「答練」の使い方!1-計算科目編-社会人が公認会計士試験に合格するために必要なこと⑥-

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公認会計士試験に限らず、資格試験予備校では「答練」と呼ばれる確認テストを必ず用意しています。

答練は答案練習、つまり本番の練習となるものですから、たくさん練習をやって本番に備えておくのにこしたことはありません。

しかしこの「答練」の時間がかかることと言ったらありません。公認会計士試験では2時間ものの答練がスタンダードでしょう。会計学の論文答練では本番と同様3時間のものもあったりします。解くだけでも大変ですし、さらに復習となると、答案をひとつこなすだけで5~6時間かかってもおかしくありません。

こういった答練は基礎期から始まり、応用期、直前期にかけてどんどん増えていくのが一般的。おそらくどの予備校も、短答・論文合わせて100近くは用意しているのではないでしょうか。

もちろん余裕があればしっかり時間を計って解き、自分の解答を予備校に採点してもらい、あわせてたっぷりと復習をすべきでしょう。

しかし働きながら勉強に取り組む社会人は、それをやっていると下手したら1つの答練を終わらせるのに1週間くらいかかってしまいます。

さらに答練の数は尋常ではありませんので、日を追うごとに徐々に溜まっていきます。未了の答練が5つも6つも部屋に積み重なっているのを見て、ため息をついている社会人受験生も多いのではないでしょうか笑。

答練は社会人受験生にとって間違いなく重荷であり、解いても点数が限りなくゼロに近くなってしまうため、下手したら学習を諦めることになってしまうほどのインパクトを持っていると思います。そういう意味では答練というのは両刃の剣。合格にもつながるし、勉強自体を諦めるほどの悪いインパクトも持っていると言えます。

答練がきついと感じる方に私が提案する解決策は以下です。

  • 答練をテストと考えない。無駄に考えて時間を浪費しない。ただの作業ととらえる。点数を出さない
  • 計算答練:必ず解法を「理解」する。解答を写経する。
  • 理論答練:問題文を見てキーワードを思い浮かべる。極端な話、書くことすら不要。(次回)
  • 必ず基礎テキストにリファーする。(次回)
  • 2回目、3回目以降はテストのように解く。(次回)

・答練をテストと考えない。無駄に考えて時間を浪費しない。ただの作業ととらえる。点数を出さない

ものごとを継続する秘訣は、効果を追求しながらも可能な限りハードルを下げることです。

答練はテストですから、点数が出る。0点だと辛い。であればそれをテストではなく点数も出さないものと位置付けてしまうことが必要です。

問題を見て、解けそうだったら解く。ちょっと考えて答えをすぐ見る。答練をこういった作業という風にとらえれば、難なく進めていくことが出来ます。

このやり方で解こうが、普通に時間通りに解こうが、習熟度が変わるとは思いません。明日試験であればそれはまずいですが、会計士試験は長丁場。今の時点で答案を作れなくても問題ありません。

まずはとにかく答練を全部見切る。解き方をちょっと考える。すぐに答えを見て、解答を写経する。

時間がない社会人はこのマインドが必要です。

無駄に2時間考え、0点に近い点数を取りながら、2時間勉強した気になってはいけません。

学校教育では時間をかけて「とにかく考える」「とにかく書く」ことを良しとする傾向にありますが、それは資格試験のように知識を叩き込む試験形式の場合は、ほぼ時間の無駄です。それはほんの少しの知識でほんの少しのアウトプットを出すような、学校の道徳の授業の作文等には適していますが、膨大な知識が必要となる試験の場合はそのマインドは捨て去るべき。

それよりもたくさんの問題に触れ、ちょっと考え、すぐ答えを見ることの方が大事です。

とはいえ、答練は何度も繰り返す必要があります。何回と聞かれれば私は3回と答えます。

そこで、2回目に解くとき、もしくは3回目に解くときに普通に試験のように時間を計ってテストのように受けてみればよいと思います。2回目以降であれば、学習も進んでいるはずですので、最初の時よりもかなり心理的ハードルは下がっていると思います。

・計算答練:必ず解法を「理解」する。解答を写経する。

計算答練(簿記・管理会計・租税法・ファイナンス等)は、とにかく解法を理解すべき。つまりちょっと考え、すぐ解答を見て、よく解答を理解して計算手順を覚える必要があります。

注意点としては、上記の通り解答をすぐ見てどんどん進めると言っても、「解答を見てもわからない」状態なのであればそれはさすがにまずいです。その場合はテキストに戻り、さらにどうしてもわからなければ予備校に聞くべきです。

簿記の総合問題といっても所詮は小問の集合体。細分化して考えれば、基本的にはテキストレベルの計算手順に行きつきます。原価計算も他の計算科目も同じです。

計算問題はかなり膨大な総合問題があったりします。特に連結会計の総合問題はため息が出るほどの「超大作」が多いですよね笑。しかしすごそうな総合問題にビビらず、所詮は小問の集合体と割り切って、コツコツ計算過程を理解していくのが大事です!

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