前の記事 1年間の「生活必要経費・税金」を把握!
前回、まずは今後1年間の「固定費」・「準固定費」を算定してみる、という話をしました。
とりあえずざっくり定義しておきましょう。別に正式な定義でもないのでざっくりの理解でよいです。
「固定費」・・・生きていくうえで回避不能的に発生するコスト。ほぼ定額的に発生することが多い。私の場合は税金、年金、健康保険。
「準固定費」・・・頑張って変えようと思えば変えられるけど変えるのはかなり難しく、ほぼ固定費と同様の扱いをしてよい費用。私の場合は家賃、保険、協会会費等。お子さんがいる場合の教育費なんかも入ってくると思います。
この2つをあわせて「固定費等」と呼ぶことにします。
ちなみに「食費」は固定費等に入れないことにしました。食費は安いものから高いものまでいろいろなものがあるし、切り詰めようと思ったらとことんまでできるはずだからです。
この「固定費等」ですが、今後1年間間違いなくこの額が発生するものです。よってこの額は必ず1年間きっちり払わなければなりません。
さて、前回の例でこのような「固定費等」のエクセルを作りました。

ちなみにこの例のように3月に確定申告で大きく支出が増加する場合は、4月スタートの「3月決算方式」がなじみやすいので、4月スタートにしてみます。

この例では「固定費等」の支払額は年間250万円になります。
ちなみに私の「固定費等」は、公開はしませんが本当に驚きの額でした…
今都心に住んでいるので家賃がかなりお高めなのもあります。
生きていくだけで、ほぼ必然的に発生する「固定費等」がこれほどかかるのか、自分は何という高コスト体質なのか、ということに気づき驚愕しました。
いずれにしてもこのように表にして数字として「固定費等」をしっかり把握することが非常に大事です。これをベースに、今後のファイナンシャルプランニングを考えていきます。
さて、「固定費等」の年間必要額が250万円と判明しましたが、これにしっかり備えることが大事です。
よく見てみると、月によって支払額が結構バラバラということが言えます。3月は確定申告による所得税支払いの影響で40万円以上ですが、15万円くらいの月もあります。
さて、この支払にどのように備えることが必要でしょうか。
ここで大事なのは、毎月機械的に「固定費等」の必要額を、収入から積み立てていくことです。
年間必要額250万円を12で割ってみると、21万円。21万円を毎月機械的に積み立てることにしましょう。

このように毎月21万円を「機械的」に支払口座に積み立てていくことが大事だと思います。
一番右に「積立残」とあるのは、支払い口座に21万円ずつ積み立てた金額から、月々の「固定費等」を支払った残額です。この例では最初の方かなり多めに積立て、3月の支払いでほぼゼロになるようになっています。
ここで月額の積立額を変えたりすると、だんだんギリギリの積立額を狙い始めてしまい、それがいずれ破綻し、最終的にプランが達成できなくなると感じます。
そこで「固定費等」を算出したら、それを機械的に12カ月で割って、機械的に毎月その額を問答無用で積み立てていくのがお勧めです。
12か月分金額を「ならす」ことによって、支払いが多い月の衝撃を和らげることができます。これも結構大事。
支払の発生にあわせ、4月に16万円、5月に23万円積み立てる、というやり方はあまりいいやり方とは思えません。毎月の変動が大きい場合は、12か月でならして月々積み立てる方が絶対によいです。
これは会計でいうところの「引当金」に近い発想ですね。将来発生すると思われる費用を見積り、あらかじめ積み立てておく、ということです。企業会計だと費用計上するだけでお金を積み立てることはありませんが、個人であれば引当分のお金を積み立てていく必要があります。
この「引当」をするという考え方が、将来に備えるための基本的な考え方となります。