験生は「オンライン講義タイプ」を申し込むべきでしょう。気合を入れようとするのはわかりますが、教室に通う「通学タイプ」のみのプランにしてしまうことは無謀というほかありません。授業というのは時間がかかり極めて無駄が多いのですから、なるべく最小時間とすべき。わざわざ教室に通う必要も無いですし、通う手間がもったいないです。質問はオンラインや電話で十分でしょう。
まとめ
- 予備校はマスト
- 予備校はどこも同じ。一つのところを信じて付いていく。
- ただし他校の答練を受けたり、どうしてもわからない科目は他校の講座に変えてみるのもあり。
- オンライン講義はマスト。わざわざ予備校に通わない(でもたまには遊びに来てね♡)。