学習フェーズは3つ!「基礎期」「応用期」「直前期」2-社会人が公認会計士試験に合格するために必要なこと④-

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公認会計士試験のように学習期間が1年以上になる場合、学習フェーズは3つに分けることが可能でした。

  • 基礎期 予備校の基礎講座をとにかく全て終わらせる
  • 応用期 「基礎期の復習」+「応用答練」の2本立ての学習
  • 直前期 試験前2か月。自分が足りないところをしっかり把握し、限界までギアを上げる

今回は応用期と直前期についての考え方です。

応用期 「基礎期の復習」+「応用答練」の2本立ての学習

応用期は基礎講座を大体ひととおり終わらせてから、試験前2か月前まで、という位置づけです。

もちろん科目ごとにフェーズは異なってくるでしょう。A科目は基礎講座が終わっておらずまだ基礎期だけど、B科目は応用期、といったことはあるはずです。

この応用期、非常に大事です。

資格試験というのは、基礎テキスト+問題集を一通り終わらせたからといって、即合格レベルになるわけではありません。

この「応用期」で、基礎期で得た知識をベースに、一気に「合格レベル」まで実力を挙げていく必要があります。

会計士試験では大体どの予備校にも存在する「応用答練」が該当するでしょう。

この応用答練の難易度は、一般的に本試験レベルよりもほんの少し易しめに設定されています。とはいえ、基礎を終えたばかりの人にとっては非常に難しいレベルと言えます。

この応用答練を頑張って解き、しっかり解答を理解し、基礎テキストに戻ってリファーを付す、ということが必要になってきます。

ちなみに前回触れた通り、ここでも答練は「ちょっと問題を見て考える」+「解答写経」+「テキストにリファー」で問題ありません。社会人は時間が無いので無駄に考えている余裕はなく、とにかく早く、何度も回すことが大事です。

おそらく復習が不完全なままで難易度の高い試験を受けるので、テストとして受けても、ほとんど点にならないと思います。そこで落ち込みモチベが下がるより、答練をとにかく回していく。

2回目以降はテストのように普通に解いてもいいと思います。私は2回目もちょっと考え解答確認、3回目でようやくテストとして受けていました。

さらに大事なのが、この応用答練を解きながら、基礎期の復習もしっかりすることです。

この応用期こそ、基礎テキスト・答練を本格的に復習するときなのです。応用的な内容ばかりに手を出していても、実力はつきません。

答練というのは文字通り答案作成の練習であって、そればかりやっていても、その問題は解けるようになるかもしれませんが、あくまでもそれだけです。応用的な問題を解きながら、基礎テキストも同時並行で復習することで、非常に大きな学習効果を得ることが出来ます

また基礎を一通り終わらせ、全体感をつかんだ後に基礎の復習をすることで、強弱がわかるようになります。

すなわちこの応用期が、基礎を復習する時期として最適なのです。

「応用答練」と「基礎復習」の2本立てで、しかもテストは非常に難しく、かなりきつい時期だと思います。一方で応用的な問題をこなしているうちに「プロに近づく」実感も湧く、楽しい時期だと思います。

東京CPA会計学院

直前期 試験前2か月。自分が足りないところをしっかり把握し、限界までギアを上げる

試験前2か月は直前期。まもなく試験ということで緊張感が高まる時期です。

この緊張感を利用して、自分がやれる最大限まで頑張る時期です。

人というのは年中通して緊張感を持って集中力を発揮できるものではありません。

できてせいぜい2か月だと思っています。

よって試験前の2か月は、多少無理をしてでも、燃え尽きるまで勉強すべきでしょう。

この直前期に関しては、本番まで何をすべきか把握し、計画は1日ごとに立て、毎日進捗を管理したほうがいいでしょう。

これまで積み重ねたものが大きれば大きいほど、直前期の緊張感は増すと思います。私も3度目の論文試験直前期は、ここで落ちると三振になってしまうという恐怖から、毎日の緊張感が途轍もなかったのを思い出します。

緊張感のある毎日など嫌かもしれませんが笑、こればかりは仕方ありません。むしろその緊張感を逆手にとって、実力を飛躍させるための道具とすべきでしょう。

本当にこの緊張感、違う言い方をすれば締め切り効果で、実力は飛躍的に伸びます。

短答試験だったとしたら、仮に試験1か月前に短答答練が55%くらいしか取れていなくても、その後の1か月で急激に伸び、本番は余裕で合格することすらあります。

是非この直前期を有効活用していただければと思います。

直前期に何をやるかに関していうと、人によって全く違います。大切なのはとにかく穴となっている全てを潰すことです。後に触れますが公認会計士試験は私立大学受験ではなく国立大学受験。一芸に秀でる必要はなく、まずは全科目「負けないレベル(短答であれば管理会計55%以上管理会計以外60%以上、論文であれば全科目偏差値50以上レベル)」まで持っていくことが大事です。

基礎期まとめ

  • とにかく先に進む。基礎講座を全部終わらせる
  • 基礎答練はちょっと考え、答えを見て、理解し、書き写し、基礎テキストにリファーする
  • 定期的に総復習する日を設ける

応用期まとめ

  • 「応用答練」と「基礎復習」の2本立て
  • 「応用的な問題」ばかり解いていても実力は伸びない。この時期こそ「基礎復習」に本格的に取り組む

直前期まとめ

  • 「緊張感」「締め切り効果」を利用して、「燃え尽きるほど」勉強する
  • 「燃え尽きるほど」の勉強は、働きながらだと、せいぜい1年のうち2か月くらいしかできない。よって燃え尽きるのはこの時期しかない

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