前の記事 大学の問題。その先生、現実を知っているか?-10代・20代への「提言」⑩–
2022年1月、大学共通テストの試験場(東大)で、高校生が刃物で受験生を襲撃するというとんでもない事件が起きました。
聞けば襲撃した生徒は進学校在籍で、希望するレベルの大学進学が難しそうだと言うことを告げられ絶望したとのこと。どこまでが本当なのかはわかりませんが、わざわざ東大の受験会場まで来ていることから、学業面で何らかの挫折・コンプレックスがあったという推測はできます。
自分がちょっとくらい挫折したからといって他人に八つ当たりするなど言語道断、到底許されることではないですが、一方で勉強しか取り柄がないにもかかわらず勉強が出来ず、希望通りの進路に行けないという事実に絶望してしまう気持ちはわかります。
私自身も大してスポーツ・芸術等何か取り立てて取り得があるわけでなく、大した特技もない学生でした。かといって勉強が好きかと言ったら英語以外はそうでもない。しかし他にとりえもないため受験前は勉強を頑張りました。
しかし高校・大学ともに第一志望は不合格。どちらも私立になりました(すまんかった、親)。
このときは学校という狭い世界にいたため、社会が見えず、学校のランクで自分の立ち位置を判断してしまうという浅はかな判断基準にとらわれていたと思います。平たく言えば国立大に負い目を感じたり、一方でそこそこ有名な私立大にいるんだというプライドがあったり。
一言で言えば実にくだらない笑。
まず高校・大学受験ですが、失敗しても全く問題ないと思います。
高校受験は失敗しても2次募集があったりで、だいたいどこか入れるようになっています。「高校に行けない」などということは、学校を選ばなければまずないでしょう。私は学校法人の監査をしていますが、私立高校は定員割れも珍しくありません。
大学受験に関しては、費用の面、やりたいこととか、いろいろ考えることがあるでしょうが、18歳といえばもう大人だし、何度でも受験できるわけだし、アルバイトでもなんでもしながら行きたいところをしぶとく受け続ければいいのだと思います。
で、高校・大学受験に関していうと、「同世代間のハンデ戦」みたいなものです。
私立大文系だと国語・英語・社会。これがいかにできるかを18歳~20歳くらいで争っているわけです。国立だとこれに数学・理科が加わる。
受験というのは、とてつもなく特殊な戦いでしょう。これらの科目が出来ることが大事ではないとは言いませんが、出来たから何?という程度。そのような知識は後からいくらでも補充できます。
私は、この受験に失敗したからと言って、後の人生に悪い影響があるとは全く思っていません。
大学と言っても私立であれば「18歳くらいの時点で、同世代と比べて国語・英語・社会がどれくらいできたか」を表しているだけ。そんなものは後からいくらでも挽回できます。
このような特殊な状況での試験の結果など、気にする必要が無いのです。
大体、どんな学校(大学)へ行こうと、所詮は日本の横並びの教育機関。取り立てて違いがあるとも思えません。私はそれなりに有名な私立大学に行きましたが、前回の記事の通り、授業は絶望的にひどいものでした。
それよりも大事なのは、次の2点でしょう。
- 入った環境に染まらない。周りがサボっているから自分もサボるなど主体性が無さ過ぎる
- 勉強は学生だろうが社会人だろうが正しく継続する。自分の経験と組み合わせる。それがオリジナリティとなり、誰にも負けない知識となる
この意識を持っていれば、受験の結果など本当にどうでもいいと気づくことができます。
今回のニュースで思ったのは、受験世代は「ここで失敗すると、今後ずっと上のランクの学校に行った人たちに勝てない」という思い込みがあるのではないか、ということ。
確かに日本はまだまだ学歴社会だし、そういう側面もあるでしょう。とはいえ最近は以前ほど学歴が重視されているとは思いません。
そんなものは後からいくらでもひっくり返すことが出来ます。それはやはり「勉強は正しく継続する。自分の経験と組み合わせる。それがオリジナリティとなり、誰にも負けない知識となる」ことをしっかり理解しているかどうか、につきます。
一番ダメなのは受験失敗後、勝手に自分はダメだと烙印を押し、何もしないことです。
受験というのは上記の通りあくまで同世代間の特殊な争いであって、そんなものは「勉強は正しく継続する。自分の経験と組み合わせる」ことでいくらでも挽回可能だ、ということを理解する必要があります。教師もこれをしっかり教えてほしいですね!
まとめ
- 受験は失敗してもいい。
- 上の学校に行った生徒に今後ずっと勝てないわけではない。受験というのはあくまでも18歳時点の特殊なハンデ戦。
- 「勉強は正しく継続する。自分の経験と組み合わせる。それがオリジナリティとなり、誰にも負けない知識となる」ことを理解する