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公認会計士試験6科目は全て「基礎テキスト」「問題集」が存在します。
おそらくどの予備校も「簿記」だけで20冊近くあるのではないでしょうか。
全てを合わせると、5~60冊はあると思います(多すぎて数える気になれない笑)。
これらのテキスト・問題集は当然毎年改訂され公表される「出題範囲の要旨」に合わせて作成されています。
つまり、この「基礎テキスト・問題集」に短答・論文問わずすべての答えが載っているはずなのです。
ということでまずは講義を聞いて、「基礎テキスト・問題集」をしっかり仕上げなければいけません。
この「基礎テキスト・問題集」の取り組み方を考えていきます。
- 全範囲を機械的に回す
- テキストの読み方(次回)
全範囲を機械的に回す
上記の通り「基礎テキスト・問題集」は全科目合わせると何十冊もあるわけですから、やればやるほど忘れていきます。
それを防ぐには、年間通して何度も繰り返すことが出来る計画を立てることです。
これは計算科目と理論科目で分けて考えるべきでしょう。
計算科目
計算科目は計算過程を覚え、実際に電卓で答えを出す必要があります。テキストの文章を読み、例題を確認したら同じような問題が載っている問題集を解いていきます。
つまり、しっかり机に座って腰を据えて勉強する必要がありますね。
計算科目は具体的には以下となります。
・財務会計論(簿記)
・管理会計論(原価計算等の計算)
・租税法(法人税法・消費税法の計算。所得税もたまに)
・経営学(ファイナンス)
これらの科目については、定期的にしっかりと学習していく必要があります。
これは機械的にやるべきでしょう。仮に毎日45分時間が取れるとしたら、次のようなスケジュールを組むことが考えられます。
計算基礎復習

この組み方は一例で、もちろん自分で考えて組むべきですが、趣旨は毎日15分×3のローテーションで、機械的に基礎テキスト・問題集に取り組む時間を設ける、ということです。
(スケジュールの細かい考え方はこちらをご覧ください。)
計算科目の基礎テキスト・問題集のこのようなローテーションは、是非毎日やってほしいと思います。
なぜかというと、計算科目の範囲が広く、本当に次から次に忘れてしまうから。このためにも毎日しっかりと基礎テキスト・問題集に取り組む時間を設ける必要があります。
さらに。講師をしていて思うのですが、学習が進んだ上級者であればあるほど基礎テキストを軽視している例が目立ちます。
答練ばかり解いていて、基礎テキストにあまり手を付けていないのです。
基礎テキストに載っているということは出題範囲の要旨に指定されている、ということ。すなわち何が出題されてもおかしくないわけですから、初学者だろうが上級者だろうが常に目を通しておく必要があります。
こういう基礎復習は基礎期からやりはじめるべきですが、本格化させるのは応用期からでしょう。
理論科目
理論科目とは以下を指します。
・財務会計論(理論=財務諸表論)
・管理会計論(理論)
・監査論
・企業法
・租税法(理論)
・経営学(理論)
これら理論科目は、ある意味単純です。なぜなら基本的にテキストを読みこめばいいだけだからです。
企業法を例に取りましょう。企業法で基礎テキストをしっかり読み込めば、それがそのまま短答対策になりますし、応用テキストを読み込めばそのまま論文対策になります。
ものすごく突き詰めて考えると、「理論科目はテキストを読むだけ」なのです。
計算科目と違うのが、電卓を使って計算手順を覚える必要が無いこと。
つまり、場所はどこでもできるのです。
私は監査論と経営学のテキスト読み込みは、すべて「通勤電車の中」で行ったと言っても過言ではありません。「読むだけ」ですから、どこでもできるはずです(効果的な読み方は次回触れます)。
理論科目の基礎テキストも、計算科目同様、上級者も決して油断することなく何度も何度も読みましょう。以下は一例ですが、私は本当に時間が無かったため、応用期は理論科目を通勤電車の中だけで行っていました。
- 月曜 行きの電車:財務会計論理論 上 帰りの電車:財務会計論理論 下
- 火曜 行きの電車:監査論 上 帰りの電車:監査論 下
- 水曜 行きの電車:企業法 上 帰りの電車:企業法 下
- 木曜 行きの電車:財務会計論理論 上 帰りの電車:財務会計論理論 下
- 金曜 行きの電車:監査論上 帰りの電車:監査論下
- 土曜 (図書館等への)行きの電車:企業法 上 帰りの電車:企業法 下
※月~水と木~土は同じ。
※管理会計論・租税法・経営学の読み込みは論文直前期の電車、及び答練取り組み時やお昼休み等で対処
ちなみに応用期の1週間のスケジュールは次のような感じでした。

これをこなすことができれば、全範囲くまなく進めていくことが出来ます。