前の記事 財務会計論の学習法2
財務会計論の取り組み方のつづきです!
【理論】計算の知識が前提。なぜその処理が必要か考える。「会計基準」を見るのはマスト
理論に関してはやり方は監査論や企業法と同じですので、詳細な取り組み方は後でそちらを参照していただければと思います。
財務会計論の理論に関していうと、やはり普段計算でやっていることが「なぜ必要なのか」考えることが大切です。
理論はいろいろな「説」だったり「考え方」だったりがありますが、大切なことは一つしかありません。それは「この会計処理が実態を表すかどうか」。これが全て。簿記や会計の目的というのはそもそも、企業で起こったことをいかに正しく数字に表すか、をひたすら考えているのです。その意味では「○○説」とか「××概念」のような小難しい話にあまり悩む必要はありません。そういう学問的な理論よりも「正しく実態を表しましょう」というのが根底にあるということ。その意味では、個人的には会計学というのはあまり深く考える必要は無くて、「そういうもんか」と割り切る姿勢が大切と思います。
後は当然ながら「会計基準」を見るのはマスト。短答模試や論文模試で出てくる都度、必ず該当する会計基準を見ておくべきでしょう。監基報や企業法もそうですが、テキストのみならず基準・法文にあたることで構造がわかり、より体系的に理解することが出来ます。
財務会計論まとめ
- 絶対に苦手にはしない
- 短答では計算力重視(素早い計算力)、論文では理論重視(もちろんどちらか一方ではない)
- 【計算】構造は単純。基礎を押さえたら連結・CF・企業結合/事業分離を頑張る
- 【理論】なぜその計算が必要か、考える。全ての背景を簡単に言えば「実態を適切に表すため」。会計基準にあたるのはマスト
さて、それでは管理会計論に行きましょう。が!管理会計論は自分が苦手というのもあり、大したことは書けないのはあらかじめお断りしておきます…
管理会計論、本当に難しいですね…個人的にはあそこまで難易度を上げる必要があるのか、と思っています。なぜなら、管理会計というのは基本的に会計士がやるものではなく、会社が自社のために数字を作るものだからです。私は大手監査法人時代、大企業の管理会計部門の方々としょっちゅうやり取りしていました。そこでは会計士試験の管理会計論で要求されるような知識を持っている人はほぼいませんでしたが、それでも問題なく管理会計業務をこなしていました。そもそも管理会計というのは制度会計につながる部分を除き、「正解」がある分野ではないのですよね。現行試験は会計士受験生が困難と感じるほどの難易度となっており、実態と離れ過ぎなのではないかと思います。今私と同じチームにいるUSCPAや英国会計士にも聞いてみましたが、これに相当するほどの科目はなさそうで、日本独自の困難な科目ということがいえます。試験改革が必要なのではないでしょうか。
いきなり話が逸れましたが、私は、管理会計論は本当に苦手であり、短答は運もあり70%でしたが、論文は偏差値49でしたので適切なアドバイスはできません。しかし以下の2点は大事だと思います。
日商簿記2級の工業簿記を完璧にマスターする
あとは各論を極めていくしかない
私は会計士試験合格後、一時期日商簿記の講師をしていたことがあります。そのときに思ったのですが、日商簿記2級の工業簿記って非常に深いです。
日商簿記は、試験対策として過去問等大量に解いていれば理解は浅くとも「なんとなく」解けて合格したりもします。
しかし2級の工業簿記の範囲である間接費配賦、原価差異の考え方、個別・総合・標準原価計算、直接原価計算、固定費調整、CVP等は、本当に理解するのはなかなか大変なのではないかと思います。
まずはここをしっかり理解することが大切です。しっかり理解するとは、2級の工業簿記の問題を解くとイージーミスを除いて満点が取れるということ。
これが非常に大事です。極端な話、この2級の骨格を完璧に理解しておけば、後はそれぞれの単元を深く掘り下げていくだけですから。
ということでまずは2級工業簿記を極める必要があります。70%では不十分で、100%です。
その後、各ジャンルを掘り下げていくしかありません。
管理会計論は短答・論文共に難易度が非常に高いですので、とにかく様々な問題に当たり、どのような出題がされるかをつかむことが必要です。
管理会計論まとめ
- まずは日商簿記2級工業簿記を極める。70%ではなく100%!
- あとは頑張って!<m(__)m>
つづく