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人間というのは誰しも得意科目・不得意科目というのはあります。
学生の頃を思い出すと、私は理科が大嫌いでした。嫌いというより興味が無かった。そして数学も苦手でした。
一応国立大学・私立大学をそれぞれ受験したのですが、理数系の穴が響き、私立大学に進学することになりました。
大学受験ではこのように穴があっても、私立大学には何とか入れますが、資格試験ではそうはいきません。
公認会計士試験では、「穴」となっている科目を無くすこと。これが最初の目標です。
苦手なことに取り組むというのは結構辛いですが、まあ全科目それなりに面白いでしょうから笑、頑張ってほしいです。
科目ごとの学習法は後に触れるとして、ここでは「穴を無くす」ということについて考えていきたいと思います。
- 財務会計論・管理会計論…もちろん最重要!
- 監査論・企業法…学習を継続していれば、穴にはならないはず
- 租税法も穴にしてはダメ。経営学はファイナンスを頑張る!
財務会計論・管理会計論…もちろん最重要!
財務会計論・管理会計論は「負けないレベル」まで実力を何としても引き上げる必要があります。
「負けないレベル」とは、短答答練で60%程度、論文答練で偏差値50前後を安定的に取ることでしょう。
財務会計論・管理会計論は、出来る人と出来ない人の差が大きくなります。そしてこの2科目は試験の中核ですので皆とても興味があり(会計士受験生で会計学に興味がない人はいないでしょう)、皆大いに勉強しますので、レベルの高い戦いとなります。
この2科目が平均レベルで出来ない人は、合格者平均集団に大きく水をあけられてしまう結果となり、他の科目で挽回する必要が出てきます。しかしこの2科目は論文試験でいえば300点も配点があり、論文試験トータル700点の40%以上を占めます。この2科目が苦手な場合は他の科目を相当に頑張らなければいけません。そしてそれはかなり難しい戦いとなります。
当然ながらこの2科目に関しては、「短答答練で60%程度、論文答練で偏差値50前後を安定的に取ること」を必達目標とすべきでしょう。
監査論・企業法…学習を継続していれば、穴にはならないはず
この2科目は短答では得意科目にしてほしいです。
もちろん最初は難しいですが、学習を続けていけば、いつか範囲を終えることが出来ます。
この2科目は理論科目ですので、計算手順を覚える必要がありません。学習を継続し、短答答練を解いていると、いつか必ず「一通り終えた」といえる段階がやってきます。
その段階までくれば、学習を続けていれば実力が落ちることはありません。
逆に短答答練が全然取れないのであれば、単純に学習量が足りないと思ったほうが良いでしょう。
この2科目が「穴になる」ということもなるべく避けてほしい。好き嫌いはともかく、続けていれば必ずできるようになるはずの科目ですから。回によって難易度は変わりますが、短答試験では少なくとも7割以上をマストとする目標を立ててほしいです。
論文試験を負けないレベルにする方法は後に触れます!
租税法も穴にしてはダメ。経営学はファイナンスを頑張る!
租税法は非常に穴になりやすいと思います。法人税法、消費税法、所得税法を中心に出題されますので範囲は膨大ですし、短答試験には出ませんのでどうしても後回しになりがち。
しかし、租税法が穴になるのも避けたいです。
なぜなら、問題レベルは極めて標準的なものだから。
特に法人税は、テキストレベルの例題をマスターしていれば、確実に平均以上が取れます。とはいえ範囲が膨大なのでテキストレベルをマスターするのが大変なのですが…
さらに所得税や消費税も学習方法が難しく、どこまでやるべきかという問題もあります。
後に触れますが所得税・税消費税も捨てずにある程度取り組んでほしいと思います。
租税法は、個人的には公認会計士の知識の中でも非常に重要と思っています。「税」がわからない会計士はもはや厳しい時代です。
よって今後のためにも、会計学と同様の意気込みで、穴にすることなく取り組んでほしいです。
ちなみに私は論文試験に2回落ちたのですが、苦手な管理会計のほか、租税法も穴だったのが大きな理由でした。そこで3度目の勉強は租税法のテキストレベルの例題を何度も何度も繰り返し、ようやく本番で偏差値50程度を取ることが出来ました。
さて、選択科目は経営学しかコメントできませんが、経営学の「ファイナンス」は穴にすることなくしっかり勉強してほしいです。
人によると思いますがファイナンスはとても面白い分野ですし、ここの考え方は将来株価評価・企業価値算定等の実務にも大いに役立ちます。
会社の価値を数字で表すって、なんだか面白いと思いませんか?
ちょっと話はそれますが、今私は企業価値評価の仕事もしています。DCF法以外にも財産評価にはいろいろな手法があり、非上場企業の場合は「財産評価基本通達」による方法なんてのもあり、面白い分野です。
是非今後のためにもファイナンスの知識はしっかり身に付けて、穴にしないようにしたいところです。
一方で経営学理論編。これは最低限の取り組みでいいと思います。何しろ何が出るかわからないし、学習効率が極めて悪い。
予備校テキスト・答練を一通り解く、くらいの取り組みで十分でしょう。
いずれにしても、「穴」を無くすこと。苦手科目を作らないこと。これが大事です!
まとめ
- 科目の穴を無くすのが大前提。苦手科目を作らない
- 財務会計論・管理会計論は「苦手」だと大きなハンデとなる。絶対に「得意」に!
- 企業法・監査論は学習を継続しさえすれば「苦手」にはならないはず。
- 租税法は今後の実務のためにも重要。絶対に穴にしない
- 経営学はファイナンスをしっかり頑張る。理論はそこそこで