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答練の使い方・2回目です!今回は「理論」答練にスポットを当てたいと思います。
- 答練をテストと考えない。無駄に考えて時間を浪費しない。ただの作業ととらえる。点数を出さない(前回)
- 計算答練:必ず解法を「理解」する。解答を写経する(前回)
- 理論答練:企業法とそれ以外で分けて考える。問題文を見てキーワードを思い浮かべる。極端な話、書くことすら不要。
- 必ず基礎テキストにリファーする(次回)
- 2回目、3回目以降はテストのように解く(次回)
理論答練:企業法とそれ以外で分けて考える。問題文を見てキーワードを思い浮かべる。極端な話、書くことすら不要。
公認会計士試験における「理論」は以下となります。
財務会計論理論(財務諸表論)、管理会計論理論、監査論、企業法、租税法理論、経営学理論
理論科目の中で一番大変なのは「企業法」ではないでしょうか。
なにしろ解答が長い。通常、10~20行くらいの論述を4つ程度行う必要があります。
そして法律科目だけあって、解答様式がしっかり決まっています。基本的には以下のような流れで文章を書いていくことになるでしょう。
事例分析→規範定立→当てはめ→結論
当然ながら随時、根拠となる条文を引いて、記載していく必要があります。
逆に、企業法以外の理論は、そのような様式はほぼありません。基本的には聞かれたことについて解答するのみです。解答欄が10行以上にもなるような場合もありますが、企業法のように「流れ」が決まっているわけではありません。
このように、「企業法」と「それ以外の理論」を分けて考えることができます。
【企業法について】
「企業法」に関しては、答練、それから論文テキストのAランク問題の「解答の流れ」をある程度暗記する必要があるでしょう。
私は企業法に関しては、Aランク問題を、自分がわかる程度の箇条書きレベルに落とし込み、ワードでまとめました。まとまりの頭に「事例分析」「規範定立」「当てはめ」「結論」等のカテゴリも目立つように書きました。
これは一例で、答練やテキストのまま覚えられるのであればワードにまとめる必要はありませんが、いずれにしても「企業法」に関しては、このように解答の流れを暗記する必要があります。
逆に解答の流れさえあっていれば、細部を多少間違えても得点が来るようになっているはずです。
【企業法以外の理論科目について】
企業法以外の科目はどうでしょうか。極端な話、対策としては解答キーワードを覚えるのみです。まずは聞かれた内容を「一言」で答えてみましょう。それが出来たら、徐々に文章として肉付けしていきます。
最初に答練を解いたときは「一言」「キーワード」で解答できればよし。次に解答を見て、解答の文章を確認。その後もちろん基礎テキストに戻る。
2回目に見たときには文章の形式で解答できるようにする。
3回目以降で徐々に解答の形式に近づけていく。
このように最初はキーワードから、徐々に最終的な解答の文章に近づけていくスタイルがよいでしょう。
【理論答練、書くことすら不要?】
さて、企業法、企業法以外の「理論答練」ですが、解答を書くのはおそろしく時間がかかります。解答写経と言っても書き写すだけで2時間かかってもおかしくないでしょう。
私は、理論答練に関しては解答を答案用紙に書くことすら全くしませんでした。論文試験本番で初めてボールペンを使って書いたほどです。
個人的には、それで全く問題ありませんでした。むしろ計算科目が苦手で、本試験の帰ってきた成績を見ても、不合格時合格時問わず、理論部分はそれなりに取れており、計算部分が足を引っ張っていました。
おそらく私は理論科目が得意で、文章を書くのに抵抗がないからだと思います(字は恐ろしいほど汚いですが…)
よって理論答練について「解答すら書かない」方法は万人にはお勧めはできないでしょう。
しかし上記の通り、理論答練は解答写経だけでおそろしいほど時間がかかるのも事実。
もしどうしても時間が取れない場合は試してみて損はないと思います。そもそも理論の解答を実際に書いたからといって、それほどの効果があるとも思えません。それよりもたくさんの問題を見て、「ちょっと考えて」、解答パターンを読んで暗記したほうがいいと思います。
貴重な時間を「単に書くだけで」浪費するのは避けなければいけません。
もちろん私のように本番ぶっつけ勝負はさすがに危険でしょうから、自信がある人でも、事前に数回ペン(及び修正テープ)で書く練習はしたほうがよいでしょう。
理論科目答練まとめ
- 企業法:解答の流れをしっかり暗記
- 企業法以外の答練:まずはキーワード。一言で解答する。2回目以降で徐々に文章として肉付けしていく
- 答練の解答は写経すら恐ろしいほど時間がかかる。無駄に書いて時間を浪費しない。それよりもたくさんの問題を見て「ちょっと考えて」すぐ答えを見る方が大事
- 試験前にはさすがに書く練習をする